● こんにちは、まこちょです。
今回の記事のテーマは英語学習者ならば一度は疑問に思う箇所なのではないでしょうか。そのくらいよく質問を受ける箇所になります。
先日もこんな質問が上がったんです。
「先生、schoolって「普通名詞」ですよね?普通名詞は数えられる名詞(可算名詞)なのに、なぜgo to schoolの時は冠詞をつけないのでしょうか」
というもの。確かにこれはごもっともですよね。
通常英語では「普通名詞」には冠詞をつけます。普通名詞とは、dog、cat、desk、book など一定の特徴ある形態がある名詞のこと。
私たちが通常、「名詞」と認識している感覚に最も近いと思われます。
schoolももちろん「普通名詞」に入りますが、「彼女は毎日学校に行きます」の表現の場合、
例
She goes to school every day.
とschoolに「冠詞」をつけません。これいったいどういうことなのでしょうか。もっと言うとgo to the schoolと表現してはダメなのかしら。
そこで今回はなぜgo to schoolにはschoolに冠詞をつけないのかを徹底的にみなさんと考えていきたいと思います。
もちろん「偶然」じゃないそこには明確な理由があった!ぜひ会得して今後の英語学習にお役立てください。
冠詞の基本
冠詞は「入れもの(箱)」
そもそも名詞に「冠詞」をつけるとはいったいどういう意味なのでしょうか。ただ何となく名詞の前につけてみました、ではいつまでたってもこの普通名詞に冠詞がつかない理由が分かりません。
冠詞というものは一言で言うと「入れもの」です。つまり名詞に「住所(場所)」を与えた感覚が強い。
bookに冠詞をつけてa book・the bookとすると「本(という場所)」というニュアンスを与えるんです。
つまり「場所」ですからそこにはしっかりとした「形」があるということを示しているんです。
ですからgo to the schoolという表現は間違いではありません。「学校(という場所)」のニュアンスを強くする場合にはいくらでも使うことができるんです。
例
Ken’s mother will go to the school to see her teacher tomorrow.
「ケンの母は明日先生に会いに学校(という場所)に行きます」
ではgo to schoolと冠詞がついていないパターンはいったいどんなニュアンスになっているのか?これが今回のポイントになります。
無冠詞の普通名詞は「機能」を表す
先ほども言った通り「冠詞」とは「入れもの」「器」のイメージですから、普通名詞に「冠詞」をつけないということは、この「入れもの」のニュアンスがなくなることを意味しています。
つまり「形」がなくなるということ。
「形」がないのですから、go to schoolのschoolは「学校(という場所)」を表していません。つまり具体的な形がなくなり普通名詞が「抽象化」したと言えます。
じゃあ「学校」の何を表しているのか?それは学校の本来の「機能」、つまり「授業」を指しているんです。たしかに「授業」を「形」にしろといわれても難しいですよね。
She goes to school every day.
「彼女が毎日学校に行く」のはもちろん「授業」を受けるためですよね。したがってこの場合は「彼女は毎日授業に行く」と言っているのです。
そうすると、逆に次のような文はtheがないと不自然な文になるのは分かるでしょうか。例えば
Ken’s mother will go to school to see her teacher tomorrow.
と表現すると、「ケンの母は先生に会いに明日授業に行く」というニュアンスになるのですが、ケンの母は「授業」に行くのではないですよね(笑)もしかしたら「面談」などで学校に行くだけなのです。
つまり学校を単なる「場所」と捉えているから冠詞のtheをつけているわけですね!
冠詞のないパターン
その他の例を少し見てみましょう。schoolがそうですからuniversity(大学)も当然冠詞のないパターンがありますよ。
例
Tom will go to university.
「トムは大学進学します」
universityに冠詞がついてませんね。universityの「機能」に趣を置いているんです。
Would you mind telling me how to go to the university?
「大学までの行きかたを教えていただけませんか」
この場合は「入れもの(場所)」としての「大学」を表しているのです。
みなさん、中学校のときに「寝る」はどう表現すると学習しましたか?おそらくこう学習したんじゃないでしょうか。
She went to bed early.
「彼女は早く床についた」
よく考えたらbedも普通名詞なのに冠詞がついていませんね。それはbedを「場所」として表しているのではなく「機能」としてのニュアンスを出しているからなのです。
bedの機能といったらそれは「寝る」ですよね。
ところがこうなると?
She went to the bed.
彼女は「寝た」のではなく、単に「ベット(の場所)に行った」だけなんですよ。なんかえらい違いですよね。
この無冠詞の「普通名詞」は気づいた方もいるかと思うのですが、「前置詞+普通名詞」と前に「前置詞」を置いて使う場合がほとんどです。
この記事も必読!なぜ「手段」のbyの後ろは無冠詞の名詞になるのか
www.makocho0828.net
冠詞についての理解が深まる超お勧めの書籍はこちらです
captainはなぜ無冠詞で使うのか
もう1つ、普通名詞を「無冠詞」で使うパターンがあります。通称「役職」名詞。
一般的に、「役職・身分を表す普通名詞」が補語として使われているときは、無冠詞となるんです。 例えば
例
We elected Tom as president.
「我々はトムをを総裁に選んだ」
presidentは普通名詞。したがって通常は冠詞をつけるはずなのですが、この文章にはついてないですよね。
「首相・校長」など一人しかいない役職名が補語や同格になっている場合は、無冠詞で使われるんです。
このtheを伴っていない場合は、一人の「個人」を指しているというよりも、もっと抽象的に役職名を強調しているので冠詞の「入れもの」を取り、具体的な「形」をイメージさせないようにしていると考えられます。ちょっと例を出しましょう。
① 人名の前につく場合
Professor Tanaka
「田中教授」
② 人名の後に同格名詞としてつく場合
Dr. Cook, Professor of Musicology at Edinburgh University
「エディンバラ大学音楽学教授クック博士」
③ 補語として用いられる場合
They elected Ken captain of the club.
「彼らはケンをクラブのキャプテンに選んだ」
④ 資格を表すasの次に用いられる場合
Who will act as principal?
「だれが校長代理をするのか」
まとめ
さて今回はいかがだったでしょうか。この普通名詞にもかかわらず冠詞がつかない形はしっかりと「意味」があるのだということをよく理解していただければと思います。
ではまた
コメント