● みなさんこんにちは、まこちょです。
英文を読んでいると文中のthatに下線部が引かれて、「このthatと同じthatを次から選びなさい」なんていう問題がたまに出たりします。
受験生にとってはあんまりうれしくない問題なのではないでしょうか。正直that節の識別は受験生の鬼門と言っていいでしょう。
先日もある受験生からこのthat節について質問があったばかりなんです。
「先生、that節ってさ、「~という」と【訳せたら】とりあえず「同格」っていうことにしてokかね?」
う~ん、ダメに決まってるじゃないですか。意味からではなくちゃんと「構造」から判断できないとこのthat節を克服することは出来ないんですね。
そういうわけで今回は和訳問題でも頻繁に出題される「同格」のthatと「関係代名詞」のthatの違いと見分け方を和訳問題で徹底解説!
ぜひモノにしてもらって明日からの英語学習に弾みをつけていただきたいものです。
that節の問題
【問6】下の単語を参考にしながら和訳しなさい。
Differences in American schools compared with those found in the majority of other countries lie in the fact that education here has long been intended for everyone.
【単語】
● difference 名: 違い
● majority 名: 大多数
● intend 他: 意図する
今回は長いですがこれで1文です。ポイントはやはり後半のthat節。ぜひマスターしてください。
【解説】
主語Sを見つける
● Differences in American schools ⇒ これまでの学習から、Differences が(S)と感じられ、in 〜 schools を< >の中にくくり、
Differences(S) <in American schools>…
と捉えられていれば○。
訳「アメリカの学校の違い【は】」
当然Differencesの動詞(V)を目で追っていれば完全英語モード(笑)。英文解釈に慣れてきている証拠です。
もしこのDifferenceが(S)と感じられなかった人!こんな記事ありますよ
www.makocho0828.net
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comparedは分詞
● Differences< > compared… ⇒ 当然、このcomparedを(V)と感じるのは「致し方ありません」。
ですが、compareは「他動詞」。もしcompareが動詞なら、後ろに名詞が必要ですがありません。
例① I compared him with his brother.
「彼を彼の兄[弟]と比較する」
つまり「この動詞は(V)ではない → 同じ形の【過去分詞】だ」と感じられた人、お見事です! 前の名詞にかけ、
Differences(S) in American schools ⇐(compared with those…)
「それらと比較されるアメリカの学校との違い【は】」
findも実は…
● では、foundこそが(V)か?と考えた人、そうでしょうか。findも「他動詞」後ろに名詞が「絶対必要」なのにありません。
したがって先ほどのcompareのときと一緒、「(V)ではない → 分詞だ」という思考を経て、
Differences(S) in American schools ⇐(compared with those)⇐(found in the majority of other countries)lie in…
と解釈し、うしろのlieにやっとたどり着くことができます。いやぁなんという修飾語句の長さでしょうか(笑)つまりこの文の骨格は、
Differences(S)… lie (V) in the fact…
「違いは…事実にある」
分詞の処理がよく分からないという人、こちらの記事はどうでしょうか?
www.makocho0828.net
「比べる」ということを考えてみる
● この文の主語(S)はdifferences「違い」ですがこの単語についてちょっと考えます。「違い」とはもちろんある1つものだけをじっと眺めていてもその「違い」には気づきませんよね。
そう、「違う」「同じ」という判断をするには対象物がなくては【比べようがないのです】。
ですからこのdifferenceを用いた場合、その後ろには比べる対象物が「必ず」存在していることになります。
用例: the difference between smart phones and feature phones
「スマートフォンとガラケーの違い」
例 There is some difference between this year and last.
「今年と去年で多少の差がある」
今回はどうでしょう?先ほどの観点でもう一度眺めなおしてみると、おあつらえ向きにcompared withがありますね。
この表現は、先ほどの例文でもお分かりの通り、compare A with Bで「AとBを比べる」と表現するのです。今回は、
compare A with B
↓
A <be> compared with B
↓
A ⇐(compared with B)
となっているわけですから、ここでは、American schools と those found in the majority of other countriesがそれぞれ比べる対象であることがわかります。
compared withについてもっと深く知りたい方はこちらの記事をどうぞ
www.makocho0828.net
thoseを特定する
● ということは代名詞thoseが指しているものは必然的にわかります。
「アメリカの学校」と比べているのですから「学校」を指すのは自明です。え?なんで言い切れるのかですって?それは「比べる」ものの対象AとBは【限りなく似ているもの】だとわかっているからです。
比較についてもっと詳しく勉強したい人はこちらに記事にどうぞ!
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those 以下を訳しますと「他の大多数の国々の学校」ですね。つまりここは「アメリカの学校 VS その他の学校」という図式だったのです。
さて、長くなりましたがこの点はこの解釈上非常に重要なポイントになりますので、ちょっと細かく説明を入れてみました。以上のことを踏まえてこのS+Vの部分を訳すとこうなります。
訳 「アメリカの学校と他の大多数の国々の学校と比較して、違っているところは…という事実にある」
thatは「同格」か「関係代名詞」かその見極め方
● …the fact that education here has long been intended for everyone.
⇒ that の後ろはeducation(S) has been intended(V)…とS+Vの形になっていますね。thatには「接続詞」と「関係代名詞」のthatがありますので解釈には注意が必要です。
that節の見極めは解釈上のキーポイントだ!
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今回のeducation here has long been intended for everyoneは「完全な文」。したがってこのthatは「接続詞」。前の名詞との「同格」表現です。「〜という」と訳語を与えていくとバッチリですね。
「完全な文」「不完全な文」についてはこちらに記事をどうぞ
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…【the fact】=【that education here has long been intended for everyone】
訳 「アメリカの教育は長年にわたり、すべての人に与えることをねらいとしてきた【という】事実」
さてこれで解釈は終わりました。実際にはこれを前からスラスラっと読み切らなければなりませんのでキツイですよね。
全訳「アメリカの学校が他の大多数の国々の学校と比較して違うところは、アメリカの学校は長年にわたり、すべての人々に与えることをねらいとしてきたところだ」
まとめ
さて、今回はいかがだったでしょうか。「比較」のこと「that節の識別」など、今回はポイントとなるテーマがたくさんありましたが、日ごろ「やれ速読だ」と追い立てられている皆さんにとっては、かえってじっくり読み込んでみるこういう時間がかえって重要なのかもしれませんね。
ではまた。
関係詞の学習方法についてよくわからない!という方は以下の記事で効率よく勉強しましょう。体系的に関係詞の知識を積み上げることができます。
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