● こんにちは、まこちょです。
英語には「形容詞」という品詞がありますが、この形容詞が動詞の補語として使う場合にはいろいろと注意すべきポイントがあります。
例えば「人」を主語に取れない形容詞などは有名ですよね。例えばdifficult「難しい」などの単語などがそうで、通常はIt is difficultという出だしで使います。
例
It is difficult to climb this mountain.
「この山に登ることは難しい」
もし「彼が」のようにclimbの主語をつけたい場合はfor himと言う形でto不定詞の前に置きます。
It is difficult for him to climb this mountain.
「彼がこの山に登ることは難しい」
Heを使って×He is difficult to climb this mountain.としてはいけません。
「人」を主語に取れない形容詞について詳しく学習したい人はこちらの記事へ
一見「人」が主語に見える用法「タフ構文」についてはこちらの記事へどうぞ
このように「人」を取れない形容詞がクローズされがちなのですが、実はその逆のパターンである必ず「人」を主語に取る形容詞というのもあるんです。これも入試頻出ですから困ったものですね。
そこで今回はこの「人」を主語にとる形容詞を徹底解説するとともに、ある生徒からでた質問に答えていきたいと思います。
ぜひマスターしていただいて、今後の英語学習にお役立てください。
感情を表す形容詞
形容詞は形容詞でも「人」の感情を表す形容詞などは、当然「人」を主語にします。
例えばhappy「幸せな」を表す形容詞は、人の「感情」を表現する形容詞ですから、主語は「人」でなければなりません。つまり
He is happy to hear that news.
とは言えても、
It is happy for him to hear that news.
とは言えません。
このように主語の「感情」を表現する形容詞は他にもたくさんあるんです。以下がその主なものですので、しっかりと身につけましょう。
● happyなどと使い方が同じ形容詞(人を主語に取る形容詞)
angry 「怒った」 / ashamed 「恥じて」/ delighted 「喜んで」 / disappointed 「失望した」 / excited 「興奮した」/ furious 「怒り狂った」/ glad 「喜んで」/ pleased「喜んで」/ proud 「誇りとする」/ sorry 「気の毒な」/ surprised 「驚いた」/ thankful「ありがたい」
う~んけっこうありますね。以上の形容詞が「人」を必ず主語に取らなくてはならない形容詞なのですが、ちょっと補足したいことがあるんです。それは上の青くなっている形容詞で起こるもの。
上記の形容詞はすべて「人」を主語に取るのですが、問題は形容詞の「後」の形。これらの形容詞は形容詞の後ろの形に、to不定詞かthat S+Vの形を取ることが可能です。
例
I am happy that I could meet you.
= I am happy to meet you.
「あなたに出会えて幸せです」
このように、全体の主語とthat節内、to不定詞の主語が同じ場合は両方の書き方が可能なのですが、もし「that節内 / to不定詞の主語が全体の主語と違う場合」は形容詞以下をthat節で表現することになっています。
I am happy that he is my teacher.
「彼が私の先生で幸せだ」
この場合、for him to be…の不定詞の形で表現することはできないことに注意しましょう。
× I am happy for him to be my teacher.
ところが先ほどの青く塗られた形容詞、glad 「喜んで」とsorry 「気の毒な」は、主語が異なったとしても、後ろをthat節か、またはto不定詞の両方で表現することが可能なんです。これはちょっとびっくりですよね。
例
I am sorry that he loses his job.
= I am sorry for him to lose his job.
このちょっとした例外は実は入試で注目されることがあるくらい(難関大の文法問題・正誤問題)のポイントで、しっかりと使い分けなくてはならないという、まったくもって受験生には厳しい問題になっています。
ところで、この「人」を主語に取る形容詞に何かがもれていることに気づいた人はするどい!そうsad「悲しい」です。この単語だって人の感情を表す形容詞なのに、なぜこのグループに加わっていないのでしょうか?
それは先日私にある生徒が質問してきたからです。
「先生、happyってIt is happy.とは言えないじゃないですか?でも、happyの逆の意味であるsadは、I am sadと言えるし、It is sadとも言えると参考書で見たことがあるのですが、それはどうしてですか?」
そう、そうなんです。sadという形容詞は人が主語でなくても使えるんですね。たしかにこれは英語学習をしていると必ず疑問が起こるのですが、これは一体どういうことなのでしょうか。
そこで以下の記事ではなぜIt is sadと言えるのかを徹底解説いたします。しかし英語って難しいよなぁ(泣)
感情と評価
これまで学習したようにhappyは「感情」を表す形容詞です。もちろんその逆の意味を持つsadも「感情」を表す形容詞なのですが、実はsadにはもう1つ、happyにはない特徴があるんです。それが「評価」
● happy 「幸せだ」
⇒ 人の「感情」
● sad「悲しい」
⇒ 人の「感情」
⇒ 物事の「評価」
つまりsadは「物事の評価」を下すときは主語に「人以外」の単語を置いて表現することが可能なんです。
I am sad.
「私は悲しい」
It is sad
「それは悲しいことだ」
これがhappyにはない特徴で、happyはI am happy.とは言えるけれども、「物事」を評価する表現ではありませんのでIt’s happy.とは言えないんです。
では英語で「いいね!」と言う場合はどうでしょうか。もちろんhappyではなく他の単語を使います。代表的なのはgreatやgoodを使うと良いでしょう。
It’s great (nice).
「その状況はいいね」
しかし、形容詞一つとっても深いですよね…ほんとに。
その他の「人」を主語にとる要注意形容詞
「人」を主語にとる形容詞は他にも集中して学習すべきものがあります。
例えばable (unable)なんていう形容詞は「~できる」シリーズでもおなじみの語法の最高峰(?)ここでちょっとまとめておきましょう。
● able (unable)
① 【人】is able (unable)の形で使う
② 後ろはto不定詞のみ
③ 全体の主語とto不定詞の主語は必ず同じ「人」
⇒ したがってfor 人 to Vの形はない
④ to不定詞以下は「受け身」にできない
例
She was able to do the job.
「彼女はその仕事ができた」
× The job was able to be done by her.
× It was able for her to do the job.
「できる」の形容詞語法についてもっと詳しく学習したい方はこちらの記事へどうぞ
あとがき
さて、今回はいかがだったでしょうか。このように「形容詞」の語法、なかなか奥が深く、受験生ってホントに大変だよね、と現役の英語の先生が思わず思ってしまうほど、丁寧な学習が必要な箇所になっています。
ぜひ慌てずにコツコツ学習していただければと思います。頑張ってください!
また会いましょう。
仮主語構文について詳しい学習手順が知りたい記事はこちらへどうぞ。
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