● こんにちは、まこちょです。
英語の品詞に「前置詞」がありますが、この品詞なかなか使いこなすのが難しいんですよね。先生この時はinじゃなくてatを使っちゃダメですか?といった使い分けの質問はこれまでに何回も質問を受けました。
前置詞はその性質上、名詞の前に置くものですので、前置詞の基本的な形を「前置詞+名詞」として覚えてしまっている人もいるのではないかと思います。
そして今回はこの「前置詞+名詞」にまつわるお話なんです。
これはある生徒が質問の際私に持ってきた英文なのですが、ちょっと見てみてください。
【問】
We were astonished at the rapidity ( ) which he learned to speak English.
この( )の中に前置詞を入れろという問題なのですが、質問に来た生徒はチンプンカンプンだそうです。なぜこの答がwithになるのか?そう決まっているのか?atとかinじゃダメなのか?とか、とにかく質問しまくっていましたね。
実は「前置詞+名詞」の形はある特定の「条件」が重なると別の品詞に変えることができることができるんです。
もちろん何でも変わるのかというとそうではありませんが、今回はこの点についてみなさんと一緒に学習しようと思います。
ぜひ今後の英語学習に役立てていただければ幸いです。
前置詞+抽象名詞の用法
「前置詞+名詞」の形なのですが、この「名詞」が抽象名詞のときには注意が必要です。
抽象名詞というのは文字通りですが「形」がなく感覚的なものを指す名詞です。peace(平和)、health(健康)、honesty(正直さ)などがそうですね。不可算名詞になりますので、必ず単数名詞で使うのがポイントです。
こういった抽象名詞がある前置詞と一緒に使われると、「形容詞」や「副詞」になったりするんです。具体的に言うと
● with + 抽象名詞 ⇒ 「副詞」
● of + 抽象名詞 ⇒ 「形容詞」
となります。ちょっと例文を見てみましょう。
例
He solved the problem with ease.
= He solved the problem easily.
「彼はその問題を簡単に解いた」
例
This story is of importance.
= This story is important.
「この話は重要だ」
ここでよく生徒から質問が上がるのは、このofとwithには何か違いがあるのでしょうか?というもの。たしかにこの2つの前置詞の違いとはいったい何でしょうか。
前置詞ofとwithの違い
前置詞ofとwithの違いはそれぞれの前置詞が持つ「性格」によります。
withの基本的な性格は「持つ=have」です。つまりA with Bでしたら「Bを持つA」「Bの状態を伴うA」というニュアンスがあるんですね。
したがってwith easeでしたら「容易さを持って ⇒ 容易に・簡単に」となるわけです。そういえば付帯状況の表現のときにもwithを使って表現しますよね。全く同じなんです。
付帯状況のwithについて深く学習したい方はこちらの記事をどうぞ
www.makocho0828.net
with+抽象名詞の種類はそのほかにwith care = carefully (注意深く)、with patience = patiently (忍耐強く)、with diligence = diligently (勤勉に)などがありますのでまとめておくと良いでしょう。
of + 抽象名詞
前置詞のofの性格は一言でいうと「属性」。「~の性質を帯びた・~の状態だ」というニュアンスを出すことができるんです。
例えばof valueでvaluableと形容詞にすることができますが、これで「価値のある性質を帯びた」⇒「価値のある」と解釈するんですね。
例
Your idea is of value.
= Your idea is valuable.
「君のアイデアは価値がある(状態だ)」
この「of +抽象名詞」の他の種類としてはof help (=helpfulu役に立つ)、of sense (=sensible 分別のある)、of importance (=important 価値のある)、of worth (=worthy 価値ある)、of no use (=useless 役に立たない)などが要注意表現になります。
※注意点
この「of + 抽象名詞」と同じような使い方に「in +抽象名詞」という表現があるのですが、in + 抽象名詞は「形容詞」に書き換えすることができないことに注意しましょう。この点も入試では頻出です。
例
She is in danger.
「彼女は危険な状態にある」
× She is dangerous.
さきほどの生徒の質問の文ですが、( )に前置詞のwithが入る理由が分かったでしょうか。
【問】
We were astonished at the rapidity ( ) which he learned to speak English.
whichは関係代名詞なので先行詞がありますよね。それがthe rapidityになります。( )の部分とともに後ろに戻すと
He learned to speak English ( ) the rapidity.
rapidityは「素早さ」ですから、この英文は「彼は素早さを持って英語を話すことを学んだ ⇒ 彼は素早く英語を話すことを学んだ」となります。
まとめ
さて、今回はいかがだったでしょうか。前置詞+抽象名詞の用法は入試頻出ですので、和訳問題や整序問題を中心に練習を積んでおくと良いかと思います。ぜひ頑張ってください!
ではまた。
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