● こんにちは、まこちょです。
世の中には「これ、絶対英語初学者では難しいよね」という問題があります。つまり初見では正答するのが非常に困難な選択問題です。
先日も生徒から次のような問題の質問を受けたのですが、見た瞬間に「これは1回間違っとけ」と生徒に思わずアドバイス(?)してしまった入試問題があるんです。
本番前に出会えて良かったじゃないという意味なのですが、このような問題を大学側が出題することに何か意味があるのかどうかは大いに疑問を持っているんですよね。
もっと他に聞くことはあるだろうに、と常々思っています。
ただ、是非はともかく大学側が用意した問題ですから、受験生はある程度対策をしておかないといけません。
生徒が今回私に見せてくれた問題はこういった問題なんです。
【問題】
He usually walks up the stairs ( ) taking the elevator.
① instead of
② without
実際は4択問題だったのですが、最終的にこの2択に絞られます。これ、どっちが正解か分かりますか?
instead of もwithoutも両方「~しないで」と和訳できてしまうところにこの問題の難しさがあります。つまり非常にいやらしい問題であると。
たしかに「表現」は英語学習において重要ではあります。ですが常に時間に追われている受験生の気持ちを考えると、こういった問題はまさに「重箱の隅をつつく」問題で、正直大学に行ってから、もっと言うと仕事上、必要に迫られた時に初めて身につければいいのではないかと思っています。
正直、受験生が可哀そうに思えてきます。
今回のこのinstead of とwithoutは確かに使い分けをしています。しかし一回コツを教えると二度と間違えなくなるので、ぜひマスターして今後の英語学習に役立ててください。
instead ofは「~する代わりに」
instead ofのもともとの意味は「~する代わりに」です。つまり使い方は以下のようになります。
A instead of B
「Bする代わりにA」
ちょっと例文を出してみましょう。以下のように使うんです。
例
Play outside instead of watching TV.
「TVを見ないで外で遊びなさい」
この例文を見てもらうと分かるのですが、instead ofを使った場合、英文にある特徴があることが分かるでしょうか。
A instead of B ⇒ AとBは「同時」に行えない
この例文はinstead ofを境にして2つの「行動」が示されています。色分けすると
Play outside instead of watching TV.
Play outsideは「外で遊ぶ」、watching TVは「テレビを観る」ですがこの2つの「行動」は同時に行えないことが分かるでしょうか。
そう、instead ofを使う場合はAとBは「同時に行えない」ものが来るんです。
そうするとwithoutは一体どのような使い方をするのかが何となく予想できるのではないでしょうか。
A without B ⇒ AとBは同時に行える
そう、instead of とは違い、A without B はAとBが「同時に行える」行動が来るんです。
例えば
He left without saying good-bye to me.
「彼は私にさようならを言わないで立ち去った」
この文はwithoutを語る上で非常に有名な英文なのですが、この英文も2つの行動がwithoutを境に表現されています。
He left without saying good-bye to me.
He leftは「彼は出発する」でsaying good-bye to meは「私にサヨナラを言う」です。
この2つの行動は「同時」に行うことができるというのがポイントなんです。
これらの使い方を踏まえて、今回の質問を解答してみましょう。
【問題】
He usually walks up the stairs ( ) taking the elevator.
① instead of
② without
意味は「いつも彼はエレベーターに乗らないで階段を歩いて上がる」です。
「階段を歩いて上がる」と「エレベーターに乗る」はどう見ても「同時」にはできませんよね。したがって答えはinstead ofの①が正解ということになります。
まとめ
さて今回はいかがだったでしょうか。このように受験生は時間的にも大変ですが、ちょっとコツをつかむとすぐに実戦投入できるような内容ですので、ぜひマスターしていただけたらと思います。
ではまた。
コメント