● いつもありがとうございます、まこちょです
英文法には「受動態」という単元がありますが、この受動態にもさまざまな種類があり、苦手意識を持っている英語学習者は多いです。
ところがこの受動態は単に「~される」、つまり動詞(V)をbe + 過去分詞にするだけなら簡単なのですが、実際には他の英文法単元と合体して使われることが多い表現です。
例えば助動詞の文を受動態にしたらどんな形になるか、ご存知でしょうか。
そこで今回はさまざまな文法単元と一緒に受動態を使うとどのような形になるのかを徹底的に見ていきたいと思います。意外と他の文法と複合的に使われる「受動態」は難しいんですよね。
ぜひ以下の記事を参考にしていただいて、大人のやり直し英文法をしてみてください。
受動態の基本形
まずは、ちょっとしたおさらいで通常のドノーマルな受動態見てみます。受動態のポイントは以下の通り。
● 能動態
⇒ S+V+O 「SがOをする」
● 受動態
⇒ S be Vp.p + by O 「SがOによって~される」
例
The company adopted a new approach.
「その会社は新しい手法を採用した」
↓
A new approach was adopted by the company.
「新しい手法がその会社によって採用された」
これが受動態の基本的な形で受動態自体の形はそれほど難しくはないのですが、問題はこの受動態の形にほかの英文法単元が合体したときです。以下に主な合体例をご紹介しますね。
助動詞のある文を受動態にする場合
例
Many young girls must read this magazine.
「多くの若い女の子たちはこの雑誌を読まなくてはならない」
この文は助動詞mustが使われた文ですが、もちろん受動態にすることができます。その時のポイントは、助動詞はそのままで後ろの動詞の原形を受動態(be + 過去分詞)にするところです。図解すると
must V ⇒ must be + Vp.p
Many young girls must read this magazine.
↓
This magazine must be read by many young girls.
「この本は多くの若い女の子たちによって読まれなければならない」
進行形の文を受動態にする場合
例
They are using this room at that moment.
「今のところ彼らはこの部屋を使っています」
今度は進行形の文ですが、この文も「受動態」にすることができるんです。ポイントとしては、進行形を受動態にする場合、be と過去分詞の間にbeingが必ず入るところですね。
したがって進行形の受動態は以下のようにまとめることができます。
is / am / are + Ving ⇒ is / am / are / + being+ Vp.p
They are using this room at that moment.
↓
This room is being used (by them) at that moment.
「その部屋は今のところ使用中です」
なお進行形の受動態の訳し方は「~している最中だ」という表現を使うと良いでしょう。
過去進行形の受動態
例
We traveled by bus because our car was being repaired.
「車が修理中だったので、私たちはバスで旅をした」
完了形の文の受動態表現
例
They have developed various medicines.
「彼らは様々な薬を開発してきた」
完了形の形はhave + 過去分詞ですが、もうすでに過去分詞が使われているにもかかわらず受動態表現にすることが可能です。
英文法にもいろいろありますが、過去分詞が2つ並ぶ表現はおそらくこれくらいではないでしょうか。
have(has)+過去分詞 ⇒ have(has) + been+ 過去分詞
見てください。完了形の受動態ですが have + 過去分詞 + 過去分詞になっています。これは珍しい形でやっかいなことは厄介なのですが、真ん中の過去分詞は必ずbeenになるのが特徴です。
They have developed various medicines.
↓
Various medicines have been developed (by them)
「さまざまな薬が開発されてきました」
群動詞の受動態
動詞が後ろの前置詞とセットになって熟語(イディオム)になっているものがありますが、それも受動態にすることができます。
受動態にするにはちょっとコツが必要で、動詞の後ろに前置詞がついているということは、この動詞は「自動詞」ということになるのですが、自動詞+前置詞を1つの他動詞とみなして受動態にすると非常に分かりやすいです。パターンとしては以下の通り。
V(自)+前置詞+名詞 ⇒ be + Vp.p +前置詞 by~
受動態にすると、前置詞の後ろの名詞(O)が主語(S)に移動してしまうので、前置詞がいらないんじゃないか?と思わず錯覚してしまい、前置詞を省いてしまう人がいるので要注意!です。
例
They laughed at the boy.
「彼らはその少年を笑った」
↓
The boy was laughed at by them.
「その少年は彼らによって笑われた」
by them(themは一般人)は場合によっては省略することができますが、いくら不恰好だからといってatを取ってはいけません。
能動 ⇔ 受動でこの2つの「態」は常に行き来することができます。atを取ってしまったら能動態に戻せなくなってしまいますよね。
つまり群動詞の受動態というのは、最後が前置詞で終わる、一見すると中途半端な受動態の形があるということですね。
The boy was laughed at.
※よく出る群動詞を押さえよう
以下の群動詞はよく受動態表現で狙われます。ある程度、形を押さえれおいても良いでしょう。
● A speak to B「AはBに話しかける」
⇒ B is(am / are) spoken to by A
● A put off B「AはBを延期する」
⇒ B is (am /are) put off by A
● A look up to B「AはBを尊敬する」
⇒ B is (am / are) looked up to by A
動詞+名詞+前置詞の形の群動詞に要注意!
動詞の後ろに前置詞が来ているタイプの群動詞は上記のように、受動態のときに前置詞をしっかり残すのを押さえておけばそれほど難しく感じることはないかと思います。
ですが群動詞にも種類があり、特に動詞の後ろが名詞+前置詞のタイプになっているのは注意が必要です。例えば、以下のような群動詞は警戒が必要ですね。
take care of 「~の世話をする」
pay attention to「~に注意をする」
何が危険だかわかりますか。
もともと受動態は能動態の目的語(O)を主語にしたものです。つまり動詞の後ろの名詞を主語にしたものが受動態なのですが、上記の群動詞を見てください。
動詞の後ろに名詞が2つあることに気づいているでしょうか。
例
She took care of the cat
「彼女はその猫の世話をした」
↓
She took 名詞 of 名詞
そう、実はこのように後ろ名詞が2つある群動詞は、それぞれの名詞を主語(S)にした受動態を作ることができるんです。つまり受動態が2つできるということですね。
She took care of the cat.
⇒ Care was taken of the cat by her.
⇒ The cat was taken care of by her.
「その猫は彼女に世話をしてもらった」
例
Many people paid no attention to his remark.
「多くの人が彼の発言に注意を払わなかった」
⇒ No attention was paid to his remark by many people
⇒ His remark was paid no attention to by many people.
こんなパターンもあることを注意しましょう。
SVOOとSVOCを受動態にする場合
動詞の後ろに名詞が2つあるといったらこの文型も忘れてはいけません。そうSVOOの第4文型とSVOCの第5文型です。名詞が2つあるということは受動態の形も2つできるということです。
● SVOOの場合
例
Ken gave children wonderful presents.
「ケンは子供たちにすばらしいプレゼントを与えた」
giveはSVOOの第4文型を取る動詞です。
Ken(S) gave(V) children(O) wonderful presents(O).
したがってそれぞれの目的語(O)を主語にした受動態ができるということですね。
人目的語(O)を主語にした場合
Children were given wonderful presents by Ken.
「子供たちはケンにすばらしいプレゼントを与えられた」
人目的語(「~に」に相当する目的語です)を主語にした受動態は簡単ですが、これが「物」目的語(「~を」に相当する目的語)を主語にして受動態を作ったときには注意が必要です。
「物」目的語を主語にした場合
Wonderful presents were given to children by Ken.
気づいたでしょうか。物目的語を主語にした場合、能動態のときにはなかったtoが人目的語の前につくんです。これって盲点ですよね。
このtoは人目的語が代名詞のときには省略されることもあるという、何とも厄介なしろもの。ぜひ覚えておいてきださいね!
あとがき
さて、今回はいかがでしたでしょうか。受動態のパターンも多岐にわたり、それなりに会得するのが難しくなっています。
ただしどんな種類でもbe+過去分詞の部分だけは必ず一致して使われていますので、ぜひ混乱しないようにしてくださいね!
また会いましょう。
受動態の効果的な学習方法について知りたい方は以下の記事を確認してみてください。
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