●こんにちは、まこちょです。
今日はみなさんにとって非常になじみ深い単語allについて取り上げようかなと思います。
英語にかなりの頻度で登場するこのallなのですが、この単語、実は意外に使い分けが難しいんです。例えば生徒からの質問で圧倒的に多いのが
「allって単数扱いになったり複数扱いになったりするのですがどうやって使い分ければいいのですか?」
とか
「allとwholeは同じ感覚で使っていいですか?」
など、とにかくallってよく使う割には今一つ理解されていない単語だったりします。
そこで今回はallの使い方について徹底解説!ぜひマスターしていただいてallについてしっかり使いこなせるようになってください。
allの用法は意外と複雑!
allは日本語に訳すと「すべて」と訳すせいか、(代)名詞として考えている人が多いと思うんですが、allの品詞は名詞・形容詞・副詞…と非常にバリエーションに富んでいます。
しかも一言「名詞」といっても単数形と複数形に分かれたりと、なんかこう面倒くさい(笑)。ですがしょうがありませんので1つずつ確認していきましょう。
代名詞としてのall
代名詞のallは単数形と複数形の用法があることを押さえましょう。
all1語が主語になった場合(ちなみにこの表現は古語表現なのであまり使いません)
all = everything「すべてのもの」として使う場合は「単数扱い」です。
例
All is lost.
「万事がだめになった 」
all = everybody「すべてのひと」として使う場合は「複数扱い」です。
例
All were happy.
「みな喜んでいた」
うーん、この時点でとってもアレな感じです(笑)
All + 関係代名詞節
このallに後ろから関係代名詞節が修飾する用法がありますが、この場合はall = the only thingとして考えるのが良いでしょう。つまりAll + 関係代名詞節は全体で「単数扱い」になります。
例
All I said was this.
「私が言ったのはこれだけだ」
この表現で受験英語的に超有名なのはAll S have to do is (to) do~「Sは~しさえすればいい」という表現です。絶対に覚えておきましょう。
例
All you have to do is to study English every day.
「君がしなきゃいけないことは唯一英語を毎日勉強することだ」
これらの表現の場合、関係代名詞(ここではthat)は省略されるのが普通です。
all of~の使い方
allの後ろにofをつけて表現する形にも注意が必要です。ただしこの場合はofの後ろの名詞の使い方が非常に重要ですね。
all of~の後ろに来る名詞の形
① the + 複数名詞
② 所有格 + 複数名詞
③ 目的格
という風に「名詞だったら何でもいい」というわけではないんです。①~③の形に必ずしなければなりません。
◎ all of the people
× all of people
このルールさえしっかり守ってくれればall of ~は全体で必ず「複数扱い」となりますので簡単です。
例
All of us have to go.
「我々はみな行かねばならない」
All of the people here play tennis.
「ここにいる全ての人々がテニスをする」
同格のall
allは主語と「同格」の表現を作ることができます。その場合のallの位置ですが、notを置く場所と同じと覚えておくと分かりやすいかと。具体的に言うと
① 一般動詞の「前」
② be動詞の後ろ
③ 助動詞の後ろ
など、allの場所に困ってしまったらnotを思い出すようにしてください。また目的格の名詞とallが「同格」表現になる場合は名詞のすぐ後ろに置きます。
例
The passengers were all killed.
「乗客は全員死亡した」
例
They all live together in the same house.
「彼らはみな同じ家に一緒に住んでいる」
例
The fact was known to us all.
「その事実は私たちみんなに知らされていた」
例
I see it all.
「それは全部わかりました」
副詞のall
同格の場合は「名詞=all」の関係が成り立っていますが、「名詞≠all」となっているallの使い方もあります。
この時の意味は「まったく・すっかり・全然・かえって」の意味になります。
例
He was all covered with mud.
「彼はすっかり泥まみれだ」
例
You’ll be all the better for a rest.
「ひと休みすれば(それだけ)気分もよくなりますよ」
形容詞のall
allは後ろに直接「名詞」をつけて形容詞として使うこともできます。その場合は
all + 可算名詞 ⇒ 複数扱い
all + 物質名詞の単数形 ⇒ 単数扱い
と使い分けることに注意してください。
例
All students walk to school.
「生徒全員が歩いて登校する」
例
All butter is made from milk.
「あらゆるバターはミルクから作られる」
※注意
この形容詞のallでよく英語学習者から質問があがるのは
「なぜallは冠詞のtheの前に置くのですか?」
というものがあります。これは受験生が非常に悩む箇所なので特に注意して読んでください。
もともとallは品詞的に「形容詞」の使い方はありませんでした。allは「(代)名詞」としての使い方が主であり、したがって以前は以下のように表現するのが普通だったんですね。
例
All of the students walk to school.
ところがこの表現ですがofをいつしか省略されるような表現がでてきました。以下のようにです。
All the students walk to school.
ところがこの表現になると、all the studentsの箇所は「生徒(の)全員」と訳すよりも「全ての生徒」とallをthe studentsにかける形容詞としてとらえた方がいいと考える人が大多数になってしまったんですね。イメージ的には以下のようにです。
ではなく
と読む人が続出!?
ところがここで問題が。冠詞のtheは別名「カベ」と言われているように名詞の前についています。イメージはこう。
そうするとtheの前からallを名詞に修飾させるのは無理があるんじゃない?となったんです。
そこで出てきたのが、「このtheを取っちゃえばいいんじゃね?」というわけで、出てきたのが今回のall + 名詞という表現だったんです。まとめると
all of the students
↓
all the students
↓
all students
theがなくなったおかげでall君(?)は心おきなく名詞を修飾することができるようになったんです。
そして名詞を修飾するのは形容詞と決まっていますので、
「じゃぁ、このallって『形容詞』と呼んでもいいよね?」
と生まれたのがこの「形容詞」のallだった、というオチです。もともとは名詞のallが変わったものと捉えておくと、なぜallはtheの【前】に置くのかがご理解いただけるかと思います。
allとwholeの違いについて
「all the 名詞」の説明が出てきたところで、ちょうどいいですからwholeとの違いについても触れておきますね。
上のall the 名詞の成りたちが完全に理解できると、wholeは必ずtheの後ろに置くのは理解できるのではないでしょうか。
all (the) 複数名詞
the whole 単数名詞
allは先ほどでも説明した通り、all (the)名詞はall of the~という形から派生したものですが、whole「すべての」の形容詞表現はもちろんtheをすり抜けて名詞を修飾する、なんていう芸当はできません。
したがってwholeはtheと名詞の「間」に挟めるのです。冠詞は「カベ」ということをしっかり覚えておきましょう。
× whole the 名詞
◎ the whole 名詞
※ちなみにwholeを使って表現する場合はthe whole +単数【可算名詞】であることも押さえておいてください。不可算名詞の場合はallを使って表現します。
例
I read the whole book.
「本1冊を全て読みました」
例
I drank all the water.
「水を全部飲みました」
all+抽象名詞
ここからは特殊表現になるのですが、それなりに頻度は高いのでご紹介します。
「all + 抽象名詞・身体の部位を表す名詞」で「~そのもので」「全身で」という意味を表すことができます。
例えばall kindnessで「親切そのもの」、all smilesで「満面の笑み」というように表現することができますよ。
例
The girl was all smiles.
「その女の子は満面に笑みをたたえていた」
例
I was all eyes.
「私は目を皿にして見た」
例
I was all ears.
「わたしは全身を耳にして聞き入った」
あとがき
今回はallについて解説しましたが、思った以上にこの単語は厄介な単語であることが伝わったでしょうか。
今回のallの品詞をまとめると
◎ allの品詞
- 名詞
- 形容詞
- 副詞
- 同格
となります。なかなか一度にマスターするのは大変ですから少しずつ覚えてくださいね!
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