● こんにちは、まこちょです。
英語の接続詞は多種多様です。しかも日本語より使い分けがシビア。
例えば「~するとき」の接続詞にはwhenがありますが、それこそニュアンスの違いでwhile、the moment、as soon asなど使い分けたりします。なかなか使いこなすのは難しいものなんですよ、ええ。
今回取り上げる「理由」の接続詞もそうなのですが、一番有名なbecauseだけだったらいいのですが、実はそのほかにsince、as、forと出るわ出るわ。
思わず「どれか一つにしてくれよ!」と嘆いてしまう英語学習者は数知れずです。
ただ、確かにこの「理由」の接続詞、because、since、as、forの使い分けは英作文等の表現で問われることも事実。無用な減点はなるべくなら避けたいところです。
そういうわけで今回はこの「理由」の接続詞の使いわけについて徹底解説。ぜひモノにしていただいて今後の英語学習にお役立てください。
接続詞は文と文を繋げている
まず、「理由」の接続詞の細かい話をする前に、ちょっと接続詞の基礎をおさらいしておきましょう。実はこの「基礎」が一番大事だったりします。
接続詞は文字通り「接続」する語ですから、何かと何かを繋げているのは明白です。
特に今回のような「理由」を表す接続詞は「従位(従属)接続詞」といって、「文」と「文」を繋げるんですね。これって言い換えると次のような図式になるといっているようなものじゃないですか。
① S+V 接続詞 S+V
または
② 接続詞 S+V, S+V
なぜって「文」ということは主語(S)と動詞(V)があるってことですものね。この辺は「当然だろ?」と軽くおさらいのつもりで流してくださいね。
ところで、この従位接続詞の「接続パターン」なのですがなぜ「2つ」あるのでしょうか。
これを単純にとらえるか、それとも何か「意味」を持っているのかと考えるかで、今回の「理由」の接続詞の使い分けの理解が変わります。
新情報と旧情報
先ほどの2つの接続パターンを使ってちょっと英文を作ってみます。するとこんな風にできますよね。
例 「わたしは子どものときに、ロンドンに住んでいました」
① I lived in London when I was a child.
② When I was a child, I lived in London.
このように上記の①、②のパターンで思います。
この2つの文ですが、一見順番が入れ替わっただけで意味的には変わりないように見えるじゃないですか。そう、意味は全く違いがないんです、意味はね。
ですがこの2つの文、相手に与える情報のニュアンスは全然違います。
なんと英文には次のような表現ルールが存在するんですよ。
例えば上の例文①を見てください。
① I lived in London when I was a child.
この文、whenをはさんで文が2つありますよね。この文の製作者はこの青い文と赤い文、どちらをより相手に伝えたいと思いますか?
もう分かりますよね。この文はピリオド近くの「青い文」の方を相手に伝えたいんです。
もっと具体的に言うと、赤い文の「私はロンドンに住んでいた」の箇所は、この文を読んだ人が「すでに知っていること(旧情報)」と文作成者は思っているということです。
それに対して青い文の「私が子供だった(とき)」の箇所は読み手は分かってないんじゃないかと思っているということなのです。
つまりこれを踏まえて日本語文を極端に表現するとこういうことです。
「(あのさみんな知ってると思うんだけど)、俺昔ロンドンに住んでたじゃん。実はそれ、子供のときだったんよね」
↓
「私がロンドンに住んでいたのは子供の時だった」
聞き手「え!就職後じゃなかったのかよ!」
②の文はどうでしょうか。
When I was a child, I lived in London.
今度はこの文で読み手に一番伝えたいおそらく情報として知らないであろう内容は赤い文つまり、
「あのさおれ子供のころ、ロンドンに住んでたんだよね」
↓
「私は子供のころ、ロンドンに住んでいた」
聞き手「え!お前コテコテの純ジャパだと思ってたよ!」
どうですか?ずいぶんと相手の反応も変わるでしょう(若干大げさに表現してますが)。これを「情報構造」というんです。
「情報構造」についてもっと知りたい方はこんな記事もあります
www.makocho0828.net
www.makocho0828.net
今回の「理由」の接続詞、because、since、as、forは実はこの「情報構造」の違いで使い分けなければならないんですね。
becauseとforの後ろの文は「相手が知らない内容」
まずは理由の接続詞といったらコレ。becauseからいきましょう。このbecause、後ろに来る文の種類が決まっているんです。
つまり、相手が知らない情報ですからピリオド近くに置かなくてはならないということですよね。形はこのようになります。
S+V because S+V(新情報).
例
We didn’t enjoy the picnic because the weather was so awful.
「私たちがピクニックを楽しめなかったのは、天気がとても悪かったからだ」
この文で「私たちがピクニックを楽しめなかった」のは聞き手にとって周知の事実。
ところがその理由の「天気がとても悪かったからだ」は聞き手が知らないホットな情報なんです。
したがってこれを聞いた聞き手はこう返すかも。
聞き手「え!○○ちゃんが服を脱いで騒いでたからじゃないの!?」
ちなみにこのbecauseは結構質問にくるケースが多いですね。最も多いのは、
「becauseからスタートする文だってあるじゃないか!」
というもの。例えばこのようなものですね。
例
A: Why do you think so?
「どうしてそう思うの?」
B: Because I trust him.
「彼を信頼してるからね」
中学の時に学習するWhy~?に対しての答え方ですね。ですがこれだってちょっと冷静になって見てみると、Becauseの前に、
I think so because I trust him.
の部分が同じ表現の繰り返し(つまり旧情報)になるので「省略」されているだけなんですね。
ちなみにこのbecauseの使い方は動画でも学習することができます。ネイティブによるオール英語による解説は非常に明快!1分弱の時間ですのでシャドーイングにもちょうどいい長さです。
↓↓↓
sinceとasの後ろの文は「みんなが知っていること」
becauseと違い、sinceとasは後ろの文に「聞き手がすでに知っている内容(旧情報)」がきます。つまり、この接続詞を使ったら
Since(As) S+V(旧情報), S+V
となるということです。ですから訳出するときは「ご存知の通りS+Vなので」と訳すクセをつけた方がいいですね。
例
Since(As) we can expect no help from others, we must do it ourselves.
「(ご存知のとおり)他人の助けは期待できないのだから、自分たちで何とかしなければならない」
asとforは「堅い」
最後ですが、この理由の接続詞のasとforがsince、becauseと大きく違う点を説明しますね。
この2つの接続詞、実はとても堅い表現。ですから日常会話にはめったに使わないし、通常は演説や取扱説明書などでしか使いません。特にasは他にも様々な意味があり、紛らわしいので使うのが避けられる傾向があることは覚えておきましょう。
接続詞のasについて知りたい!こちらの記事へどうぞ
www.makocho0828.net
まとめ
さて今回はいかがだったでしょうか。英語の語順で伝わる内容の重点部分が変わっちゃうのって面白いですよね!
ぜひ会得していただければと思います。ではまた。
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