● いつもありがとうございます、まこちょです。
英語の学習をしているとよく「譲歩」という言葉をよく聞くと思うのですが、冷静に考えるとこの「譲歩」という言葉、日本語と英語では若干違うような気がしませんか?例えば日本語では譲歩と言ったら、
「今回の会議では、こちら側が若干【譲歩】した形になった」
とかいった使い方をよく使いますよね。つまり日本の譲歩には「自分の主張をゴリ押しするのではなく、相手の主張をある聞き入れること」
といった意味があることが分かります。
ところがこれが英語で使うと、
例
Though he is rich, he isn’t greedy for money.
「彼はお金持ちだけれども、お金に対して執着はない」
といった「~だが…する」といった言葉の使い方だけに焦点を合わせています。ここには「相手の主張をある程度聞き入れる」といった日本の「譲歩」のニュアンスは全く含まれていないことが分かるかと思います。
このように英語の「譲歩」は日本人からしたら若干ニュアンスが異なる用法なのですが、そもそも英語の「譲歩」表現とはどのくらいあるのでしょうか?
そこで今回は入試頻出の「譲歩構文」を徹底解説!ここで一回まとめておくと、今後の英語学習にとても役立つことは間違いありません。しかも意外と譲歩の表現、多いんです。
ぜひ参考にしてくだされば幸いです!
これだけある英語の譲歩副詞節
では、英語学習において頻繁に登場するものから順にご紹介しますね。
though / although
まずは、何よりもこれでしょう。「~だけれども」を表す代表的な「譲歩」の接続詞になります。
● although(though)+S+V~ 「SはVだけれども」
例
Although(Though) she has lived in Japan for ten years she can’t speak Japanese well.
「彼女は10年間日本に住んでいるけれども,日本語をうまく話せない」
この2つの違いについてはあまり気にする必要はありませんが、thoughの方が若干口語で、文中にも使うことができるのは押さえておいてよいでしょう。
thoughとalthoughの違いについて極めたい!という方はこちらの記事へどうぞ
even if / even though
even if / even thoughは「たとえ~するとしても」の譲歩表現。これも大学入試では頻出で、特にこの2つは「違い」が問われるので要注意です。
● even if(though)+S+V~ 「たとえSがVだとしても」
例
I will never give up the work even if it is hard.
(たとえ大変だとしても,私は決してその仕事を諦めない)
例
Even though he is my boss, I can’t approve everything he does.
「彼が実際に上司なのだが、それでも、すべてを受け入れられるわけではない」
この2つの違いですが、even ifの方は「仮定」の意味が含まれます。つまりifのニュアンスが存分に盛り込まれて「たとえ~だったとしても=もし~だったとしても」というニュアンスになるのです。
ですからこのeven、文脈から明らかに意味が把握できる場合は【省略】されることも多いです。
I will never give up the work even if it is hard.
=I will never give up the work if it is hard.
それに対してeven thoughは「事実」に基づいての表現です。したがって「仮定」の意味は微塵も含まれないことに注意しましょう。よくAlthoughと書き換えされます。
Even though he is my boss, I can’t approve everything he does.
=Although he is my boss, I can’t approve everything he does.
ちなみにeven if / even thoughについては以下の動画でも学習することができます。ネイティブによるオール英語解説ですが、非常に簡潔で分かりやすいです。1分弱で終わりますのでシャドーイング等の訓練にももってこいです。
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whether節
この表現も英文ではおなじみ。特に大学入試では【名詞節のwhetherと副詞節のwhether】を見分ける能力は必須です。和訳問題の常連と言って良いでしょう。
例
It doesn’t matter to me whether he comes or not.
「彼が来ようが来るまいが,私には関係ない」
whether節の見分け方について深く学習したい人はこちらの記事をどうぞ
whoever節など
whoeverやwhicheverなどは名詞節の「~する人は誰でも」といった意味のほかに、「たとえ~するとしても」という譲歩の意味で使われることがあります。
例
Whoever comes, you must not open the door.
「たとえ誰が来てもドアを開けてはいけません」
who(what / which) ever節の訳し方について学習したい人はこちらがオススメ
ここまではよく見られる「譲歩」の副詞節なのですが、ここから先はなかなか一筋縄ではいかない譲歩表現をご紹介します。
形容詞(副詞 / 名詞)+ as + S+V
この表現は難しいです。もともと動詞の後ろにあった形容詞(副詞 / 名詞)が文頭に出て倒置した形。意味は「Sは~だけれども」と訳す譲歩表現です。接続詞のasを使いますが、asは用法が多くて厄介ですよね。
例
Unbelievable as it was, they actually welcomed us.
「信じられないことだったが、彼らは実際私たちを歓迎してくれた」
Child as he was, he supposed his family.
「子供だったけれど、彼は家族を養っていた」
※文頭に名詞が来る場合は必ず【無冠詞】で使うこともポイントが高いです。
またこちらは応用になりますが、文頭に「動詞」が来ることもあります。その時の公式は以下の通り。
● 動詞 + as + S + 助動詞「たとえSが~としても」
例
Try as he would, he could not lift the rock.
「彼がどんなにやってみても、その岩を持ち上げられなかった」
Say what you will, I think he is honest.
「君がなんと言おうとも、彼は正直だと思う」
接続詞のasは種類が豊富!しっかりと学習したい方はこちらの記事がおススメ
動詞+疑問詞+助動詞
これもなかなかマニアック。ですが大学入試にはよく和訳問題などで出題されます。この形で「たとえ~だとしても」と譲歩の意味を表すんです。
例
Come what may, I’ll be ready.
「どんなことがあっても私は覚悟ができている」
Be it (ever so)…
最後になりましたが非常に古風な表現をご紹介します。
Be it (ever so)… はBe動詞からスタートする「譲歩構文」。これで「たとえ~だとしても」表現になるんです。これは知らないとなかなか訳せませんね。
例
Be it ever so humble, there is no place like home.
「たとえどんなにみすぼらしくても、我が家に勝る場所はない」
英語は基本的に、文頭が動詞の【原形】で始まっているものは「命令文」か「譲歩構文」であることは押さえておくと、迷わずに済むかもしれません。
まとめ
さて、今回はいかがだったでしょうか。
しかし英語の「譲歩構文」はたくさんあってなかなか大変ですね。しかもどれも入試頻出で、一回本腰を入れて学習する必要がある構文ばっかりです。
じっくりと構えていただければと思います。焦りは禁物!
ではまた
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