● みなさんこんにちは、まこちょです。
英語表現のなかにはThey say that S+V~、It is said that S+V~など、「SがVだといわれている」を表す構文がたくさんありますが、この構文は意外に英語学習者にとって悩むポイントです。
特に以下のような疑問はみなさんの中にも持った方がいるのではないでしょうか?
「先生、『SがVだと言われている』の表現ですが、It is said that S+V、They say that S+Vはokなのに、なぜS is said that S+Vはダメなのでしょうか?S is said to Vは大丈夫なのに。なんかこの構文がよく分からないのですが…」
特に多いのが、例えばHe is said to VはokなのにHe is said that S+Vはなぜダメなのか、という点。確かにこの点はしっかりと理詰めで考えられないと混乱する箇所ですね。
そこで今回は、この「言われている」の構文を徹底的に考えてみようかなと思います。ぜひ覚えるときの参考にしていただければと思います。
They say that S+VとIt is said that S+Vはしっかりとつながっている
「言われている」の表現であるこの構文たちは、一見さまざまな種類があるように見えますが、実はそれぞれ【つながっている】ことを理解することが大切です。例えば次の例文を見てください。
例文
They say that he is a teacher.
「彼は先生だと言われている(先生のようだ)」
この文章のTheyは「一般人」のtheyなのですが、この構文にSVOCを振ってみてください。すると以下のようになることが分かるかと思います。
They(S)say(V) [that he is a teacher]=(O).
そう、この文章はthat節がsayの目的語(O)になるSVOの第3文型を取ります。そして目的語(O)があるということは、この構文を「受動態」にすることも可能なわけです。
受動態の作り方については以下の記事を参考にしてくださいね。
受動態にしてみると目的語の箇所が主語(S)になるのでしたね。この時、by themの箇所は「省略する」場合が多いです。
[That he is a teacher] is said (by them).
↓
[That he is a teacher] is said.
長い主語(S)を仮主語のItに置き換える
そうすると、見事に主語(S)がやたらに長くて読みにくい、俗にいう「頭でっかち」の文が出来上がります(笑)まぁthat節が主語(S)ですからね。
場合によってはこれより長い主語だってできる可能性があるわけですよ。
そこでこのイマイチな英文を仮主語(形式主語)のitを用いてスッキリさせようとするわけです。そうするとthat節が「真主語」になるわけですから、この部分を後ろに移動します。
It is said [that he is a teacher].
そうすると、ほら!Thay say that S+VとIt is said that S+Vが見事につながったことが分かると思います。
They say that he is a teacher.
= It is said that he is a teacher.
したがってまずはこの構文をワンセットで理解 ⇒ 暗記に務めるのが良いでしょう。
He is said that S+Vが表現としてダメな理由
そうすると、He is said that S+Vがなぜ構文として成り立たないか理解できるかと思います。2点ほどありますので、順序良く理解することが大事です。
① sayはSVOの第3文型を取る
まずここで使われている動詞がsayであることに注目してください。先ほどThey say that~の文でSVOCを振ってもらったことからもわかる通り、sayはSVOの第3文型をとります。
つまり能動態の形は基本以下のようになるわけですよね。
A say B
※AとBはそれぞれ名詞。
この形を受動態にすると
B is said by A
とbe saidの後ろに名詞(句・節)を置く場合は前置詞が必要であることが分かります。したがって
He(S) is said(V) [that ~]=(O)?
とthat節が「真主語」でもないのにsaidの後ろにあるのはおかしいと分かります。
②もしsayが取る文型が分からなかったとしても…
もしsayがSVOの第3文型を取るという知識が抜けていたとしましょう。ですが仮にこの知識を知らなかったとしても、He is said that S+V…が構文的に成り立たないことが分かります。
例えばsayはSVOOの第4文型を取れると「勘違い」していたとしましょうか(もちろん間違っています)。
もしsayがSVOOの第4文型を取れると思っているのなら、当然以下の構文の形も「アリ」になるんですね。
He is said that she is a teacher.
↓
He(S) is said(V) [that she is a teacher]=(O).
ところがこの文を「能動態」の戻してSVOOの第4文型に戻してみてください(間違っていますが(笑))一般人のtheyを復活させて能動態を作ると
They(S) say(V) him(O) [that she is a teacher]=(O).
となりますよね。
ところでsayって「人」目的語を後ろに取ることができましたっけ???
と思えた英語学習者は素晴らしい!そうsayは後ろに人目的語を取れない動詞です。この動詞の語法は超有名で以下の記事に徹底的に攻略しています。
ちなみにここで勘のいい人は気づいたかもしれません。そう、この間違っている構文、実はsayではなくてtellを使うとしっかりと成り立つんですよ。
tellはSVOO文型「も」取れる動詞で後ろに「人」目的語をとるのがデフォだからです。ただしこのtellを使った構文は意味が違うので注意!
参考までに
例
They tell him that she is a teacher.
↓
They(S) tell(V) him(O) [that she is a teacher]=(O).
↓
He is told that she is a teacher.
He is said to Vはなぜokなのか
ところで、なぜそれではHe is said to Vの形はokなのでしょうか。ここが今回の最大の焦点です。
この形については諸説ありで確かに矛盾を含んだものであるのは正直否めません。
したがってこれから書くことはこれまで何度か私がこの形に挑戦した結果の推測の域を出ないというのが正直なところです。それを踏まえて以下の内容をお読みください。
以下の例文を見てください。
例
He is said to be the next president of the company.
「彼はその会社の次期社長であると言われている」
この文はis saidの部分でわかる通り「受動態」表現です。したがって能動態に戻してみましょう。すると
★They say him to to be the next president of the company.
↓
★They(S) say(V) him(O) [to to be the next president of the company]=(C).
となりますが、先ほどの説明のようにsayはSVO文型をとるので、SVOC文型は不可、ましてや後ろに「人」目的語は取れませんので、この★の文からできた文ではないことは明白です。ではこの形は一体…
私の現時点での考えはこうです。
He is said to VはHe is thought/considered/believed to Vと同じ感覚で発達したもの
そう、私はこのHe is saidはHe is thought/considered/believed to Vの形と同じで広がったものと解釈しています。
ただし、He is saidは「能動態」の形が存在しないまま、thoughtなどと同じ使い方をしているいうのが今現在の私の考えです。
この考え方はかなり強引ですが、今のところ他にしっくりいく考えが見当たりません。もし何かきらめき情報(?)を持っている方がいたらぜひ教えてください。
何か分かりましたら随時更新したいと考えています。
あとがき
さて、今回はいかがでしたでしょうか。最後にこのThey say that S+Vは以下のように書き換えができますのでまとめて置くと良いでしょう。
They say that he is a student.
=It is said that he is a student.
=He is said to be a student.
ではまた
不定詞の効率的な学習方法が知りたい方は以下の記事がおススメ。
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