● みなさんこんにちは、まこちょです。
前回、関係代名詞を使った文の、基本的な特徴について解説させていただきました。
参考までにこちらです。
お手数ですが今回の記事は上の記事の続編ですので、まずは上の記事をご覧になってからこの記事を見ていただくと理解が格段に違いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
前回の記事のポイントとして、【関係代名詞の後の文は、名詞が1つ抜けた『不完全な文』になる】ということを力説しました。
なぜこの点をうるさく主張したのかというと、この点がのちに説明する「関係副詞」や「接続詞」、そして今回の「前置詞+関係代名詞」との明確な違いとして際立っているからなのです。
そして今日のテーマは「前置詞+関係代名詞」、これもTOEIC PART 5では頻出、しかも質問が非常に多い箇所でもあります。とくに際立った質問は以下のようなもの。
「先生、関係代名詞の後ろの文は『不完全な文』になるとおっしゃいましたが、前置詞+関係代名詞を使った文だって、関係代名詞を使っているから後ろの文は『不完全な文』になるはずなのに、どうしてこの形のときは『完全な文』が後ろに来るのですか?」
というものです。
そこで今回はこの質問に応えるとともに、実際の問題を通じて練習してみようかなと思います。関係代名詞の後ろの文に注目することがどれほど解法に役立つのかに注目してくださいね!
前置詞+関係代名詞とは
まず、そもそも「前置詞+関係代名詞」てなに?と思ってしまった英語学習者もいらっしゃるかと思いますので、この点から説明します。
「前置詞+関係代名詞」という形はいったいどうやって作られるのかをしっかり理解しましょう。次の例を見てください。
例
This is a hospital.
My aunt works at the hospital.
この2つの文を関係代名詞を使って1つにしてみます。やり方は前回の記事を参考にしてくださいね。
2つの文に共通している名詞はhospital。したがって一方を関係代名詞whichを使って合体します。すると
This is a hospital. My aunt works at the hospital.
↓
This is a hospital which my aunt works at ●.
↓
This is a hospital which my aunt works at.
「こちらは、私の叔母が働く病院です」
と関係代名詞によって1つの文にすることができれば正解です。
ところで、この文ですが、最後が「前置詞」のatで終わっていますよね?そりゃそうです。atの後ろの名詞(ここではthe hospital)を関係代名詞whichに変えたのですから当然です。
ところが英語は、できることなら前置詞を一番最後に残して英文を終わりにするのはよくないと言われています。何でしょうね、いかにも文の途中で終わっているような印象が強くなるからだと言われています。
そこで、この前置詞を関係代名詞の前に移動させようということになりました。こんな風に。
This is a hospital at which my aunt works.
これが「前置詞+関係代名詞」という形ができあがった経緯です。
例
He is the actor whom Ann sent a fan letter to.
↓
He is the actor to whom Ann sent a fan letter.
「彼は、アンがファンレターを送った俳優だ」
例
This is the city which I was born in.
↓
This is the city in which I was born.
「これは私が生まれた町だ」
前置詞+関係代名詞 +完全な文
ところでこの「前置詞+関係代名詞」の文というのは、関係代名詞の後ろの文にポツンとついていた前置詞を前に持っていった文ですよね。
これによって後ろの文がどのような形になったかをしっかり理解しておくことが極めて重要なんですね。
例
This is a hospital which my aunt works at ●.
この文はwhich以下が前置詞atの後ろの名詞が1つ抜けている「不完全な文」になっているのは誰でも分かります。ところがこのatを前に持っていくと
This is a hospital at which my aunt works.
となるわけですから、which以下の英文は【形上】my aunt (S)、works(V)、しかもこの時の動詞は絶対に「自動詞」ですから、ここで文が終わりになっても問題ない英文が出来上がっています。
前置詞が後ろに残っている場合は前置詞の後ろの名詞が【必ず必要】であるのに名詞がない形になっていますから「不完全な文」、前置詞が前にいった場合は、形上後ろの文はS + V【自動詞】という形になりますので、ここで文が終わってもいい形、すなわち「完全な文」となるということに注目してください。まとめると
● 関係代名詞 + S + V (自動詞) + 前置詞 + 名詞なし
= 関係代名詞 +【不完全な文】
● 前置詞+関係代名詞 +S + V (自動詞)
= 前置詞+関係代名詞 +【完全な文】
となるわけです。
練習問題で確認してみる
では実際に練習問題で確認してみましょう。次のような問題があっさり解けるようになります。
【問】( )に入るものを答えなさい。
(1) I found a box ( ) there were some pretty dolls.
- which
- in which
(2) I know the girl ( ) you were talking with.
- whom
- with whom
コツは、意味的に判断するのではなく、( )の後ろの文の「形」を見ることが重要です。
(1) I found a box ( ) there were some pretty dolls.
赤い箇所はthereの文で必ずS+Vと第1文型を取ります。ここでは
there were(V) some pretty dolls(S).
としっかり文の要素が揃っていますよね。したがって「完全な文」ということになります。したがって( )のなかに関係代名詞が入るわけがない、という考えが非常に重要です。したがって今回は後ろに「完全な文」が来るin whichが正解となるわけです。
(2) I know the girl ( ) you were talking with.
この文はどうでしょう?前置詞withが最後の文ですが、もちろん前置詞は後ろに名詞が【必ず】必要なんです。
you(S) were talking(V) with → 名詞がない.
したがってこの文は必要な要素が揃っていないということですよね。「不完全な文」ということになります。したがって( )の中に「前置詞+関係代名詞」など入るわけがありません。答えは①のwhomだけということになります。
あとがき
さて、今回はいかがだったでしょうか。「前置詞+関係代名詞」の後ろの文は必ず「完全な文」になるということが分かっていただければ幸いです。ぜひモノにしていただいて、今後の英語学習にお役立てください。
また会いましょう。
関係詞の学習方法についてよくわからない!という方は以下の記事で効率よく勉強しましょう。体系的に関係詞の知識を積み上げることができます。
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