● こんにちは、まこちょです。
先日生徒からある構文の質問を受けたんです。
「先生、Mary didn’t marry him just because he was richは『メアリーは彼が金持ちだったから結婚しなかった』じゃないですか?やっぱり結婚は「お金」より「愛」ということでファイナルアンサー?」
というもの。
受験生は今が大変な時期なので、質問全体の内容に若干アレな部分を感じますが、実はこの例文、忘れたことにやって来る要注意構文なのでしっかり理解しないといけません。
それはnot ~ because構文。
この構文、なんと訳が一種類だけではないのが今回のキーポイント。2つ訳出の方法があるんです。
この入試和訳問題などでよく狙われる箇所を今回は徹底解説!ぜひマスターしてちょっとした訳出ミスなどをしないようにしましょう。
not~because構文の2つの意味
notが後ろの動詞だけを否定する場合
例文をちょっと見てみましょう。
例
I do not like him because he is tall.
この文なのですがnot~becauseの構文が使われています。一見簡単そうに見えるこの文、実は訳し方が2つありますので注意が必要です。
まずはnotが動詞、この場合ですとlikeだけを否定する場合は
I do not like him because he is tall.
「彼は背が高いから、彼が好きではない」
と訳します。「…だから~ない」と訳すのが第1のパターン。
⇒「…だから~ない」
notが動詞を含むbecause全体を否定
そしてもう1つの訳出は、notが動詞以下because全体を否定する場合です。notの否定する範囲notの右側ならどこまでも否定できるんですよ。この場合の訳出は「…だからといって~ではない」と訳すことになります。
例
I do not like him because he is tall.
「彼が背が高いからと言って、彼が好きなわけではない」
⇒「…だからといって~ない」
とこのようにnot~because…の文は2つの訳出ができるということをまずは覚えておきましょう。
どちらの訳出を使うか
この構文はこのように2つの訳し方があるので、とても紛らわしいことが分かるかと思います。例えば
例
She did not marry him because he was rich.
でしたら、
「彼女は彼が金持ちだから結婚しなかった」
⇒ つまり、結婚はしていない
「彼女は、彼が金持ちだからといって結婚したわけではない」
⇒ つまり、結婚はした
とまったく解釈が変わることになり非常に困った状況になるのです。したがってこの形、実はネイティブでも誤解を生むということで避ける傾向があり、公式文書などではなるべく使わないようにしています。
ですがそれでも使わざるを得ない場合、以下のような対処でどちらの意味として使っているのか分かるようにするのが普通です。その対処法を知っておきましょう。
becauseの前に「(,)カンマ」を入れる。
becauseの前にカンマを入れることによって、notはbecause以下を否定していないことを表すことができます。
She did not marry him , because he was rich.
「彼女は、彼が金持ちだから、結婚しなかった」
また、because以下を「文頭」に持っていくことによって、notは自分より右側しか否定できませんので、because以下を否定することを回避することができるんです。
Because he was rich, she did not marry him.
「彼が金持ちだから、彼女は結婚しなかった」
becauseの前にjust, only, simply, chiefly を入れる
またbecauseの前にjust, only, simply, chiefly を入れることで、「…だからといって~ない」と訳すことができます。
She did not marry him just because he was rich.
「彼女は、彼が金持ちだからといって結婚したわけではない」
このように、無用な誤解を防ぐために上記の方法で訳出をしっかり防ぐように英作文でも注意しましょう!
まとめ
さて今回はいかがだったでしょうか。このnot…because~は誤解を生じやすいために、しっかりとその対処法を知っておかなくてはいけません。
ぜひ今後の英語学習に役立ててくださいね。
ではまた
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