この記事は
「someの訳し方が今一つよく分からないんです。『いくつかの』と訳す方法は学校で教わったのですが、そのままこの訳を使うとしっくりこない場合があって…なんか上手いsomeの訳し方ってないでしょうか?」
と疑問に思っている英語学習者向けに記事を書いています。
●こんにちは、まこちょです。
英文を読んでいるとよく見るおなじみの単語と言えばsomeがありますよね。例えば以下のように使われまして、みなさんも特に意識しないで使っているのではないでしょうか。
例
I have some friends in Canada.
「私はカナダに何人かの友達がいます」
ところがこのsomeの訳出、意外に悩んでいる人って多いんです。「いくつかの」という訳を当てて、ピタっとハマる場合もあればそうじゃない場合もあるのが原因じゃないかと思いますね。
例えば以下の英文なんてsomeを「いくつかの」と訳すと「う~ん…」と思わず首をひねってしまうかもしれませんね。
例
Some people like rain.
「いくつかの人は雨が好きです」
う~ん…(笑)
なぜ、someというのは英文によってこうもしっくり訳せるときと訳せないときがあるのでしょう?そこで今回はsomeの中に潜んでいるコアのイメージと、上手いsomeの訳し方について徹底解説します。
以下の記事を読むことによって
- someが英文によってピタッとハマる訳にならない理由
- someの効果的な訳し方
が分かります。ぜひ今後英語学習にお役にたてていただければと思います。
Someのコアイメージは「不定」
someという単語はやたらと「いくつかの」という訳がクローズアップされますが、別に間違いではありません。実際に「いくつかの」と訳出をして上手く訳せる例はたくさんありますからね。
例
I have some pens.
「私は何本か(いくつかの)のペンを持っています」
ですが、someを「いくつかの」と訳すのはsomeの訳し方のほんの一部分にすぎません。
someのコアイメージは「よくわからない」です。つまりこれだ!と決まった数が言えない「不定」なイメージがsomeの真骨頂なんです。
someのコアイメージ
someの基本的はイメージは「不定」で、ふわふわしているニュアンス。「少しの」と訳す a fewやa littleよりは多く、manyやmuchよりは少ないという、いかにも「よく分からんな」という立ち位置がsomeの核となる性格なんです。
したがって「具体的な数・量が分からない」という点をsomeに持っていれば、以下でご紹介するsomeの訳し方もすんなり理解できるのではないかと考えています。
以下の記事では、これだけある!someの特徴的な訳し方を解説しますね。
someシチュエーション別の訳し方の違い
someは文頭で使われたり、イディオムの一部で使われたりとその使い方はさまざま。ですが先ほどのsomeのイメージを忘れずに対処すれば怖いものなどありませんよ!
文頭のsome=「一般論」を表す
まず、意外に多いsomeの使い方は「文頭」で使う場合ですね。以下のような例文は作ったことがあるのでは?
例
Some people die young.
もしsomeの訳し方を何でも「いくつかの」で統一してしまうと、この英文の訳は「いくつかの人々は若いうちに死ぬ」となりますが、
う~ん…(笑)
まるで「若いうちに死んでしまう」人が本当に少数な感じになってしまいますね。
文頭に置かれたSomeは「一般論」を表すことが多く「そういう場合もある」という訳出をまず第一に考えていきましょう。しっくりした訳が出来上がります。
Some people die young.
「若死にする人もいる」
先ほどの英文も
Some people like rain.
×「いくつかの人は雨が好きです」
↓
〇「雨が好きな人もいる」
つまり文頭で使われたsomeは「多い・少ない」という概念はなくなってしまうんです。あくまでも「一般論」としてこんな場合もあるんだよ、という意味合いになるんですね。
some~, and some(others)…のイディオム
そうするとよくイディオムで紹介されるSome~, (and) others…が「~するのもあれば、…するのもある」と訳すのも分かるかと。
例
Some people stay home and others go out.
「外出する人もいれば家にいる人もいる」
Some are busy, others are not.
「忙しい人もいれば、そうではない人もいる」
条件節内で使われたsome=「いくらか」「多少」
条件節内で使われたsomeは「いくらかの」と訳すと良い場合があります。また日本語ではよく省略されますので注意しましょう。
例
If I have some time, I’ll read it.
「いくらかの時間があれば、それを読むよ」
someの口語表現=「たいした」「なかなかの」「すてきな」
なんとsomeには「たいした」とか「すばらしい」といった意味があるんです。難しいのですが「いくつかの」という訳を当ててみてしっくりこない場合は上記の訳を考えてみてもよいでしょう。
たとえば以下の例文を見てみてください。
訳①
It was some party.
もし、このsomeが「いくつかの」という意味で使われているのだったら、partyは「可算名詞」ですので複数形で表現しなければなりません。以下のようにです。
They were some parties.
「それらはいくつかのパーティーであった」
ところが例①の場合、可算名詞の単語のsomeがついているのもかかわらず、複数名詞の形になっていません。
こういう時は「いくつかの」の意味で使われているsomeではなく、特殊な用法でsomeが使われていると考えていきます。
It was some party.
「それはかなりの(素晴らしい)パーティーだった」
いや~こんなsomeの使い方、和訳問題で出題されたら嫌ですね(笑)
副詞のsome=about「約」「いくぶん」
someの品詞は名詞を修飾する「形容詞」だけではありません、「副詞」の使い方もあったりします。
その時のsomeの意味合いは「約」「いくぶん」でabout的なニュアンス。まさに「不定」のsomeのイメージそのままですね。
例
They have some fifty books.
「彼らは約50冊の書物を持っている」
例
He slept some last night.
「彼は昨夜はいくらか眠った」
あとがき
今回はsomeの訳出で注意すべきものをご紹介しました。
特にsomeを見たらすぐに「いくつかの」という訳を入れてしまう英語学習者はぜひ今回のようなsomeの根本的な性格と意外な意味について、会得しておいてほしいと思います。
また会いましょう。
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