● みなさんこんにちは、まこちょです。
今回は大学入試で狙われる動詞の語法、特に2重目的語を取れない動詞を徹底的にまとめてみようと思います。動詞の語法は用法が多岐に渡るために、苦手としている受験生も多いのではないでしょうか。
今回は特に人気の高い(?)動詞の後ろの形について説明します。一言に2重目的語を取らない動詞と言ったってその形は様々でなかなか奥深いんですよ。
ぜひ少しずつ身につけてくださいね。
2重目的語を取れない動詞には2タイプある
まず、今回の動詞の語法なのですが、そもそも「2重目的語」とはいったい何?ということから説明します。
目的語(O)になれる品詞は名詞と決まっています。2重目的語というのは文字通り目的語が2つ、つまり以下のような形を「2重目的語」を取る動詞といいます。
動詞 + 目的語(O)+目的語(O)
つまりこれはSVOOの第4文型を取る動詞と言い換えることもできますよね。次のような文がその典型となります。
例文
He gave me a present.
「彼は私にプレゼントをくれた」
↓
He(S) gave(V) me(O) a present(O).
第4文型について詳しく学習したい人はこちらの記事にどうぞ
⇒ 第4文型 (S+V+O+O)の解釈ポイントとは?授与動詞について
⇒ 第4文型(SVOO)と第3文型(SVO)への書き換えで注意すべきポイントとは?
ところが動詞によっては、このSVOO文型の形を取れない動詞というものがあるんですね。これが今回のテーマになります。
しかもただ取れないだけじゃなくて、ある条件が加わった時だけSVOOの形を取れる、なんていうのもあり、ほんとにもう勘弁してくれよ~、と思わず嘆いてしまう受験生の姿が目に浮かぶようです。
そこで以下では、パターン別に2重目的語を取れない動詞を徹底解説!とにかく大学入試で狙われるこの動詞の語法を舐めまわす(?)ようにみなさんと共有しようじゃないですか!
パターン1:2重目的語を【何が何でも】とれない
まずはなんといってもこのパターンを学習する必要があります。このパターンの厄介なところは、日本語の意味的には「~に…をVする」と言えてしまうところ。
つまりいかにもSVOOの第4文型のような訳し方がピッタリはまってしまうから怖いんです。
ですから安直に

「お!これは『~に…をVする』って訳せるから第4文型マジイケる!いやっほうぅぅぅぅ」
とか考えてはいけませんよ。
まずはexplain / suggest / proposeの御三家を覚えよう
このタイプの動詞で真っ先に注目すべきは以下の動詞。非常にデンジャラスな語法を持っている超有名な動詞です。
explain「説明する」
suggest「提案する」
propose「提案する」
ほかにも2重目的語を取れない動詞はたくさんありますが、上記の単語が目立ち過ぎています。特にsuggestは入試出題者から熱い視線がいつも注がれていますので注意が必要です(笑)
どのくらい「熱い」かは以下の記事が参考になるかと。

例えば「私にこの文の意味を説明しなさい」を英訳するとき、以下のようにしてはいけません。
例文
× Explain me the meaning of this sentence.
この文だとexplainの後ろに名詞が2つ。つまりSVOOの第4文型になってしまいます。ですがexplainは2重目的語を取れない動詞ですからこれはアウト。以下のようにするのです。
◎ Explain to me the meaning of this sentence.
そう、「~に」の部分に前置詞のtoを使うことによって、「to+名詞」の形にしてしまうんです。
そうすれば「前置詞+名詞」の部分はSVOCに含まれませんから、結果的にSVOO文型になることを回避できるということになりますよね。その他の単語の例もご紹介しましょう。
例文
「彼女は我々に会議が延長されるべきだと提案した」
◎ She proposed to us that the meeting should be put off.
× She proposed us that the meeting should be put off.
例文
「彼は私に今晩外食しようと提案した」
◎ He suggested to me that we eat out that evening.
× He suggested me that we eat out that evening.
この何が何でも第4文型を取れない動詞を以下にまとめておきます。
● 絶対にSVOO型にならない動詞
- confess 「告白する」
- introduce「紹介する」
- admit「認める」
- demand「要求する」
- ※demandは「人に~を要求する」のとき、前置詞はtoではなくofであることに注意
- remark「言う」
- hope「望む」
- mention「言う」
- express「表明する」
- impose「課する」
- donate「寄付する」
- entrust「預ける」
※注意点※
この動詞たちで大学入試的に盲点として取り扱われる点をご紹介します。
explainの注意点
explainはよく
explain to 人 that~
という形で紹介されますが、何もthat節(名詞節)だけとは限りません。ただの名詞や名詞句だってもちろん置けますが、その時to人の部分はexplainのすぐ後ろと決まっている訳ではない、というのは注意ポイントですね。ですから、
explain + to 人 + 名詞
explain + 名詞 + to 人
の両方の形が可能だということは押さえておきましょう。
例文
She didn’t explain to us the reason.
= She didn’t explain the reason to us.
「彼女は理由を我々に説明しなかった」
パターン2:【条件付き】で2重目的語を取れる
続いての2重目的語を取れない動詞のパターンは、またまた厄介です。先ほどのパターン1とちがって、何が何でも2重目的語を取れないというわけではなく、【ある条件】が加わるとSVOO文型が可能というタイプがあるんです。
ある意味受験生にとってはこちらの方が嫌ですよね。
(代)名詞を2つ目的語に取れない動詞
以下にご紹介する動詞は(代)名詞を2重目的語に取ることはできません。したがって以下のパターンはダメということです。
× 動詞 + (代)名詞 + (代)名詞
例文「彼はその報告が真実であることを彼に納得させた」
× I persuaded him the truth of the report.
↓
I(S) persuaded(V) him(O) the truth(O) of the report.
himもthe truthも(代)名詞です。persuade「納得させる」は後ろに(代)名詞を2重目的語で取れない動詞なんですよね。
こういったタイプの動詞は「~を」の箇所にofをつけて表現することができます。
◎ I persuaded him of the truth of the report.
ところがこのpersuade、(代)名詞 +(代)名詞の形はダメですが、(代)名詞+that節という形だとSVOO文型を取ることができるんです。これはびっくりですよね。
例文
◎ I persuaded him that the report was true.
↓
I(S) persuaded(V) him(O) [that the report was true]=(O).
ちょっとまとめてみましょう。
× 動詞 + (代)名詞 +(代)名詞
◎ 動詞 + (代)名詞 + of +(代)名詞
◎ 動詞 + (代)名詞 + that S+V
うわぁ~…と思ったら負けです(笑)この条件付き動詞も結構ありましてもちろん入試頻出。絶対にマスターしないといけません。
● 条件付き2重目的語を取る動詞
assure「保証する」
convince「確信させる」
inform「知らせる」
remind「思い出させる」
warn「警告する」
特にconvince / remind / informは高頻度で入試に登場する目立ち過ぎな動詞です。
例文
Your eyes remind me of stars.
「君の眼は、私に星を思い出させる」
Don’t forget to remind him that tomorrow is a holiday.
「あすは休みだということを忘れないで彼に注意してください」
(引用:研究社 新英和中辞典)
remindの動詞の語法を極めたい人は以下の記事に立ち寄ってみては?

あとがき
さて、今回はいかがでしたでしょうか。「2重目的語を取れない動詞」といってもそのパターンは2パターンある!この辺をまずはしっかりと押さえることからスタートしましょう。
それによって動詞の語法はしっかりと整理されていきますよ!
また会いましょう。
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