● いつもありがとうございます、まこちょです。
関係代名詞についての出題は、もはや私が声を大きくしなくてもみなさんにとってお分かりの通り、TOEIC PART5の常連の問題になっています。正直言って出題されなかったことは皆無といってよい単元でしょう。
ところがこれほどの高頻出の単元であるにも関わらず、関係代名詞の穴埋め問題は苦手な人が続出します。
その理由を少し考えてみました。なぜ、関係代名詞の問題は100%出題されるにも関わらず、苦手意識を持っている英語学習者の方が多いのか、その原因をしっかり分析してから、改めてこの単元を学習し直すことは有益であろうと判断しました。
ぜひ参考にしていただいて、今後の英語学習に役立てていただければ幸いです!
関係代名詞の穴埋め問題が苦手な理由
関係代名詞がからんだ文法問題はTOEICの場合、十中八九( )の中に入れる穴埋め問題として出題されます。
この穴埋め問題が思った以上に正答率が悪いんですね。その原因を以下にまとめてみました。
- 関係代名詞と関係副詞の違いを理解していない。
- 関係代名詞と接続詞の違いを理解していない
- 関係代名詞の問題を( )の中だけで判断しようとしている
- 関係代名詞の「格」が分からない
とざっと挙げるとこれだけの原因が考えられるのかなと思います。
関係代名詞の問題が思った以上に【やっかいな】理由は、関係代名詞の前の名詞(先行詞といいます)が「人」であったり「人以外」であったりだけで判断できないという点にあります。むしろその点を上手く使って、関係代名詞が苦手な人を「ワナ」にかけるんですね。
関係代名詞の問題は「先行詞」の種類だけでは判断できません。ポイントは( )の後ろの文がどうなっているかにあります。
つまり( )の「前」だけしか見ていない人はおおむね関係詞の問題は苦手なはずです。
そこで今回は関係代名詞を使った文は後ろの文の形がどうなっているのかをしっかりと学習してみましょう。意外とポイントを押さえると簡単なんですよ。
関係代名詞の「働き」について
まず関係代名詞なのですが、一言でいうとこういった働きがあるんです。
これは分かっている方はほとんどだと思われます。ですが2つの文があったら【なんでも】関係代名詞でつなげられるかというとそうじゃないんですよ。この2つの文には「ある特徴」があるんです。それは
これを満たしていないと、いくらなんでも関係代名詞でつなげることはできません。2つの文に共通した「名詞」がある、だから【関係】代名詞というんですね。
例
I have a friend.
He lives in Kyoto.
この2つの文は共通した「名詞」が入っています。それはa friendとHeですね。このように2つの文に共通した「名詞」がないと関係代名詞でつなげることはできません。
また、「共通した」2つの名詞が使われているということは、その一方は「代名詞」が使われていることが普通です。名詞 ⇒ 代名詞の使い方は英語界のお約束ですからね。
この代名詞を関係代名詞に変えて2つの文をつなぎ合わせます。この時、代名詞が英文の中のどの場所にあるのかを意識するのが次の段階の超重要ポイントです。
I have a friend. He lives in Kyoto.
今回のこの2文はHeを関係代名詞に変えることになります。そのときHeはこの文の主語であることは誰でも分かります。
関係代名詞には「格」があり、主語には「主格」の関係代名詞。目的語には「目的格」の関係代名詞を使うことになっています。
つまり、英文の【どの箇所】の名詞を変えたのか?をしっかりと理解しないと正確な関係代名詞を使うことができません。ちょっとまとめてみましょう。
● 主格の関係代名詞
→ 英文の「主語」を変えたもの。who / which
● 目的格の関係代名詞
→ 英文の「目的語」を変えたもの。whom / which
● 所有格の関係代名詞
→ 英文の「所有格」を変えたもの。whose
という風に、英文の各パーツのどこの「名詞」かを変えたかによって関係代名詞を使い分けしなければならないんです。
つまり今回の例文は主格の関係代名詞、つまりwhoかwhichかのどちらかを使わなければならないと分かります。
I have a friend ( who / which ) lives in Kyoto.
ここまでいったらあとは先行詞を見ましょう。先行詞の種類によって(具体的にいうと「人」かそうではないか)whoかwhichのどちらかを選択するんです。
先行詞が「人」の場合はwho、それ以外の場合はwhichを使うことになります。
I have a friend who lives in Kyoto.
「私は京都に住む友人がいる」
これで、関係代名詞を使って2文を1文にすることができました。
もう1つ例文を見てみましょう。
例②
I’m reading a book.
I borrowed it from the library.
今度はa bookとitが2つの文に共通する「名詞」ですよね。したがって「代名詞」のitを関係代名詞に変えるわけですが、そのとき代名詞のitが英文中でどんな役割を持っているか確認しましょう。
I’m reading a book. I borrowed it from the library.
今度はitが動詞borrowの「目的語」であることがわかるでしょうか。したがって、目的語のitは「目的格」の関係代名詞を使わなければいけないと分かります。
目的格の関係代名詞はwhomかwhichですので、itを変えて前に出します。
I’m reading a book (whom / which ) I borrowed from the library.
あとは先行詞を確認しましょう。a bookは「人以外」の名詞ですのでwhichを使うと良いことが分かります。
I’m reading a book which I borrowed from the library.
「私は、図書館から借りた本を読んでいる」
関係代名詞を使った文の特徴
ここまでで、関係代名詞を使った基本的な文の作り方をご紹介したわけなのですが、実はこの記事で伝えたいのは、こういった基本事項のことではありません。
TOEIC PART5で問われる関係代名詞の問題がどういう風に問われるかというと、( )の中に入るのが関係代名詞なのか、それとも関係副詞なのか、はたまた接続詞?といった、それぞれの使い方を問われることが圧倒的です。
つまりそれぞれの品詞はどういった形で使われるのかをしっかりと理解していないと解答できないということになりますね。
その中でも関係代名詞を使った文というのは他にはない特徴を持っています。今回の例文を二つ並べてみましょう。
I have a friend who lives in Kyoto.
I’m reading a book which I borrowed from the library.
関係代名詞というのは、共通した名詞の一方を変えたものです。したがって必然的に関係代名詞の後ろの文には本来あるはずの名詞の空きが「1つ」存在していることになりますね。
●でその箇所を記してみますね。
I have a friend who ● lives in Kyoto.
I’m reading a book which I borrowed ● from the library.
これが関係代名詞を使った文の最大の特徴といっても過言ではありません。【関係代名詞の後ろの文は名詞が一か所空いている】これが非常に重要なポイントであることを理解しましょう。
このように本来名詞がなければならない箇所に名詞がない文をちゃんと揃っていないという意味で「不完全な文」と呼びます。
したがってまとめると関係代名詞の後ろの文は必ず「不完全な文」が来るということになります。
このポイントは後編で説明する「関係副詞」や「前置詞+関係代名詞」、「接続詞」などとは異なった「明確な」違いとなりますので、ぜひここまでをしっかりと理解しておいてください。
あとがき
さて、今回はいかがでしたでしょうか。関係詞は非常にポイントが多く、説明が長くなりますので、続きは後半で行いたいと思います。
また会いましょう!
関係詞の学習方法についてよくわからない!という方は以下の記事で効率よく勉強しましょう。体系的に関係詞の知識を積み上げることができます。
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