この記事は

「関係代名詞の先行詞にはtheやaをつけると思うのですが、使い分けがよく分かりません。先生に聞いてみてもtheのみ使うと言われてしまったのですが…何か納得していません。よい使い分けはあるでしょうか?」
と疑問に思っている英語学習者に向けて記事を書いています。
● いつもありがとうございます、まこちょです。
関係代名詞の先行詞にaをつけるかそれともtheをつけるべきかは英語上級者でも悩んでしまう箇所ではありますね。正直苦手にしている人も多いのではないでしょうか。
よく後ろから修飾語句がかかる名詞には必ずtheをつけなさい、と指導してしまう先生がいらっしゃいますが、若干強引ですね。
たしかに先行詞はtheをつけて表現する場合は多いですが、必ずしも全部theと決まっているわけではありません。しっかりとaを使う場合だってあります。
そこで今回は先行詞の冠詞の使い分けについて徹底解説。
以下の記事を読了すると、次の点であなたの英語力は大幅に向上します。
▶ 先行詞を見たら何が何でもtheをつけるクセがなくなる
ぜひマスターしていただいて、今後の英語学習にお役立てください。
まずは冠詞のaとtheの違いをしっかり理解しよう
冠詞のaとtheは中学の初期のころに学習するにもかかわらず、今一つ知識が曖昧な方が多いです。ですが心配しないでください。
冠詞のaとtheについての考察は、これだけで骨太の参考書が1冊書けるくらい深いものです。正直かなりディープで、私も学生時代に何度かこの「冠詞」を制覇しようと躍起になっていた時期があったのですが、何度か挫折しました(笑)
下手するとネイティブの方まで間違えるときがあるくらいですから、あまり深く考えすぎないことにしましょう。冠詞のaとtheについては基本的なことを押さえておけば十分です。
冠詞のa ⇒ 不特定のうちの1つを指す
冠詞のaは「不特定(多数ある)の中から1つ」という意味で使われます。例えば次の例題なんかはどうでしょう。
例①
I know (a / the) girl who lives in New York.
「わたしはニューヨークに住んでいる女の子を知っています」
この英文は冠詞を選ぶとしたらa / theのどちらでしょうか。
「ニューヨークに住んでいる女の子」は世の中の「何人」もいます。その中の誰でもいいから「1人」を指す場合は冠詞のaを使いましょう。
I know a girl who lives in New York.
⇒ ニューヨークに住んでいる女の子の【誰でもいい】1人
ところがこの英文に冠詞のtheを使うとどうなるのでしょうか。
冠詞のthe ⇒ 話し手と聞き手の両方が特定できる「唯一なもの」を指す
例②
I know the girl who lives in New York.
先ほどのaをtheに変えただけで状況ががらりと変わります。
よく冠詞のtheは「特定」できる名詞につけると言いますが、ここで重要なのが、特定できるとは【誰にとって】特定できるのか?という点です。
特定できる「モノ・人」とは、文章を書いた(話した)人とそれを(聞いた)人【全員】が分かるという意味です。
つまり関係者が全員その名詞について何を指しているのかが分からないとtheは絶対に使えないということは覚えておきましょう。
I know the girl who lives in New York.
この文の先行詞girlに冠詞のtheをつけているということは、
- この文を書いた(話した)「人(ここでは私)」
- この文を読んだ(聞いた)「人【全員】」
が「女の子」についてずばり「あの子だな!」と「特定できる」ということなのです。
ということはこの女の子はこの文で登場する以前に、話し手と聞き手の間で「すでに話題になっている」ことが重要ですよね。
ここで冠詞のtheを使う場合についてちょっとまとめておきますね。
① 名詞が「唯一の」もの/人
② 名詞が話し手と聞き手の間で「特定」できるもの/人
つまり、先行詞が関係代名詞で制限されていても、「特定」できない場合はtheを使わないでa(an)を使うことは日常茶飯事で起こるんだということはよく覚えておいてください。
以上のことを踏まえた上で、以下の先行詞の冠詞についての問題をちょっとやってみましょう。
先行詞の冠詞についての練習問題
【問題】次の英文の意味合いの違いを確認してみてください
(1) The jacket I bought yesterday was very expensive.
(2) We are looking for the Japanese who speaks Chinese.
(3) We are looking for a Japanese who speaks Chinese.
(4) This is the town where he was born.
(5) Mr.Brown bought a car which was made in Japan.
解説
「私が昨日購入したジャケット」は「唯一」ですよね。たくさんあるジャケットの中から、「どれでもいい1つ」なのではなく「特定」できるジャケットです。
だから特定できるtheが使われているんですね。
「昨日買ったジャケットは髙かった」
(3) We are looking for a Japanese who speaks Chinese.
(2)と(3)は同時に考えてみましょう。両方とも「中国語を話す日本人を探している」という意味なのですが、(2)の方は、theを使っていますので「特定できる」ということですね。
もっと具体的にいうと、話し手と聞き手がこの「日本人」について共通している人物がいる、ということになります。
ところがこれが(3)のようにaを使うと、「不特定」の日本人ということになりますよね?
つまり「中国語を話すたくさんいる日本人の内の1人」というニュアンスになるんです。言い換えると、話し手と聞き手が「特定できない」誰かということになるでしょう。
「ここは彼が生まれた町だ」という意味ですが、これは分かりやすいです。
人が生まれた町は誰でも「1つ」のはずです。複数の町にまたがるなんてことはありませんよね。
つまり「唯一」で「特定できる」町ということになりますので、theを使っているんですね。
あとがき
今回は関係代名詞の先行詞につける冠詞はa / theでニュアンスが変わる、という話をしました。
ポイントは、先行詞に使う冠詞はtheだけではなく、話し手と聞き手の間で「特定」できるかどうか、「唯一」かどうかによってaとtheを使い分けるところです。
なかなか完璧にマスターするのは難しいですが、ぜひ頑張って会得してみてください。
以下の記事も冠詞の使い方を学習するのにおススメ。ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


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