● みなさんこんにちは、まこちょです。
英語を学習する上で、おそらくみなさんに色々な意味で衝撃を与える構文、それはThere ~の文ではないでしょうか。
私がこの構文に最初に出会ったのが中学2年生。thereの構文はおっそろしいほどの存在感を持って私の前に現れましたね。
例
There is a cat on the sofa.
「ソファーの上にネコが一匹いる」
Thereの構文を紹介してくれた当時の私の先生は上の例文を黒板に書きながら私たちに丁寧に教えてくれました。
先生:「いいですか、このthere~の文っていうのはすごく面白い特徴をした文でね、thereが主語じゃないんだ。isなんて動詞の前にあるからどうみてもthereは主語に見えるでしょ?でも違うんです。
この文の主語はisの後ろ。そう、a catなんだよね。普通英文って「主語(S) ⇒ 動詞(V)」の順で書くもんな。
このthereの文っていうのは、主語と動詞が逆になっちゃうんだ、面白いだろ?だからa catは「一匹のネコ」だから動詞はisって書いてるけど、これがtwo catsになったらどう?isはマズイね。
isっていうのは主語が「1つ(単数)」のときに使うんだもんな。そう、そんなときはisをareにしてやるんだぞ」
とかいって先生は黒板につけ足していってくれた。とにかく分かりやすい先生でした。
There is 単数名詞
There are 複数名詞
当時の私はなぜこの構文は主語(S)と動詞(V)が逆になるのか、そもそもそのように表現する理由は?などと全く考えずに、ただ単純に、すげえ!とかこんな英文あるんか!とか思いながら先生の例文をノートに書いたと思います。
この時期の私の英文の知識なんて、I like dogs.やHe is happy.のような、主語(S) ⇒ 動詞(V)の語順を中心とした英文が英語学習の主でしたから、このthereの文の登場は、それはそれはセンセーショナルな(?)衝撃を持って現れたんですよね。
そしてその後、私も高校に進学することになり大学受験へ。私もいっぱしに予備校なんかに通ったりして、そこで初めて、このThere~の文がなぜ主語と動詞が「逆」になっているのかを知ることになります。
くわしい話は『「情報構造」って一体何なのか徹底的に考えてみた!』『there ~、because S+V~、CVS「倒置」など、「情報構造」を意識する文はこれだ!!』などの記事で詳しくまとめさせてもらったので割愛しますが、thereの文の主語と動詞が逆になっているのにはちゃんと理由があったのか!と改めてこの構文の奥深さに感動したのを覚えています。
あれから2〇年ー。ある1人の生徒の質問によって、今回久々にこのthere~の文について理解を深める時がやってきました。質問の内容は以下の通り。
「先生、thereの文のthereは、なぜ『主語』でもないのに準動詞(不定詞・動名詞・分詞)の意味上の主語になれるのですか?」
というもの。確かにこの疑問はもっともですよね。thereの文は準動詞句として使うことができるのですが、there自体は文の主語ではありません。
ではなぜthereを「意味上の主語」として使うことができるのか、この点は受験生の質問もやたらに多い箇所です。
そこで今回は実際に入試問題を確認しながら、この真相について確認してみようかなと思います。ぜひこの点で疑問に思っている人は今後の英語学習の参考にしていただけると幸いです。
thereの文の「there」は準動詞の意味上の主語で使える
まず、以下の問題を解いてみましょう。典型的な入試問題で、頻出の問題です。
練習問題
(1) I never dreamed of ( ) such a wonderful park in my town.
- being
- having been
- there being
- there was
さてどうでしょうか。まず初めにこの問題について、しっかりと理詰めで解答を出せるようになることが重要ですね。
解説
(1) I never dreamed of ( ) such a wonderful park in my town.
- being
- having been
- there being
- there was
前置詞の後ろにおくことができるのは、主語ではない名詞と動名詞句。つまり主語の名詞が置けないということは前置詞+S+V(文)が置けないと言っているに等しいですよね。
動名詞の意味上の主語についての問題解法はこちらの記事へどうぞ
したがって④のthere was はof の後ろに文(S+V)が来てしまうので不可、ということになります。
前置詞は後ろに動名詞句(~ing…)を置くことは出来ますので、そういう意味では①、②の選択肢なんか一見イケるように見えます。
ですが一見合っているような選択肢でも、動名詞句の「意味上の主語」についていつも確認するくらいの余裕が欲しいですね。
I never dreamed of being such a wonderful park in my town.
I never dreamed of having been such a wonderful park in my town.
動名詞に限らず、準動詞(不定詞・分詞)は一見主語がなさそうに見えてもしっかり主語があります。
詳しくは「準動詞の意味上の主語とは?」の記事に譲りますが、例えば上の2つの場合もbeing / having been の前に一見して「主語」が書いていないように見えますが、それはあるルールによって表記していないだけなのです。そのルールとは
⇒ 全体の主語と同じ
という厳格なルールがあるからなんですね。したがって、選択肢①と②を選ぶと意味上の主語が~ingの前にないことになりますので、それは「全体の主語と同じだから」と勝手に認識されることになります。
ここでの主語は「I」ですからbeing / having been の主語も「I」ということになります。
これらの文は前置詞ofの後ろに置いているから「動名詞句」として~ing形にしていますが、では前置詞の後ろから外して普通の「文」として表現した場合、いったいどのような文だったのか書いて見ましょう。
そうすると両方be動詞がからんでいますから、全体で第2文型の文が出来上がることが分かつはずです。
I was such a wonderful park in my town.
↓
I(S) was(V) such a wonderful park(C) in my town.
I had been such a wonderful park in my town.
↓
I(S) had been(V) such a wonderful park(C) in my town.
ところでみなさん、SVCの第2文型の最大の特徴を覚えていますか?
具体的にSVCとSVOの違いを学習したい場合は「SVOとSVCの見分け方とは?」を参照してもらいたいのですが、このルールをしっかり理解していると、上記の2つの文はとんでもないことを言っていることが分かりますよね。
I = a park
↓
「私」=「公園」
ですからね(笑)そりゃマズイわ。
したがってこの選択肢の①②も正解ではないと分かるわけです。
thereの文のthereの正体は?
①と②、④の選択肢が封じられた(?)今、残された選択肢は③ということになりますが、beingの前にthereを置く形になりますよね。
I never dreamed of there being such a wonderful park in my town.
この動名詞句の箇所を通常の文に直すと
There was such a wonderful park in my town.
で、こりゃあどう見てもThereの文ですよね。「私の町にはこんな素晴らしい公園がありました」の文です。
ここで最初にお断りしておきますが、準動詞(不定詞・動名詞・分詞)の意味上の主語のポジションにthereを置くことができる、というのはまず知っておきましょう。
したがって
I never dreamed of there being such a wonderful park in my town.
「私の町にはこんな素晴らしい公園があるとは夢にも思わなかった」
のbeingの前のthereは文法ルール的に「あり得る」ということを学習しなければなりません。例えばその他の例として「書き換え問題」などでも出題されますよ。
例
I’m proud that there are many historical buildings in my hometown.
=I’m proud of there being many historical buildings in my hometown.
「私の故郷に多くの歴史的建造物があることを誇りに思います」
ところで問題は、thereの文はthere V Sという形になっているので、thereは「主語」の訳ないのに、なぜ準動詞の意味上の主語として使われるか?というところです。本当に不思議ですね、これ。
そもそもthereの正体はいったい何なのか?この点についてはこれまでさまざまな説が唱えられており、実はいまだにこれは!という説が出ておりません。
以下にご紹介するのは、私が検討した結果、この説が一番しっくりくるのかもしれんな、というあくまでも「私」の感想の域を出ません。その点を踏まえて以下の文章を読んでくだされば幸いです。
There~の文のthereは「副詞」ではない??
いやこれね、実は最近、英英辞典を引く機会があったので、このthereについて調べてみたんですが、なんとびっくり、ロングマン英英辞典は、there構文のthereを「代名詞」に分類しているんです。
副詞としては捉えてないんですよね。
代名詞だとぉ…!?
誤解にないように言っておきますが、このthereはあくまでも「there~の文」で使われたthereに限ります。there「そこで」の意味のthereは副詞ですから注意を。
しかし、あの天下のロングマン英英辞典でthereを「代名詞」と紹介しているというのは聞き捨てなりません。ちなみにコウビルド英英辞典も同様の紹介をしているんです。
さらにさらに、英和辞典でも最近ではthere~の文のthereを「副詞」と紹介していないものがあります。
私の確認上では「ジーニアス英和辞典」「ランダムハウス英和辞典」などがそうですね。
なるほど、もしThere~の文のthereを「副詞」と捉えないで「代名詞」と捉えるとすると、これまでの疑問は途端に解決します。問題は
Thereは何の代名詞か?
というところですよね。と言いますか、実はこの疑問はあっさり解決できるんです。もしThereが本当に代名詞の一種であるならば以下の文の文型はこうなりますよね。
There(S) is(V) a cat(S) on the sofa.
主語(S)が2つある!って…接続詞もないのに英文に2つ主語があるなんてあり得ませんよね。
そう、このThereは「代名詞」というよりも「形式主語」として機能していると考えた方が都合がよいと分かるわけです。つまり
There(S) ⇒ 形式主語
is(V)
a cat(S) ⇒ 真主語
There = a cat
このようにthereという代名詞は主語の位置にあり、「形式主語」の働きをしていると考えれば、「主語」ですから「準動詞の意味上の主語」に使われてもいいわけです。
参考までに「ジーニアス英和辞典」ではどのように記載されているか概略で。
【there】
このthereは単にものの存在を表すだけで、場所の概念がなく、形式的な主語の役割を果たしている。したがって、疑問文だけでなく、付加疑問文や不定詞・分詞・動名詞の形式上(意味上の)主語にも用いられる…
そういえば、there ~の文の付加疑問文もthereを使った形になりますよね。これもthereが「形式主語」の役割を果たしているからこそ、こういった使い方ができるのかもしれませんね。
例
There is a vase on the desk, isn’t there?
「机の上に花瓶がありますよね」
決して次のような文にはなりません。
× There is a vase on the desk, isn’t it?
その他のthereの意味上の主語の例
● 分詞構文で
As there was no bus service in the town, they had to use a taxi.
=There being no bus service in the town, they had to use a taxi.
●不定詞の意味上の主語で
I don’t want there to be any misunderstanding.
「誤解はあって欲しくない」
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あとがき
Thereの文のthereは「形式主語」と同じ使い方をするという考え方は確かに「え?」と思わず思ってしまうのですが、確かにそう考えると今回の疑問点はあっさり片がつきます。
まぁ、私たちは英文法学者になるわけではありませんから、このthereも「不思議なことがあるものだなぁ」と軽く流して、例文として暗記定着を図った方がいいのかも入れませんね(笑)
今回の話はネタの1つとして振ってみると面白いかもしれません。
また会いましょう。
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