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SVCOの倒置形はバランス型!?英文を読みやすくする倒置の種類を完全網羅します!

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倒置

この記事は

SVOCをSVCOに「倒置」するパターンを学習しているのですが、ある先生が英語の倒置には「バランス」を取るための倒置というものがあり、その中の一つがSVCOだと言っていました。バランス型倒置とはいったい何でしょうか?

と悩んでいる英語学習者に向けて記事を書いています。

 

●みなさんこんにちは、まこちょです。

 

当ブログではこれまで「倒置」についていろいろ記事を書いてきましたが、その中でもよく出る質問が、There is ~の文やSVCOなどの「倒置」はいったい何のためにあるのか?というものです。

 

例えばThere is ~の文はその気になったら

 

There is a cat on the sofa.

A cat is on the sofa.

 

という風に表現することも可能ですよね(これが英文的に正しいかどうかは抜きにして)。

 

ということは「何もあえてThereなどを使って倒置の形にする必要はないじゃないか!」と思うのはまぁ常人ならば当然もってしかるべき考えです。

 

する必要がないのになぜわざわざ倒置をしなければならないのか?もちろんそれなりに【理由】というものがあるのですが、今回ご紹介する倒置はこれまでとはちょっと趣が違います。



なんと「全体のバランスを整えるための倒置」というものがあるんですね。




バランス?なんだそりゃ!と思ってしまった方もいるのではないでしょうか。ですが実際にあります、バランス型倒置。




そこで今回はこのバランスを取るための倒置について徹底的に解説し、和訳問題について解説したいと思います。いや、このタイプの倒置って知らないと非常に苦戦するんですよ?



何はともあれ、次の課題英文をノーヒントで和訳してみてください。



【課題英文】

We tend to regard as inferior individuals or peoples having customs different from our own.



[単語・表現]
inferior「劣った」





さて、どうでしょうか。意外に難しいでしょ?




では、この課題英文の答え合わせをする前に今回のテーマである「バランスを取るための倒置」について解説します。



バランスを取るための倒置って何?と思った方、以下の記事をじっくり読んでみて、「あ~!確かにあるわ」と感じていただければと思います。

 



なお、今回の記事は「まこちょの基礎和訳演習講座」のバックナンバーになります。無料メルマガですので誰でも参加できます。

 

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バランス型倒置の種類

There is 名詞

まずはこれからいってみましょう。それはみなさんもおなじみ、There is ~構文です。



なんだ、単に「~がある・いる」の構文じゃないか、と思った方も多いかもしれませんね。



ですが、このThere~構文、実はthereの後ろの文がV+Sと「倒置」しています。




There is a dog on the sofa.

There is(V) a dog(S) on the sofa.

「ソファーの上に一匹の犬がいる」



では、なぜこの構文が「バランスを取るための倒置」なのかお分かりでしょうか?



じつはこのThere is構文、主語に来るものは「新情報」といって私たちにとって初めての情報である名詞しか使うことが出来ません。




例えば冠詞のa(n)がつく名詞などがそうですね。



ところが英文は【よく知っている内容(旧情報)から知らない内容(新情報)の順に英文の内容が流れる】のが普通です。



つまり以下のように英文を表現することは極めて「不自然」なんですね(できないことはないですが)。




A dog is on the sofa.




確かにこの文では、A dogなんていう「新情報」の名詞がいきなり目に飛び込んできちゃいますものね。




そう、そこでThereを「クッション」の代わりに使い、しかも主語(S)と動詞(V)を倒置させて、なるべく新情報の主語(S)を文末近くまで移動させたのです。




これをバランス型の倒置と呼ばずにして何というのでしょうか?(笑)




通常のS+VとThere V+Sはいったい何が違うのかについてとことん学習したい方は、以下の記事を確認してみてください。Thereの文がなぜあるのかがはっきり分かります。


↓↓↓↓↓

S+V(第1文型)とThere is(are)~の文はいったい何が違うのか?徹底的に解説します
https://english-reading.net/2020/05/03/there-sv-tigaitoha/


「There is 構文は思ったより深い!その意味と使い方を徹底解説するよ」←おススメ





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比較級のas / thanの後ろの文が倒置

まずは次の文を見てください。





He is as old as my sister.

「彼は私の妹と同じくらいの年だ」



これが何か?と思わないでくださいね。



比較級のas~asや-er thanはその形こそ有名ですが、実は2つ目のasやthanは「接続詞」であることは知らない方も多いようです。



接続詞の後ろは主語(S)と動詞(V)がくるのが普通。つまり上記の英文はasの後ろに何かが省略されていることを知っていることが重要です。



He is as old as my sister (is)(old).




ところが比較級はas~asの「~」の部分にくるもの、または-erの「-」に来たものは2つ目のas、than以下には書いてはいけないのがルールです。



したがって以下のようになるのが普通ですね。



He is as old as my sister (is).



ところでこの最後にくっついているbe動詞、どうです?何かこのまま終わるのはいかにも中途半端な感じがしませんか?




どうやらそう思ったのはあなただけではなかったようですよ(笑)



そう、どうしても最後が「動詞」で終わるのが我慢できなかった人がいたらしく、この動詞をどうにかしようと考えたらしいのです。



そこで思いついたのが次の2点。

①動詞の省略してしまう
②動詞を倒置してしまう

 

そのうち②に注目してください。何と動詞を主語(S)の前に持っていってしまったんですね。上記の例でいうと





He is as old as (is) my sister.



となるわけです。もちろんこのas / than以下の主語(S)と動詞(V)を「倒置」したのは、単に動詞で終わるのが「ウザい」ためではなく、比較級の対象を文末に置いて、より「際立たせる」ようにしたわけですね。



つまり今回のテーマの通り、やはりバランス型の倒置と言えるでしょう。





She loves him more than her big sister does.



She loves him more than does her big sister.

「彼女は姉が愛する以上に彼のことを愛している」




比較級のas、thanの後ろが倒置する理由をどっぷり学習したい方は以下の記事を確認してみましょう!


↓↓↓↓↓

「接続詞 as / thanの後はよく倒置する?その理由と見分け方はこれだ!」
https://english-reading.net/2019/09/20/as-than-touti/

 

SVOCがSVCOになる場合

最後にこれをいってみましょう。きわめて出題頻度が高い形です。




このOとCが逆になるパターンは、十中八九、Oに修飾語句(M)がついて必要以上に長くなったために起こる場合がほとんどですね。





She made the boy happy.

「彼女はその少年を幸せにした」




この英文はSVOCの第5文型ですが、このthe boy(O)に修飾語句Mがついてしまうと動詞(V)と補語(C)の間がやたらに長い、読みにくい英文が出来上がりますよね。例えば



She made the boy who has been living in Japan for a long time happy.



She(S) made(V) (the boy who has been living in Japan for a long time)(O) happy(C).


「彼女は、長い間日本に住んでいる少年を幸せにした」



う~ん…読みにくい(笑)



これは「頭でっかちの」英文に匹敵する「胴体でっかち」の文ですな。



そこでこの読みにくさを解消するために、長くなった目的語(O)を文末に置き換えてスッキリしたのが以下の文です。



he(S) made(V) happy(C) (the boy who has been living in Japan for a long time)(O).



SVCOという形にして読みやすくするということをします(読みやすくなっているかどうかは疑問ですが(笑))。



SVOCがSVCOの倒置形になることについて、例文を交えて具体的に学習したい方は以下の記事がおススメ!



↓↓↓↓↓

SVCOの英文解釈をしてみたい方は以下の記事もおススメ!ぜひ挑戦してみてください。

 

 

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SVCOの倒置文の練習問題

では、今回の課題英文について解説します。突然長文中に出てくると非常に戸惑うこの倒置、ぜひマスターしてくださいね。

 

===================
【課題英文】

We tend to regard as inferior individuals or peoples having customs different from our own.


[単語・表現]
inferior「劣った」
===================

 

この英文一見難しそうに見えますが、あることが分かると比較的あっさりと「倒置しているのでは?」と考えられるのがポイント。それはregardの使い方です。



regardはregard A as Bという使い方が有名で「AをBとみなす(思う)」と解釈するんですね。




They regard him as a nuisance.

「彼らは彼をやっかい者だと思っている」



このときregardの後ろにはhimなどの名詞が必ず置かれるので、regardは「他動詞」であることが分かります。



動詞と他動詞って何だっけ?と思ってしまった方は以下の記事を確認してみてください。

↓↓↓↓↓

 


ということは今回の課題英文のregardの使い方は、ちょっとおかしいことが分かりますよね。なぜって後ろに名詞がないですから。




We tend to regard → 名詞がない as inferior…




主節の英文は必要なものがちゃんとそろっている「完全な文」でなければなりません。



したがって今回の英文も「たまたま名詞がなかった」のではなく、「どこかに該当する名詞があるはずだ」と考えられることが重要です。



そう、つまりこの英文は名詞(O)が倒置しているのでは?と思えることが実力です。そうするとindividuals or peoplesなどの名詞が、regardの目的語(O)じゃないのか?と思えるから不思議です。




つまりこの英文はregard A as Bがregard as B Aとなっているんですね。



ちなみに「主節の英文は必ず【完全な文】」になる」という解説で、「完全な文」って何?と思ってしまった方は、以下の記事を読んでみましょう。



意外に学校などで強調されないポイントですので要注意です。


↓↓↓↓↓

「英語の「完全な文」と「不完全な文」の違いとは?これが3つのチェックポイントだ! 」



regardの動詞について深く知りたい方は以下の記事を読むしかないでしょう!



regard A as B はSVOC文型?asの後ろに形容詞がくる理由を徹底解説します!





なぜindividuals or peoplesの部分が倒置しているのかというと、その後ろにhaving…と現在分詞を使って名詞を修飾している箇所があり、全体としてとても長い名詞句になってしまっているからです。



regard as B [A ← having…]



こんな長い名詞句をregardとasの間に入れてしまったら、それこそ読みにくい英文が出来上がってしまいますよね。




We tend to regard【   】as inferior


【individuals or peoples】 ← [having customs different from our own]




tend to Vは「Vする傾向がある」・peoplesは「国民」です。



和訳例「私たちは自分たちとは異なる習慣を持つ個人や国民を劣っているとみなす傾向がある」

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バランス型倒置:まとめ

 

さて、今回は「バランスを取るための倒置形」について解説しましたがいかがでしたでしょうか。

 

今回ご紹介したバランス型倒置をまとめると

 

①There~の文

②than / as以下の文

③SVCOの形

 

ですが、特にSVOCがSVCOの形になっているものは気づきにくい形ですので、ぜひSVCOになる意図を組んでマスターしてみてくださいね。

 

今回のパターンに限らず、倒置にはさまざまな形があります。もし倒置についてどっぷり学習したい方は以下の記事を確認して順に学習すると、倒置の全体像が見えますよ!

↓↓↓↓↓

「倒置」の学習方法が分からない?そんな人におススメの記事7選はこれだ!

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