●こんにちは、まこちょです。
英文を作るとき、この品詞がなかったらどうしようもないという品詞があるんです。そう、それが前置詞。
この品詞は、名詞を中心に構成される英語において、欠くことのできない超重要ポジションを占めていると言って良いでしょう。
ところでなぜ英語において前置詞が重要なのかというと、英文中に使われる名詞は「動詞」に支えられるか、または「前置詞」にくっつく以外に使われないからなんですね。
例
I went to the library with him.
「私は彼と一緒に図書館へ行った」
今即席で英文を作ってみましたが、この英文ですら前置詞の役割が非常に重要なのが見て取れます。いや、前置詞バンザイ!ですね(?)。
I went to the library with him.
まぁ、その結果私たち日本人にとって、非常にニュアンスが難しい前置詞を使い分けなければならないという、過酷な修行が待っている訳なんですけどね(笑)
ところで、この前置詞なのですが、名詞とくっついて「前置詞+名詞」の形を作るという点ではとてもシンプルなのですが、前置詞の後ろに来る名詞は何でもよいわけではありません。
名詞の種類によっては、【前置詞の方を省略】したりする場合があるんですよ?これは英語学習者にとっては非常に学習しづらいポイントですね。
名詞に必ず前置詞を消さなくてはならないものもあれば前置詞をつけてもつけなくてもどっちでもよい、なんていうのもあり思わず「どっちかにしろよ!」と思ってしまうものまであります。この辺が英語嫌いになる要因の1つですね。
そこで今回は省略できる、もしくは省略しなければならないシチュエーションを一挙大公開!しっかりとマスターしていただいて今後の英語学習にお役立てください。
必ず前置詞を省略するパターン
まずは、【必ず】前置詞を省略するパターンをご紹介します。
前置詞の後ろにto不定詞 / that節
まずはこの点をしっかり押さえましょう。to不定詞もthat節もそれぞれ「名詞句・節」の用法があるのですが、この2つは前置詞の後ろには置けないというルールがあるんです。
したがって、もしこの2つを動詞の後ろに使いたい場合は前置詞を強制省略するんです。つまり「前置詞+to不定詞」「前置詞+that節」という組み合わせはないということですね。
通常はこういったシチュエーションの場合は前置詞+動名詞(~ing)に形にして表現します。例えば
例
You insisted on marrying her
「あなたは彼女と結婚すると主張した」
insist は後ろに名詞句を置くときには前置詞on+~ingの形で表現するのですが、動名詞句が「名詞句」であるからと言って、やはり同じ名詞句であるto不定詞を用いてはいけません。
×You insisted on to marry her.
そしてもちろんthat節(名詞節)も前置詞の後ろにはつけることができません。
×You insisted on that you (should) marry her.
もし前置詞onを生かす方向で表現するならば、後ろの名詞句はto不定詞ではなく動名詞(~ing)で。that節を置きたい場合は、onを省略して表現します。
特にthat節を置く場合は注意が必要です。
You insisted on marrying her
=You insisted that you (should) marry her.
他にも前置詞+~ingをthat節に書き換えるパターンはたくさんありますのでしっかり理解しておきましょう。
例
He is proud of being famous.
= He is proud that he is famous.
I am sure of becoming a good engineer.
= I am sure that I become a good engineer.
※注意※
先ほど前置詞の後ろにはthat節(名詞節)を置いてはいけないと書きましたが、実は例外があります。「また例外かよ!?」と言わずにしっかりと以下の2つの用法を覚えましょう。どれも入試では頻出です。
● in that S+V「SがVするという点で」
例
Men differ from animals in that they can think and speak.
「人はものを考えまた言うことができるという点で動物と違う」
● except that S+V「SがVするのをのぞいて」
例
He is a capable man except that he can’t speak English fluently.
「彼は英語を流暢に話せないという点を除けばデキる男だ」
※注意②※
思わず「またかよ!」という声が聞こえてくるのですが、本当に重要なのでちょっと追加補足を。
このthat節の前には前置詞を置かない、というルールによってとてつもない勘違いを引きおこすのがthinkという動詞。
このthinkは本来「自動詞」で使い、think of (about)が通常の使い方なんです。ですが余りにもthat節と使うので、思わずthinkは「他動詞」と認識してしまうんですよね。
thinkの使い方についてもっと詳しく学習したい方はこちらの記事へどうぞ
前置詞をつけてもつけなくてもどっちでもよいパターン
先ほどのパターンと違って、ここからは「前置詞がついたりつかなかったり」するパターンをご紹介しましょう。
こういう「どっちでもいい」的なモノは白黒をはっきりつけたがる英語学習者の方には今一つ納得できない箇所かとは思うのですが、ちょっと我慢しておつきあいください(笑)
前置詞の後ろに疑問文(間接疑問文)
先ほど前置詞の後ろにthat節はダメダメだーめ!(?)と言ったじゃないですか。ところが「間接疑問文」はokな場合が多いんです。例えば
例
I have no idea of (about) what he said.
「私は、彼が何を行ったのか分からない」
この文はhave no idea of (about)~「~について分からない」という表現なのですがof(about)の後ろに間接疑問文がついている形です。
この形はthat節と違いokな形であることを理解しましょう。
ところが「前置詞+間接疑問文」の形になったときは前置詞が省略されることがあります。ここでは
I have no idea what he said.
と表現するのもok。
ごくまれに生徒の質問で、「先生、なぜこの文はidea(名詞)とwhat~(名詞節)が並んで表示されているのですか?」と特に整序並び替えの問題で、疑問に思う生徒がいるのですが、からくりは間にある前置詞が省略されているのでした!
例
It depends (on) who is in charge.
「それは,誰が担当するかによる」
Let’s talk about the question (of) why Ken killed himself.
「なぜケンが自殺したのかという問題について考えましょう」
You’re not aware (of) how dangerous it is.
「君はそれがどんなに危険か(に)気付いていない」
慣用句のin + ~ingのとき
よく慣用句(イディオム的)に使われるin ~ingの形の「in」はよく省略されます。動名詞慣用句表現に多いですね。
● be busy (in)~ing「~するのに忙しい」
例
He was busy (in) preparing for the trip.
「彼は旅行の準備をするのに忙しかった」
● have difficulty(trouble) (in) ~ing「~するのに苦労する」
例
I had great difficulty (in) finding her house.
「彼女の家を見つけるのにとても苦労した」
どうやらinと動名詞がからむとinが省略されるケースが多いようですね。なぜinなんですかね?分かる人は私に教えてください。
曜日の前のon
みなさんは曜日の前にはonをつけると中学生の時に学習したと思います。私もそうでした。ところが曜日の前や特定の日の前のonはアメリカ英語では「省略」されることが多いんですよね。
例
Lisa went to Boston (on) Tuesday.
「リサは火曜日にボストンに行った」
例
I left Tokyo (on) Monday morning.
「私は月曜日の朝に東京を出発した」
ちなみに次のような場合には普通、at、in、on などの前置詞は用いられないことも覚えておきましょう。
● next、last、this などがつくとき
例
Let’s get out of here next Sunday.
「次の日曜日にここを出よう」
I’m meeting Andrew this afternoon.
「私は今日の午後、アンドリューに会う予定だ」
あとがき
この前置詞を何が何でもつけてはいけないパターンとどっちでもokパターンは確かに真面目に英語学習に取り組んでいる人からみたら厄介以外何物でもありません。
少しずつこの「例外」ストックを貯めていって、今後の英語学習にお役立てください。
ではまた。
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