● みなさんこんにちは、まこちょです。
みなさんは英単語のsinceと聞くと、まず何を想像しますか?現在完了形と一緒に使って「~から・~以来」と表現するsince、またはbecauseなどと同じ使い方をつかう理由「~なので」と表現するsinceなどが有名ですよね。
実はこのsince、上記の使い方のほかにもまだまだ種類があることはご存知でしょうか。しかも上記の使い方なども、それぞれ細かい使い方のルールがあり、意外と質問が多い箇所だったりします。
そこで今回はsince祭り(?)ここで1つsinceについて徹底的にまとめてみようと思ったわけです。なかなか完全に使い分けるには骨の折れるこのsince、ぜひここで一発モノにしていただければ幸いです!
これがsinceの使い方だ
sinceは品詞が豊富なので、それにより英語学習者にとってメンドクサイ語句であることも事実。正確なsinceの使い方を会得するには、「品詞」ごとの使い方をマスターする必要があります。
前置詞のsince
まずはここからいってみましょう。sinceには「前置詞」があり、したがって形上は後ろに名詞が続く形になります。つまり
since + 名詞
こうなります。前置詞のsinceの意味は「~から・~以来」という意味になりますよ。
例
I have known him since childhood.
「子どものときから彼を知っている」
まずはこの前置詞のsinceでよく生徒から上がる質問をご紹介しましょう。それはこれ。
「先生、sinceとfromって何が違うんですか?」
これは本当に笑えませんよね。だって両方とも「~から」って訳すから。こういうのは英語上級者にとってはなんだ、と思うかもしれないのですが、かつて私もそうだったように、英語に苦手意識を持っている生徒はこの辺から疑問に思うものなのですよ。
fromとsinceの違いは、fromは「スタート地点」、平たくいうと「点」を表します。それに対してsinceは「~から【今まで】」といった「継続」のニュアンス。したがって「線」のイメージです。
fromは「スタート地点」【しか】表しません。そこに継続性は全くないんです。ですからfromを使う場合はあくまで「点」を表現する時制(現在形・過去形・未来形)と使うんです。
例
She studied at the library from the morning
「彼女は朝から図書館で勉強してたんだよ」
fromは「今まで」、つまりtill nowのニュアンスが含まれません。したがってfromで「スタート地点」を表すことはできますが「終着地点」は表現できません。
ですから「終着地点」を表す場合はto / till (until)などを使って表現することになるんですね。
よくfrom A to B / from A till (until) B 「AからBまで」と表現するのは、from単体では「終わり」を表現できないからなんです。
例
How long does it take from Tokyo to Osaka by Shinkansen?
「新幹線で、東京から大阪までどのくらいかかるの?」
そうするとfromはあくまでも「点」ですから、現在完了形のように過去のある時から現在までの「幅(期間)」を表す表現とはものすごく相性が悪いことも分かるでしょうか。
「点」を表すfromと「幅(期間)」を表す現在完了形が、同じ英文内にあるのもよく考えれば矛盾してますからね。
ところがsinceというのは、この単語のなかにto / till (until) Bの部分が入っちゃっているんです。ですから since A to / till (until) Bとは【絶対に】言いません。
sinceの中に「スタート地点」と「ゴール地点」、そして「線(継続)」のイメージ。これがあるからsinceは現在完了形・または過去完了形と一緒に使うんです。
例
The shop has been open since 2001.
「そのお店は2001年から【今まで】営業しています」
また、以上の説明によって、fromは「場所」を表す名詞も置くことができるのに対して、sinceの後ろは「場所」を表す名詞が置けないかも理解できるかと思います。
from Tokyoの場合「スタート地点」としてのTokyoをイメージできるかと思いますが、since Tokyoはsinceが「スタート地点」と「ゴール地点」の両方のニュアンスを持っているために場所を表す名詞では表現できないからなのです。ちょっとまとめてみましょう。
sinceとfromの違い
● from
- 「スタート地点」を表す
- 「ゴール地点」は表せない
- 一点表現の「現在(過去・未来)形」と使う
- 場所も起点の名詞として使える
● since
- 「スタート地点」と「ゴール地点(今)」が同居している
- 継続を表す「現在完了形・過去完了形」と使う
- 場所を表す名詞は不可
接続詞のsince
sinceには接続詞としての使い方があります。したがって後ろには文「S+V」が来るわけですね。つまり形はこうなります。
since S+V…
接続詞の【後ろ】について徹底的に学習したい方はこちらの記事へどうぞ
接続詞のsinceは意味が2つあるのがやっかい。ですが1つはさっきの前置詞の時と同じ「~から・~以来」という意味で使います。現在完了形とともに使う点も全く一緒ですね。
例
I have lived in Japan since I was born.
「生まれてからずっと日本で暮らしています」
よく中学生に質問を受けるのですが、sinceの後ろの文はなぜ「過去形」になるのですか?というのがあるのですが、これも先ほどのsinceの性格、「スタート地点」と「終着地点(今)」の両方をあわせ持つというポイントを理解していれば即答できますよね。
この例文でいうとI have lived in Japanの部分が「終着地点(現在)」ですので、スタート地点はこれより【前】、すなわち必ず過去形になる、というオチです。
ここで1つ入試問題でよく出る間違いさがしをご紹介しましょう。それは、この「~から・~以来」を表すsinceは前置詞だろうと接続詞だろうと絶対に「文頭」では使われないという点です。ですからこんな英作文は書いてはいけません。
× Since I was born, I have lived in Japan.
なぜ、この点を力説するのかと言うと、次のsinceは文頭で使うことが多いからなのです。
理由のsince
接続詞のsinceにはもう一つの意味に理由「~だから・~なので」があるんです。この意味のときのsinceは、後ろに「過去形」以外の時制を使うことが可能なのは覚えておくと良いでしょう。
またこのsinceは「継続」ではありませんので、主節の時制も現在完了形を使う必要がありません。
例
Since you do not trust him, you should not lend even a penny to him.
「あなたは彼を信じていないんだから、一銭も貸すべきじゃないね」
そして、この理由の接続詞のsinceの最大特徴はこの理由のsinceは「文頭」でよく使われるということ。この点はbecauseの接続詞との使い分けでよく問われます。
なぜsinceの場合は「文頭」多いのかというと、英語は【みんながよく知っている情報】から【知らない情報】へ英文が流れる性質があるからなのです。
sinceの後ろの文は「みなさんがよく知っている既知の情報」を置くことがルール(これを旧情報とか言ったりします)。したがって
Since S+V(旧情報), ⇒ S+V(新情報)
という具合に英文の情報が流れるのです。これは、becauseの後ろの文には【誰も知らない情報(新情報)を置く】という性格と相反するルールなので、英作文のときに注意しましょう。
S+V(旧情報 )⇒ because S+V(新情報)
したがってbecauseは必ず「文中」で使うことを覚えておきましょう。
「理由」の接続詞の具体的な使い方はこちらの記事へどうぞ
旧情報・新情報ってなに?ウザいんだけどと思った人は御面倒でもこちらへ
副詞のsince
何とsinceには一語で副詞として使うものまであるんです。これは意外と知らない人も多いんですよね。ですが、「sinceってこういう使い方もあるんだ!」と理解できれば意外に簡単です。
since、またはever sinceで「それ以来」と表現します。そしてこの意味から察しがつくかと思いますが、これは前述の「内容」を引き継いでいますので前述の内容は「過去」のこと、そして「それ以来」と受けて、現在完了形で受けるという、何のことはない「継続」のsinceの使い方といっしょなのでした!
例
I got a really bad fever last night and I haven’t been able to sleep at all at night ever since.
「昨夜ひどい熱を出して、それ以来夜全く眠れない」
ちなみにこの副詞のsinceは「文中」にも置けますので注意が必要です。
例
100 hundred years have since passed.
「それ以来、100年の時が経った」
あとがき
また会いましょう。
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