●みなさんこんにちは、まこちょです。
みなさん、前置詞+関係代名詞は好きですか?なぜかみなさん苦手なんですよね、このジャンル。
関係代名詞と関係副詞、または関係代名詞と接続詞の違いについては大学入試でも頻出箇所で、受験生は必ずマスターしなくてはいけませんが、なぜか前置詞+関係代名詞の形になると、「なぜ、ここで関係代名詞の前に前置詞がつくんだ?」と混乱してしまうようですね。
しかも、入試問題では、この前置詞+関係代名詞の問題になるとやたらとマニアックな出題をすることが多く、ますます受験生にとっては敷居が高い問題になることが多いです。
そこで今回は英語学習者にとって「鬼門」ともいえる関係代名詞、とくに前置詞+関係代名詞の大学入試問題を実際に解いてみようと思います。
ぜひ考え方をマスターしていただいて、今後の英語学習にお役立てください。
「前置詞+関係代名詞」の練習問題
【問】( )適切なものを選びなさい
(1) I have a talented daughter ( ) I am proud.
- whom
- of whom
(2) There are the tools ( ) he built his own house.
- that
- with that
- with which
- which
(3) Tom has three daughters, all ( ) live in different cities in Japan.
- of who
- of whom
- who
- whom
(4) They spoke only English and French, neither of ( ) she understood.
- what
- which
- whose
- that
(5) A large portion of ( ) the Japanese eat every day is imported from other countries.
- what
- that
- which
- where
まずは基本!前置詞+関係代名詞の後ろの文はどうなっているかを理解しよう
前置詞+関係代名詞の問題に限らず、関係代名詞、関係副詞、接続詞を使った文は、後ろの文がいったいどのような形になるかが非常に重要です。
したがって、先ず第一に私が言いたいのは以下のポイントですね。
例えば【問1】を見てください。2択しかありませんが、この問題ですら解法するときには( )の後ろを舐めまわすように(?)見ることから始めるんですよ。
I am proudは第2文型
(1) I have a talented daughter ( ) I am proud.
whom
of whom
( )の後ろはI am proud.ですね。ちょっとSVOCを振ってみてください。ちなみに関係詞・接続詞系の問題はSVOCの文型を正確に振ることができるかどうかという点も要求されるんです。
SVOCの第5文型の知識は、英文法書の最初の方の単元で終了だぜ!とか考えている英語学習者はここで壮大なしっぺ返しを食らうことになります(笑)
I(S) am (V) proud(C)
この文はSVCの第2文型。まさにTHE文型(?)と呼んでもいいくらいバッチリ文型が決まります。このようにSVOCの5文型のうち、S / O / Cの箇所が全く欠けていない文を「完全な文」というのでした。
ちなみに以下の文は「不完全な文」なのですが、この「完全な文」と「不完全な文」の違いがしっかり判らないと関係詞・接続詞の問題は相当苦戦するはずです。
もし「完全な文」「不完全な文」についてしっかり学習したい人は「完全な文」と「不完全な文」の違いとは?これが3つのチェックポイントだ!を読んでみると良いでしょう。
例
We discussed yesterday.
discussは「他動詞」ですので、通常後ろには「名詞」が必要。つまりこの文はdiscussedの後ろに目的語(O)がない「誤っている文」ということになります。
通常英文は【必ず】「完全な文」で書かなければなりません。
We(S) discussed(V) → (O)なし yesterday.
ところで、I am proudの文が「完全な文」だと分かったから何だというのでしょうか?もちろん、これによって( )の中に何が入るのか分かりますので超重要ですよ。
● 関係代名詞 ⇒ 後ろの文は「不完全」な文
● 関係副詞 ⇒ 後ろの文は「完全」な文
● 前置詞+関係代名詞 ⇒ 後ろの文は「完全」な文
● 接続詞 ⇒ 後ろの文は「完全な文」
このように後ろの文がどのような形を取っているかによって( )に入れる品詞が自動的に分かってしまうのは美味しいですよね。
関係代名詞と関係副詞の違い、関係代名詞と接続詞の違いについては以下の記事を参照してください。
もちろんI am proudは「完全な文」ですから、( )には【関係代名詞】を入れることができません。したがってここでは前置詞+関係代名詞を入れることになります。
I have a talented daughter of whom I am proud.
ここで生徒から質問が殺到します(笑)それはおおむね以下のような内容に集約されますね。
「先生、関係代名詞は後ろの文に「不完全な文」がくるのに、なぜ前置詞+関係代名詞は後ろの文が「完全な文」が来るんですか?どっちも関係代名詞を使っていることに変わりないじゃないですか」
というもの。確かに両方とも「関係代名詞」を使っているのにこの差っていったい、と考えるのも致し方ないと思うんですよね。
なぜ、前置詞+関係代名詞の場合、後ろの文が「完全な文」になるのかをちょっと説明しますね。
前置詞+先行詞は「副詞」扱い
関係代名詞である以上、先行詞があるので(関係代名詞のwhatにはありません)、今回の英文の先行詞を考えてみましょう。
I have a talented daughter of whom I am proud.
whomの先行詞はa talented daughterですので、whom = a talented daughterとなります。それが前置詞ofとくっついているわけですよね。
…of a talented daughter I am proud
↓
I am proud of a talented daughter.
ここで重要なのは、前置詞+名詞というのはSVOCの文型に【入らない】というところ。
つまり副詞句のMになるというところですね。
したがって、I am proud of a talented daughter.からMの部分が消えたとしても、残った文にはSVOCのしっかりと欠けのない英文が出来上がるというわけです。
つまり必ず「完全な文」が残るというわけですね。
I(S) am(V) proud(C)(of a talented daughter)=M.
↓
I(S) am(V) proud(C) 「完全な文」
この点は【ただの関係代名詞】と【前置詞+関係代名詞】の違いとして非常に重要なポイントになるわけです。
前置詞+関係代名詞のthatという形はない
(2) There are the tools ( ) he built his own house.
- that
- with that
- with which
- which
さぁ、いよいよ大学入試っぽい問題になってきました(笑)ですがやることは全くこれまでと変わらないんですね。まずは( )の後ろを見てみましょう。
関係代名詞・接続詞系の問題を解くときには( )の後ろを見る【クセ】をつけましょう。( )の前から見て問題を解く人は例外なく「負け組」です。
…( ) he built his own house.
buildは「他動詞」で後ろに目的語(O)があればOK。ここではhis own houseがそれに当たります。
…( ) he(S) built(V) his own house(O).
どこも抜けのない「完全な文」が炸裂しています。これによって( )には関係代名詞は入らないということがこの時点で分かっていなければなりません。
したがってまずは選択肢の④を外していくのがクールな解き方(?)です。
選択肢の①のthatだって関係代名詞じゃないんですか?と思った方もいると思うのですが、thatは「関係代名詞」のほかに「接続詞」もありますから、ここであっさり外してしまうのは逆に危険な考え方です。
大学入試問題は各学校の定期テストのように出題範囲が決まっているところから出題されるわけではありませんので、定期テストのように【理屈が分からなかったら無理やり覚えちゃえ!】といった方法が使えません。
これは声を大にして言いたいのですが、例えば今回の問題も「前置詞+関係代名詞」がテーマだから、関係代名詞のthatは初めからノーチャンス(選択外)なんだろうな~という考えは「百害あって一利なし」ということを、普段から姿勢として持っているべきですね。
ただしこの( )には接続詞のthatも入りません。理由はもしここで接続詞のthatを入れてしまうと前の名詞と「同格」の関係になってしまうから。
There are [the tools] = [that he built his own house].
さすがに[道具] = [彼が自分自身の家を建てたこと]は意味が通らないですよね。
残りの選択肢は
with that
with which
ですが、ここから先はちょっとした知識でクリアできます。
まず接続詞のthatは in that S+V「SがVだという点で」とexcept that S+V「SがVであるのを除いて」の2つを除いて、前置詞+接続詞のthatという使い方ができないという点。
つまりwith thatという使い方ができないということになります。答えは③
There are the tools with which he built his own house.
訳「彼は自分自身の家を建てる道具がある」
↓
There are the tools
He built his own house with the tools.
ちなみに、仮に「関係代名詞」のthatだとしても前置詞+that(関係代名詞)の形はダメです。意外に関係代名詞のthatは制約が多いんですよね。
関係代名詞のthatの制約についてまとめておきますね。
②… 前置詞+thatの形がない
前置詞の後ろの名詞は「目的格」
(3) Tom has three daughters, all ( ) live in different cities in Japan.
- of who
- of whom
- who
- whom
この辺からちょっと難しくなってきます。ですがやることは今までと変わらないんですよね。
( )の後ろを見ます。一見するとliveの主語がない「不完全な文」に見えるじゃないですか。
…( ) (S)がない live(V) in different cities in Japan.
ところがこの文、よく見ると( )の前にallという名詞がついていますよね。
all ( ) live in different cities in Japan.
英語は文中に出てきた名詞には必ず何らかの「役割」を持ちます。名詞は宙ぶらりんのままポツンといることは許されていないんですね。
名詞の役割についてはこちらの記事を参考にしてください
そう、実はこのallがliveの主語(S)なんです。
all(S) ( ) live(V) in different cities in Japan.
したがってこの文はliveが自動詞の第1文型の「完全な文」ということが分かるわけです。
ここでポイントを1つ。関係代名詞を入れる( )の前に【何か】があった場合はそれを含めて文型を考える、というのは超重要な解法ルールになりますので、注意してください。
ちなみに、もしこの英文、( )の前にallがなかったらどう考えていくか分かりますか?こういう問題は定着させる意味でも、いろいろいじって遊んでみるといいんですよ。
Tom has three daughters, ( ) live in different cities in Japan.
こうなると、( )の後ろの文は「不完全な文」なりますので、( )に入るのは関係代名詞。
しかもliveの主語(S)の代わりですから、「主格」の関係代名詞が入ると分かるわけです。答えはwhoというわけですね。
ところが今回はallという名詞が入ったことによって状況が一変した、というのが分かっていただけるとOKです。戻りましょう(笑)
all(S) ( ) live(V) in different cities in Japan.
この文は「完全な文」ですから( )に何かを入れるとするならば、「関係代名詞」ではないことはもうわかるかと。したがって③と④はこの時点で「無い」ことが分かります。
問題は①か②なのですが、これも実は簡単に判断できたりするんですよね。関係代名詞はもちろん名詞が変わったものなのは分かると思うのですが、前置詞の後ろに来る名詞は「目的格」の名詞に限るんです。
関係代名詞は主格の場合はwho、目的格の場合はwhomを使うと決まっていますので、ここはof whomの形を選べばよいと分かります。
Tom has three daughters, all of whom live in different cities in Japan.
後ろのliveの主語(S)がないからといって安易に主格の関係代名詞whoを選ばないようにしましょう。
訳「トムには三人の娘がいて、それぞれ日本のさまざまな都市に住んでいる」
あとがき
さて、ここまでで文字数が8000字ほど(笑)。少々長くなりそうなので、続きは後半でご紹介します。
ではまた
関係詞の学習方法についてよくわからない!という方は以下の記事で効率よく勉強しましょう。体系的に関係詞の知識を積み上げることができます。
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