● みなさんこんにちは、まこちょです。
英文を読んでいると、動詞(V)は簡単に見つかるんだけど、主語(S)はいったいどこだろう?と悩んでしまうことってありますよね。
通常、英文というのはみなさんもご存知の通り、主語(S) → 動詞(V)の語順で書かれているのが普通です。そしてこの語順で書かれているのなら、みなさんは特に疑問を持たずに英文を読むことが出来ると思います。
それは、私たちってこれまで「英語は主語からスタートして動詞に流れていくんだよ」と英語学習の過程で習っているからですよね。
ところが英文にはたまに、この主語 → 動詞の流れが無視された英文というのがあるんです。通常のSVではなくVSとかになってしまったら、そりゃ私だって「おや?」と思いますよ。
このような、通常の語順ではないイレギュラーな文の形を「倒置」といいます。嫌いな人はとことん嫌いなこの文法事項、今回はその見分け方を徹底解説!
「倒置」は何よりも「あ、この文は倒置してるな!」と英文を読んでいる本人が何よりも気づくことができれば、「通常の形」ではないと本人が分かっているのですから、対処も容易になるんです。
ですからまずは気づくためにどういったところに注目すればいいのか、ちょっとしたコツを今回は教えましょう。
倒置は一体どういう時に起こるのか
まず、何はともあれ、「倒置」ってなぜ起こるのかを簡単に説明しますね。次の例文を見てください。
例
Ken comes here.
「ケンはここに来る」
この文はどこにでもある文の形でSVMの形をしています。ところがこの文はごくまれに
Here comes Ken.
とMVSの形になって表現されることがあるんです。初めての方はこの短い文でも面食らうと思いますね。なんせ主語が動詞の後ろにあるんですから。なぜこんな形になってしまうのかはもちろん理由があったりします。
倒置の種類にもいろいろありますが、【なぜ倒置が起こるのか】という意味をしっかり理解していると英語ってこういう言語なんだ、って面白く理解することができますよ。
英語はピリオド近くに誰も知らない情報を置く
これ、知らない英語学習者は結構多いのではないでしょうか。実は英語は、大文字から始まってピリオドで終了するわけなんですけども、この左から右へ配列する順番によってその単語の重要度が変わるんです。
英文は左から右へ読んでいきますが、実はそのとき「読者が【よく知っているもの】から【初めて知ったもの】」へうまく情報が流れるように配置するという特徴があるんです。例えば先ほどの例でいうと
Ken comes here.
この場合Kenはこの文章を読む読者なら【誰でも知っている人物】だからこの左側のこの位置に置いているわけですが、これがピリオド近くのhereになったらどうです?
Kenが来るのは【ここ】なのか【あそこ】なのか、それとも【駅】なのか【公園】なのか、だれも「知らない」情報ですから、ピリオド近くにおいて新鮮な情報をアピールしているんです。
では次のように「倒置」している文は何が読み取れますか?
Here comes Ken.
今度はHereが前ですね。ということは「ここに来る」のはこの文章を読む人ならば、やはり【誰もが】分かっている情報ということになります。ここに来るのは分かっている、ではいったい【誰が】?ということになりますよね。
そこで文末にKenです。読者はここに誰かが来るのはもう情報としてつかんでいるのだけど、誰が来るのかはわからない。Tomなのか?Kenなのか?Bobなのかしら?ってなものです。
そこでKenです。この【Ken】がここに来るという事実はこの文を読んでいる読者が「誰も知らない」ホットな情報なので、あえて文末に置いたのです。
これが倒置される理由の1つです。倒置は「大事なこと(誰も知らないこと)・強調したいこと(言いたいこと)」をみんなに知ってもらいたいから、ピリオド近くに置いてアピールするために使われるのだということは頭の中に入れておいてください。
何となく「倒置」ってかっこいいだろ?とか言う理由で倒置はされないことに注意しましょう(笑)
本日のお題
この倒置の「基本」を踏まえた上で今回の文を読んでみましょう。なんでこんな形をしてるのかしら?と考えながら読むのも「味読」につながって英文そのものに興味が持てるようになりますよ。
[課題]
① Of all gifts of the ancient seas the most valuable is petroleum.
【単語】
- valuable形:価値のある
- sequence名:順序
- describe他:説明する
前から訳してみましょう。短いですが正確に訳すにはなかなか骨が折れますよ。
【解説】
主語Sを見つける
● 左から右に読んでいくのは相変わらず。2つの名詞がそれぞれ前置詞のofに支えられていますのでこれらの名詞は主語(S)になれないのも、これまでの学習で培ってきたポイントです。< >でくくり、
<Of all gifts><of the ancient seas> the most valuable is…
と文章を読み進められていれば〇。ここまでで
「大昔の海の(がもたらした)全ての贈り物の中で」
the most valuableは(S)なのか?
● valuableは形容詞ですから文の主語(S)になることは出来ません。したがって、
<Of all gifts><of the ancient seas>the most valuable(S)is(V)…
という解釈は×。
ということはこの文、is(V)の前に主語(S)になれる候補がないことになりますよね。そしてそう考えられた人、お見事です!
主節の文は必ず「完全文」
● もちろんis(V)の(S)がないなんてありえません。仕方ないのでisの後ろで主語を見つけることになります。
… the most valuable is(V) petroleum(S)
そう、この文章はSとVが逆になっている「倒置」だったのです! 全体を元に戻すと、
Petroleum(S) is(V) the most valuable(C)<of all gifts><of the ancient seas>.
訳 「大昔の海がもたらしたすべての贈り物の中で、最も価値のあるのは石油である」
さてこの「倒置」している文、この文章を作成した作者が一番「言いたいこと」が分かったでしょうか?
そうそれは petroleum。このことはおそらくこの文章を読んでいるみなさんが、おそらく初めての情報じゃないかな?とこの作成者は思ってこの英文を作ったんです。
英文をしっかり作者の意図をつかみながら読むというのは、これからの情報社会、必要なことなんじゃないでしょうか。
あとがき
さて今回はいかがだったでしょうか。今回は「倒置」についての基本的な成り立ちについて説明しました。
実は倒置はそれだけじゃなくていろいろと種類があったりしますが、大事なことは倒置するときには必ず何らかの「意図」があり、決してなんとなくでは「倒置」しないということなんです。
もし次回がありましたら、他にもある「倒置」の種類について解説したいと思います。
また会いましょう!
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