● こんにちは、まこちょです。
英語には意味は同じでも使い分けをしなければいけない「やっかいな」言葉というものが存在します。今回ご紹介するveryとmuch、そしてsoなどもそうですね。
これらの単語はどれも「とても」と表現できる「副詞」なのですが、なかなかどうして、使い分けるにはそれなりの知識が要求されます。先日も
「先生、Thank you very muchとThank you so muchは何が違うのでしょうか?」
と今季、大学入試に挑戦する生徒から質問を受けたばかりです。この表現自体は中学の時に学習済みであるはずなのですが、実際問題この「副詞」をしっかりと使い分けている生徒はなかなかいないのではないでしょうか。
そこで今回はこの「副詞」のvery、much、soの使い方を徹底攻略!
ぜひマスターしていただいて、今後の英語学習にお役立てください。
veryとmuchの違い
veryとmuchは一見同じノリで使えそうな気がしますよね。ですが、思った以上に使い方に違いがあるんです。
muchは動詞を修飾する
「副詞」のmuchは動詞を修飾します。例えば次のような例文はよくある形ですよね。
例①
I don’t like coffee much.
「私はコーヒーはあまり好きではない」
このmuchは副詞でdon’t like(動詞)にかかっています。muchは動詞を修飾するとき、否定文・疑問文のときには、muchを置きますが、肯定文のときにはvery muchを置くことにも注意しましょう。
例
I like coffee very much.
「私はコーヒーが大好きです」
ところがveryをmuchの箇所に置いて、
例②
I don’t like coffee very.
とすることはできません。それはveryはmuchと同じ「副詞」なのですが、【動詞を修飾しない】という特徴があるからなんです。まとめると
② very ⇒ 「動詞」を修飾しない
veryとmuchは「形容詞」と「副詞」を修飾できる
そもそもveryもmuchも「副詞」ですので、副詞は「名詞」以外のすべてを修飾することができるということは忘れてはいけません。
veryは「動詞」を修飾することはできませんが、それ以外の「形容詞・副詞」を修飾することができます。
ですがこの場合でもveryとmuchは使い方が異なりますので注意!です。veryで「形容詞・副詞」を修飾する場合、「形容詞・副詞」は【必ず原級】でなければなりません。例えば
例
She is very tall.
「彼女はとても背が高い」
tallは形容詞の【原級】です。したがってveryで修飾することが可能。
ところがこれがtallerのような比較級になるとveryでは修飾することができません。muchを使って表現することになります。
例
He is much taller than I.
「彼は私よりもずっと背が高い」
例
He is much the tallest in our class.
「彼はクラスの中でダントツで背が高い」
② very ⇒ 形容詞・副詞の「原級」を修飾する
現在分詞と過去分詞を修飾する場合
最後はちょっと厄介なのですが、修飾する箇所が現在分詞や過去分詞の場合も使い分けています。
とくに「感情動詞」や「形容詞化した分詞」は注意が必要で、interesting, exciting, amusing, tired, pleasedなどはその典型になります。辞書にも立派に形容詞として出ていたりしてこれがなかなか困らせてくれるんです。
感情動詞とはいったい何?と思った人はこちらにどうぞ
www.makocho0828.net
very は~ing形(現在分詞) を修飾する
例
This book is very interesting.
「この本はとても面白い」
このようにinterestingはもともと「現在分詞」ですが辞書では「形容詞」として取り扱われることも増えてきました。veryで修飾することができますがmuchは不可になります。
通常の受け身(過去分詞)はmuchで修飾する!だが…
一般動詞を「過去分詞」として使った「受け身(受動態)」の場合はmuchを使って修飾します。
例
The village was much damaged by the earthquake.
「その村は地震で大きな被害を受けた」
ところがここで注意点が。感情動詞を使った表現なのですが、感情を受けるものが主語になった場合、「受け身」の形で表現します。
I was surprised at the news.
「私はそのニュースにびっくりした」
このsurprisedを修飾する場合はveryを使って表現することに注意しましょう。ここが良く間違えるところなのです。
I was very surprised at the news.
ところがこれもまたびっくりなのですが、感情動詞を使った「受動態」表現でも、後ろに「by」を伴うとmuchをつかったりするのだ。なんかややこしいですね。
例
I was much surprised by her
要するにby…などを伴って【受身】を強く意識させるものにはmuchがつくと覚えておくと良いでしょう。
soとveryの違い
同じ「とても」を表す副詞にはvery、muchのほかにsoもあります。soとveryの違いとは何でしょうか。これも実は入試などで問われてしまう箇所だったりします。
so はインフォーマル
soは基本的に相手が【すでに】知っていることについて話す場合に使われます。またveryよりもインフォーマルで「親しみ」を感じやすいのもポイント。したがって友達や同僚などよく知っている人に(気心しれた関係)使うのが主になります。
veryはsoと逆で、内容がよく知らないことについて、しかもかなりフォーマルな固い表現になります。
例
It was very hot in Japan.
「日本はとても暑いです」
⇒ 日本についてよく知らない人に対して使う
It was so hot today.
「今日はとても暑い」
⇒ みんな暑いと思っているなかで(よく知っている状況で)使う場合
I’m so tired.
⇒ 職場の同僚など、自分が疲れていることを分かっている相手に言うイメージ。
I’m very tired.
⇒ 自分が疲れていることを知らない人に言うイメージ。
まとめ
さて、今回はいかがだったでしょうか。このveryとmuch、soの違いですが、なかなか完全に理解するのは難しいと思います。
ぜひ今後の英語学習にお役にたてば幸いです。
ではまた。
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