この記事は
「文中に出てくる『前置詞+名詞』はどこに修飾するのでしょうか?名詞にかかったり動詞を修飾したりと混乱してしまいます。簡単に見分ける方法を教えてください」
と悩んでいる英文リーディング読者に向けて記事を書いています。
●こんにちは、まこちょです。
英文には「修飾語句M」と呼ばれるSVOCに含まれない言葉があります。
ちなみにSVOCと修飾語句の分け方は「5文型」の基本です。以下の記事を確認してみてくださいね。
この修飾語句のMですが、何が厄介って英文中に何個でも置くことができること。ですから
MMMMMSMMMMMMVMMMM…
みたいな英文も当然可能です。見てるだけでうんざりしてきますよね(笑)
しかも修飾語句には「前置詞+名詞」といった形もあり、これがまた複数英文に登場するともうパニックです(笑)いったいこのMはどこを修飾しているんだ?と途方に暮れることは間違いないですね。
そこで今回は、英文を読むうえで非常に厄介な「前置詞+名詞」の修飾についての考え方について徹底解説!
困ったときでも以下の記事の修飾語句についての「思考パターン」を確立していれば怖いものはありません。
以下の記事をお読みいただければ次の点であなたの英語力はグレートアップするでしょうね。
▶「前置詞+名詞」の処理方法が分かる
ぜひマスターして今後の英文リーディングにお役立てください!
2つの修飾語句のかかり方
言に修飾語句といってもその種類は2種類あることをまず押さえましょう。
この種類を見分けるのは非常に簡単!ポイントは「何を」修飾しているかによって分けるだけです。
【修飾語句の種類】
- ① 名詞を修飾する ⇒ 形容詞
- ② 名詞以外を修飾する ⇒ 副詞
例
Jane is a beautiful girl.
「ジェーンはきれいな女の子だ」
この英文のbeautifulはgirlという名詞を説明(修飾)しているのはお分かりかと。beautiful → girl「きれいな → 女の子」というわけですね。
この形容詞修飾のMについてちょっと注意点を。形容詞修飾というのはbeautifulのように【1語のみ】でしたら名詞を「前」から修飾します。
ところが形容詞修飾(に限らず修飾語句は全部そうですが)というのは毎回1語だけとは限りません。例えば複数語句がまとめて名詞を修飾する場合だってあるんです。
ですがその場合、形容詞は名詞を「前」から修飾することができません。後ろから修飾することになるんです。
【形容詞修飾のM】
- ① 1語のみ ⇒ 名詞を「前」から修飾
- ② 2語以上 ⇒ 名詞を「後ろ」から修飾
例
The cat on the table is Tama.
「そのテーブルの上の猫はタマです」
この英文なのですがon the tableがthe catにかかっています。
catは名詞ですからね、ということはon the tableは「形容詞句」ということになりますが、on the tableと3語ありますからcatを後ろから修飾しているというわけです。
The cat ← on the table
「そのテーブルの上の → 猫」
1語だろうと2語以上だろうと、「名詞」にかかる語句はすべて「形容詞修飾=M」であると理解することが大事ですね。
副詞修飾のM
名詞以外の語を修飾するMは「副詞(句・節)」と呼ばれます。
どうして「名詞以外の語」なんて曖昧な表現を使うかというと、副詞というのは名詞以外でしたら「何でも」修飾することができるからですね。
例えば次にご紹介する英文のMはすべて「副詞」なのですが、非常に修飾範囲が広いことを押さえておいてください。
例
Jane is a very beautiful girl.
「ジェーンはとても美しい女性だ」
先ほど見た英文に似ていますがbeautifulの前にveryがつきました。このveryは「とても」という意味でbeautifulを修飾しているんです。beautifulは形容詞なので副詞のveryが修飾することができるんですね。
very(副) → beautiful(形) → girl(名)
というわけです。
例
The cat sleeps on the table.
「その猫はそのテーブルの上で眠る」
on the tableが修飾しているのは動詞のsleepです。何度でも言いますが名詞以外を修飾するものはすべて「副詞」のMであることを理解してください。
前置詞+名詞の修飾方法
修飾語句Mというものは「形容詞修飾」と「副詞修飾」があることはご理解いただけたと思いますが、この修飾語句で1つだけ、私たちを悩ませる形があることをご存じでしょうか。
そう、それが「前置詞+名詞」という形です。
前置詞+名詞は文の要素に入りません。つまりSVOCの中に含まれまいということなのですが、この点でまず%name%さんを困らせてしまうかもしれません。なぜでしょう?
とりあえず以下の例文を見てください。中学生で学習したよくある形ですね。
例
He went to the library.
「彼は図書館に行った」
この英文ですが、中学生のころ以下のように学習した方も多いのではないでしょうか。
先生:「いいか~、goという動詞は「行く」なんだけども、後ろに「場所」を表す言葉をつける時はgo to場所と表現するんだ~。だからgoはgo toと覚えてしまった方が使いやすいぞ~」
みたいな感じです。
もちろんこの説明は間違いではありません。ですがその結果、私を含めて高校英語を学習するまで以下のようにとらえてしまうことが非常に多いんです。
He(S) went to(V) the library (O).
そう、go toでまるで1つの「動詞」かのようにとらえてしまうパターンです。どっちかというと前置詞toはgoのほうにくっついているんだ、という認識ですね。
ですが、前置詞toは実は後ろの名詞とくっついているんだということを高校生の時に学習して愕然としたものです。
しかも「前置詞+名詞」の部分はSVOCの要素に含まれまいと。つまり
He(S) went(V) (to the library)(M)
と考えるのが正解なんですね。ですから中学のときに arrive at~、live in~、というふうに学習してしまった方は若干の修正が必要ということです(ちなみにこのように教えてくださった当時の先生方を攻めてはいけませんよ。彼らがlive inのように教えてくれたのは、中学英語でSVOCMを使うことができないための苦肉の策だったのです。むしろ私たちに英語を嫌いになって欲しくないという一念から生まれた「優しさ」と捉えてください)。
ところでこの「前置詞+名詞」なのですが、この形も形容詞修飾と副詞修飾の2種類があるんです。
【前置詞+名詞】
①「形容詞句」として前の名詞にかかる
②「副詞句」として名詞以外にかかる
例
He is a friend of mine
この英文のof mineは「前置詞+名詞」の形です。当然SVOCに含まれません。
He(S) is(V) a friend(C) (of mine)(M).
このof mineが前の名詞 a friendを修飾しているのはお分かりだと思います。つまりof mineは形容詞句ということになりますね。a friend of mineで「私の友人の一人」。
a friend ⇐ (of mine)
例
In those days, Ken read this novel.
この英文もIn those daysが「前置詞+名詞」の形になっています。もしInの前に「名詞」があったらIn those daysを「形容詞句」として考える選択肢もあったのですが、この英文にはありません。
したがってここは「副詞句」として動詞readを修飾しているわけです。意味は「先日、ケンはこの小説を読んだ」
このように前置詞+名詞の形は、前の名詞を修飾するか、それとも名詞以外(大体は動詞)を修飾する2つのパターンがあることを押さえておきましょう!
「前置詞+名詞」が形容詞句か副詞句か悩んでしまったら
前置詞+名詞を見かけたら次のような思考パターンを確立しておくと解釈に悩まなくて済みますね。
もし前に名詞があったら(名詞 + 前置詞 + 名詞の時)
① 前の名詞にかけてみる
↓
しっくりいくようならば、そのまま形容詞句として処理する
↓
② もし名詞を修飾して、意味がおかしい場合は名詞以外(基本は動詞)にかける
ところがですね。神様は意地悪です(笑)中にはこの「前置詞+名詞」がどちらのパターンなのかが分からない時があるのです。
例
I saw a cat in the street.
この英文ですが、in the streetの部分が「前置詞+名詞」ですよね。先ほどの思考パターンによると、前に名詞a catがあるからまずは「形容詞修飾」として疑っていくことになります。
I saw a cat ⇐ (in the street).
「私は(通りにいる) → ネコを見た」
ところがこの英文、もしin the streetが形容詞修飾ではなく、副詞修飾だったら動詞sawを修飾することになります。すると
I saw ⇐ (in the street) a cat.
「私は通りでネコを見た」
となんと意味が通ってしまうんですね!
このように一概に「どっち?」と言われて決められないシチュエーションは実は多いんです。
ではどうするか。もちろんこういった場合、前後の文脈に依存することが多いので、この英文だけを見ても結論がでません。したがって答えは「完全スルー」が正解です(笑)
では最後に本日の課題です。次回に答え合わせをしますのでチャレンジしてみてくださいね!
【練習問題1】 次の前置詞+名詞句は形容詞(句)か副詞(句)ですか?
(1) Tom went to the beautiful park.
(2) Ken visited the park in my city.
(3) Taro and Mike Study Spanish in the library on Sunday.
「前置詞+名詞」の問題を解いてみる
to the beautiful parkが「前置詞+名詞」の箇所。この箇所がいったいどこを修飾するかですが手順がありましたがもう一度再録しますね。
もし前に名詞があったら(名詞 + 前置詞 + 名詞の時)
① 前の名詞にかけてみる
↓
しっくりいくようならば、そのまま形容詞句として処理する
↓
② もし名詞を修飾して、意味がおかしい場合は名詞以外(基本は動詞)にかける
今回は前置詞toの直前に名詞がありませんね。ということはそもそも①ができません。
したがって②のパターンに考えを変えてみましょう。つまり動詞を修飾しているんだ!考えるわけですね。このto the beautiful parkはwentを修飾する「副詞句」です。
訳「トムは美しい公園に行った」
今度はin the cityの前にthe parkがありますよね。ではとりあえずthe parkにかけてみましょう。
the park ← in my city
「私の町の → 公園」
ばっちり意味が通りますね。そう、このin the cityは「形容詞修飾」だったのです。
訳「ケンは私の町にある公園に訪れた」
この英文は「前置詞+名詞」の箇所が2つありますね。これまでの学習から修飾語句は英文に何個でも登場してよいのですから、こういったパターンも当然あり得るわけです。
in the cityの前にSpanish「スペイン語」。試しにかけてみましょう。そうすると
Spanish ← in the library「図書館の → スペイン語」?
う~ん…なんか意味が分かりませんね。どうやらこのin the cityはSpanishではなく、動詞studyを修飾しているようですね。
study ← in the library 「図書館で勉強する」
ばっちりですね!in the libraryは「副詞句」と分かります。on Sundayは?
the library ← on Sunday 「日曜日の → 図書館」?
う~ん…(笑)小説ならこういった言い回しもあるかも。ですが今回は違います、このon Sundayもstudyを修飾する「副詞句」です。
study ← on Sunday 「日曜日に → 勉強する」
訳「太郎とマイクは日曜日に図書館で勉強する」
このように「前置詞+名詞」はしっかりとした手順を追えばかかる相手はしっかりと見つかるものです。
「前置詞+名詞」の2つの修飾の仕方:まとめ
さて、今回は「前置詞+名詞」の修飾語句のかかり方について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
「前置詞+名詞」の処理方法をまとめると
- ①形容詞句と副詞句の2種類がある
- ②最初は手前の名詞にかけてみる。その時意味が通じなかったら主に動詞にかけてみる
という思考パターンで「前置詞+名詞」の修飾語句を攻略してみましょう!
また「前置詞+名詞」には応用系の考え方もあります。以下の記事で徹底攻略していますので確認してみてください。
また会いましょう。
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