この記事は
「関係形容詞のwhichと関係代名詞whoseの違いが分かりません。両方とも同じように使えると思うのですが…入試問題の選択肢に両方が入っていると戸惑います」
と悩んでいる英語学習者に向けて記事を書いています。
●こんにちは、まこちょです。
みなさんは関係形容詞というものを聞いたことがあるでしょうか。関係代名詞ではありませんよ?
関係形容詞はwhatとwhichにみられる現象で、what+名詞、またはwhich+名詞で表現するものなのですが、この用法は関係詞シリーズの中でもかなり難易度が高い用法になっています。
例
I gave him what help I could give.
「私は出来る限りの援助を彼に与えた」
例
I gave him what little money I had.
「私はわずかながら持っていた食べ物をすべて彼に与えた」
この「what+名詞」の関係形容詞は、以前当ブログでも徹底解説を試みたことがあり、かなり熱い展開になったのを覚えています。今回はこの関係形容詞の応用的なお話になりますので、もし「関係形容詞って何?」となってしまった方は、以下の記事をまず一読していただけると幸いです。
ところでこの関係形容詞なのですが、what+名詞だけではなくて、実はwhich+名詞という形もあるんです。しかもwhichを使う場合は前に「,(カンマ)」をつけて
~ , which +名詞 ~
として使う場合が多いんですよね。ところがここで問題が。
次の英文法問題なのですが、これ分かりますか?
【問】次の( )に適切な語句を下から選びなさい
(1) He spoke in English, ( ) grammar I didn’t understand.
(2) He spoke in English, ( ) language I didn’t understand.
- which
- that
- whose
この問題を持ってきた生徒はなんでも「関係形容詞」について勉強していたようなのですが、この2つの問題の区別がどうしてもわからないのだそうです。
両方とも、これって選択肢の①だけじゃなくて③もいけるのでは?と悩んでしまったらしいんです。
はじめにお断りしておきますが、関係代名詞のwhoseも前にカンマがつく非限定用法(継続用法)の使い方はあります。ですから、前にカンマがついているという理由でwhoseを外す根拠にはなりません。
そこで今回はこの「, which + 名詞」と「, whose + 名詞」の使い分けを徹底解説いたします。当ブログでは「関係形容詞リターンズ」ですね(笑)
ぜひマスターしていただいて今後の英語学習にお役立てください。
関係形容詞のwhichか関係代名詞のwhoseか
確かにこの2つは一見同じに見えるのですが、実は攻略法がちゃんと存在します。それは( )の後ろをしっかり見ること。
例えば次の例文を見てください。
例①
My uncle, whose wife is French, lives in Paris.
「私のおじは、奥さんはフランス人で、パリに住んでいます」
例②
The summer house, whose walls are painted white, is ours.
「壁が白く塗られているあの別荘は私たちのものです」
例③
My brother, whose books are very famous, lives in Yamanashi.
「私の兄の本はとても有名ですが、その兄は山梨に住んでいます」
「, whose + 名詞」の形をした例文を3つほど抜粋しましたが、この3つの英文、実はある特徴があるのですが気づいていただけたでしょうか。そう、それは先行詞とwhoseの後ろの名詞の関係です。
例①
My uncle, whose wife…
- 先行詞=My uncle
- whoseの後ろの名詞=wife
↓
My uncle ≠ wife
同様に見てみると例②、例③も
例②
The summer house≠walls
例③
My brother ≠ books
と、先行詞とwhoseの後ろの名詞は絶対に「≠」の関係になるんです。でもこれは当たり前と言ったら当たり前ですよね。
なぜならwhoseは「所有格(~の)」の関係代名詞。したがってwhose +名詞の「名詞」は先行詞の「所有」しているモノになるはずです。
ですから先行詞と名詞は絶対に「=」になるわけはないんですよね。
ところが次の例文を見てください。「あ!」と思えたあなたは成長ですよ。
例④
The men wore kilts, which clothing I thought very interesting.
「その男たちはキルトをはいていたが、その服はとても面白いと思った」
例⑤
The doctor told her to take a few days’ rest, which advice she didn’t follow.
「医者は2、3日休息を取るように言ったが、彼女はその忠告に耳を貸さなかった」
例④の先行詞はkilts、そしてwhich後ろの名詞はclothingです。ということは…?
そう、kilts=clothingと言えますよね。この点は超絶に重要です。, which +名詞の場合、先行詞と名詞の関係は常に「=」となるんです。先ほどのwhoseとは全然違うところに注目してほしいです。
, whichの先行詞は直前の名詞だけじゃない
「ちょっと待った!じゃあ例⑤はどうなるんだ? a few days’ rest「数日の休日」とadvice「忠告」はどう見たって「=」じゃないぞ!」
そうでしょうか?確かにrestとadviceは絶対に「=」の関係ではありませんが、継続用法(非制限用法)のwhichの先行詞は目の前の「名詞」だけでしたっけ…?
そう、「, which…」の先行詞は目の前の名詞だけではなく「whichの前の一部(不定詞句など)」や「前の文全体」が先行詞になれるのでした。
ちなみにこの辺りのくだりに「?」がついてしまった人は以下の記事がメチャメチャおススメ。すぐに理解できます。
つまりこの例⑤は直前の名詞が「先行詞」なのではなく、to不定詞句の箇所が先行詞なのです。
to take a few days’ rest = advice
「2、3日休息をとること=忠告」
つまり先行詞と名詞が「=」の関係になっているのでした!
ちなみに継続用法(非制限用法)の訳出も3種類あります。必ず使いこなせるようにしておきましょう。
この時点で先ほどの生徒の問題は解決できます。
先行詞はEnglishで「英語」ですよね。まちがってもgrammar「文法」ではありません。
したがってEnglish≠grammarですから、( )にはwhoseが入ります。
English=languageは間違いないと言えます。したがってここにはwhichがふさわしいと分かりますよね。すご~く簡単でしょ?
「, which + 名詞」は古い
最後にこの「, which + 名詞」の形について一言いいます。実はこの形なのですが、主にwhichを前置詞の後ろで使うことが多く、それ以外は古い文体で現代英語ではあまり使いません。
例
In 1960 he came to Tokyo, in which city he has lived ever since.
「彼は1960年に東京に来て, それ以来都内に住んでいる」
Tokyo = city
例
The storm raged all night, during which time the climbers waited to be rescued.
「嵐が一晩中吹き荒れたが、その間登山者は救出されるのを待っていた」
all night = time
例
We may miss the train, in which case we’ll be late for the appointment.
「私たちはその列車に乗り遅れるかもしれない。そしてその場合は、約束に遅れるだろう」
We may miss the train = case
あとがき
今回は「, whose +名詞」と「, which+名詞」の違いについて解説しました。まとめると
②( )の後ろの単語と先行詞が「=」の場合 ⇒ which
となります。ぜひモノにしていただいて、コレ系の問題はすべて正答できるようにしてくださいね!
また会いましょう。
関係詞の学習方法についてよくわからない!という方は以下の記事で効率よく勉強しましょう。体系的に関係詞の知識を積み上げることができます。
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