この記事は
「この前授業で、just nowが文中にあったら時制は「過去形」だ!と言われました。なぜ現在完了形ではないのでしょうか?またjust nowは本当に過去形の時制にしかならないのですか?」
とjust nowが出るたびに時制問題で失点してしまう英語学習者に向けて記事を書いています。
●こんにちは、まこちょです。
高校英語の「時制」の単元で、おそらく最初に出会うであろう表現にjust nowがあります。
just nowは、一見現在完了形と一緒に使うように見えるけど、実は過去時制と一緒に使うから間違えるなよ~!
なんて当時の先生から教わった方も多いのではないでしょうか。
確かにjust nowは「現在完了形」と一緒に使うことはありません。この点はしっかりと学習しないと、ダミー選択肢に【必ず】入っている現在完了形の選択肢を選んでしまいますので注意しましょう。
ところでこのjust nowですが、なぜ現在完了形と一緒に使えないのでしょうか。もっと言うとこのjust nowは、英文中で見かけたら必ず「過去時制」になるのでしょうか。
なぜこのようなことを唐突に言い出したのかというと、次のような例文を持ってきた生徒がいたからです。
例
I’m very busy just now.
この英文はjust nowが使われているにもかかわらず、時制が「現在形」です。あれ?とか思った方もいるのでは?
そこで今回は意外に馬鹿にできないjust nowの使い方について徹底解説。実はさまざまな訳出が可能であるjust nowのすべてを完全網羅します。
以下の記事を最後までお読みいただくと、次の点であなたの英語力は著しく向上します。
▶ just nowの時制は「過去形」だけではないことが分かる
ぜひjust nowマスター(?)になってライティング等、バリバリ使いこなしてくださいね。
just nowの時制は「過去形」だけではない
確かにjust nowが英文中に登場すると「過去形」時制になることが極めて多いのですが、just nowは何も過去形時制だけに使うものではありません。
実はjust nowは現在完了形【以外】の時制でしたら何でも使うことが出来るんです。ただしjust nowは時制によって「意味」が変わりますので注意が必要、ちょっと例文を見てみましょう。
過去時制と一緒に使うjust now「たった今」
まずはみなさんにとっておなじみな意味である「たった今」「今しがた」「ついさっき」の表現のjust nowです。過去時制と一緒に使う、入試・資格試験でもよく登場する形です。
例
I woke up just now.
「たった今起きた」
例
I saw it just now.
「今見ました」
この過去形と一緒に使うjust nowのポイントは以下の通り。特に書き換えができる表現は入試でも頻出ですので覚えておくと良いでしょう。
【過去形と一緒に使うjust nowの特徴】
- 主に動作動詞と一緒に使う
- 同意表現に a moment agoがある
- just nowの位置は「文末」とは限らない
例
I got home just now.
= I got home a moment ago.
「私はたった今帰宅したところだ」
現在形と一緒に使うjust now「ちょうど今」
この辺になると、just nowについて「おや?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。そう、just nowは現在進行形、または現在形とともに使うことが出来るんです。
この場合のjust nowの意味も「ちょうど今」となり過去形の場合と使い分けをしているのも要チェックですね。
例
My father is busy just now.
「父はちょうど忙しい」
この現在形(進行形)と一緒に使うjust nowについてのポイントは以下の通り。やはり書き換え語句がありますのでしっかり押さえておきましょう。
【現在形と一緒に使うjust nowの特徴】
- 状態を表す動詞の現在形・もしくは現在進行形と一緒に使う
- right now や at this momentで書き換えることができる
例
My father is busy just now.
= My father is busy right now.
未来形と一緒に使うjust now「今すぐ」
なんとjust nowは未来時制と一緒に使うことが出来るんです。意味もガラっと変わって「今すぐ」「やがて」と表現します。
例
I’ll repair your car just now.
「今すぐあなたの車を直しましょう」
I will come just now.
「すぐ参ります」
このようにjust nowは何も過去形の時制とともに使うだけでなく、さまざまな時制と使うことが可能であることをまず押さえておくことが重要です。
just nowはなぜ現在完了形と一緒に使えないのか
これほど万能に見えるjust nowの表現ですが、なぜ「現在完了形」と使うことが出きないのでしょうか。
特にjust単体だと現在完了形とともに使えるのに、just nowになった瞬間使えなくなるのは納得いかない人も多いのではないでしょうか。
例
I have just come to Japan.
「日本に来たばかりです」
「just nowが現在完了形とともに使うことができない」この理由には諸説があり、これは!という決め手が残念ながらありません。2020年2月の時点では以下の説が有力ですが、もしあらたな諸説が出てきましたらその都度お知らせします。
just nowは「今」に最も近い状態
just nowはnowがついていることから分かる通り、「今」に近接した表現なのはお分かりかと思います。
ただし、just nowは先ほどの説明でお分かりの通り、「過去」「現在」「未来」の時制それぞれに使うことが出来ます。つまり言い換えれば
just nowの表現は極めて時制的には「曖昧な」表現で使い分けに苦労する表現といっていいかもしれません。
ではなぜこの表現は現在完了形とともに使えないのか?それは現在完了形の構造にあります。
現在完了形は「have +過去分詞」という構造をしていることから分かる通り、haveの部分は「現在形」そして「過去分詞」は過去を含んでいる表現です。
つまり現在完了形は「過去」と「現在」を含んでいる用法と解釈してもいいです。そんな用法にjust nowを使ったらどうなるでしょう?
もしjust nowがhaveの部分を修飾しているのなら、just nowは「現在」と一緒に使われている言葉ということになるし、過去分詞の部分を修飾しているのならjust nowは「過去形」と一緒に使われている言葉になります。
つまり、just nowを現在完了形とともに使ってしまうと、just nowが「現在」「過去」どちらの時制を指している言葉なのかが曖昧になってしまうのです。したがって読み手に混乱を生じてしまうため、just nowは現在完了形とは使わないようになったのが真相ではないかと私は考えています。
ちなみにこれは参考程度に押さえてほしいのですが、実はjust nowは【現在完了形と一緒に使えるパターンがあります】
それはjust nowを「文末」で使わないで、過去分詞の【前】に置くパターンです。参考までに。
例
I have just now finished correcting that.
「ちょうどそれを修正し終えました」
(引用:研究社 新和英中辞典)
この場合は文末に置くパターンと違い、過去分詞の前にjust nowを置くため、just nowが明確に【過去】分詞を指すことが分かるために使われていると言われています。
ですが、これは例外的な事項なので、学校の定期テスト等では無用な混乱を避けるためにjust nowは現在完了形とは使われないとまとめて置いた方が無難であるとご報告をしておきます。
just nowの使い方:まとめ
さて今回はjust nowの使い方について解説しましたがいかがでしたでしょうか。
just nowを見たら「過去形」時制とともに使うとほぼ強制的に暗記ですませた方にとっては、今回の記事内容は結構ショッキングだったかもしれないですね。just nowについてまとめると
【just nowまとめ】
- 過去形「たった今」= a moment ago
- 現在形「ちょうど今」=right now / at the moment
- 未来形「今すぐ」
になります。この中ではやはり過去形としての使い方がダントツですので、しっかりと押さえておいてください。
また、会いましょう!
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