● こんにちは、まこちょです。
今回のテーマは文頭のthat節について攻略します。
文頭のthat節は解釈が1パターンしかない割には、苦手意識を持っている方が多いんですよね。したがって質問も
「先生、文頭のthat節ですが、「名詞節」なのか「副詞節」なのか、それとも関係代名詞節なのか分からなくなるんです」
という質問が大半です。
たしかにthat節は様々な種類があっていざという時に悩んでしまうのも事実です。ですが先ほども言った通り、解釈は1パターンしかありませんので、今回はそのパターンのマスターと、なぜ他の解釈は出来ないのかを解説しますので、しっかり理解してくださいね!
文頭のthatの文を読む
【問】
That no other promise than freedom appeals more powerfully to the heart of man is evidenced by the phenomenon that even those leaders who want to suppress freedom find it necessary to promise it.
今回の英文は1文構成なのですが、文章が長いのでしっかりと構造を捉えていかないと、どこかでハマってしまう可能性があります。
【解説】
このthatは「接続詞」のthatだ
● That no other promise… ⇒ いきなり本日のメインテーマです。このthatは何でしょうか。後ろにnoがあるので形容詞、つまり「あの・その」のthatじゃないことはこの時点で分かってしまいます。
なぜならもし「彼女のあの本」と表現する場合、英語はthat her bookとは表現できないからなんです。じゃあどうやって表現するのかというと、herをof hersにして名詞の後ろに持っていき、
that book of hers
と表現します。
したがってこのthatは「接続詞」のthatと分かるというわけです。
ところでthat節のthatには「関係代名詞」もありますが、なぜここでは「接続詞」のthatと即答できるのかというと「関係代名詞」のthatはthatの前に先行詞と呼ばれる名詞が必要だからです。もしこの箇所が、
名詞 that no other promise …
となっていたら「接続詞」「関係代名詞」の両方の線を感じつつ読み進めるんですが。
今回は先行詞がありませんから、この時点で関係代名詞のthatの線は消せるというわけです。
関係代名詞のthatと接続詞のthatについてはこちらの記事をどうぞ
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このthat節は「名詞節」だ
「接続詞」のthatには「名詞節」と「副詞節」がありますが、このthat節は「名詞節」だってことも分かってしまいます。「副詞節」のthatはso ~that、be glad that~のように「形」が決まっているからなんです。
that節の識別は解釈上重要ポイント!
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このthat節は「名詞節」なので主節の文の(S)になるはず。「文の初めに出てきた名詞は文の主語になる」というルールがあるからです。
参考までに
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したがってこの形は、[That S+V…] Vの形を想定して文章を読み進められるかがポイント。そのつもりで読み進めると、
That no other promise(S) than freedom appeals(V)…
とThatの中の(S)と(V)をまず見つけ、接続詞のthatで囲み、
[That no other promise appeals… ]=(S) is evidenced(V)
とthat節を主語にするis evidenced(V)を見つけるという手順が必要です。
that節の中身は置いておいて、一応このように訳しておきましょう。
訳「【that~】は立証されている」
比較級のthan以下の処理
● that節の中身も、実は比較級の「基本」に立ち返ると意外に簡単です。ヒントはmore powerfullyですね。
比較級は「比較級があるから比較級ではない、thanがあるから比較級なのだ」というルールを覚えていますでしょうか?
何それ知らないと思った方、実はこんな記事があります
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thanの前には次の3つのうちどれかが必ずあります。
[thanの前に必ずあるもの]
① 比較級(-erかmore-)
② other
③ rather
今回も
no other promise than freedom…
とthanの前にotherがあるからいいとしても、よく見ると後ろにも、
…. appeals more powerfully to the heart of man
とあるのだ。これも比較級。
したがってこれら2つの比較級に対応するために、than freedomを後ろに移動すると分かりやすくなりそうです。なんせthanの品詞は「接続詞」で「副詞節」になるので、どこにでも移動可能なのなんですよ。
no other promise appeals more powerfully to the heart of man than freedom
比較級than・as~asは、その前に「否定語」がある場合、「後ろから【ほど】と訳して最後を【ない】で〆る」と良い。
例 Nothing is more beautiful than this flower.
「この花ほど美しいものはない」
つまり今回は
that内の訳「自由【ほど】人の心に強力に訴える保証は【ない】(ということ)」
となります。ここまでの訳は、
訳「自由ほど人の心に強力に訴える保証はないということは…立証されている」
予告のthoseに気づく
続いて
…by the phenomenon that even those leaders who want to suppress freedom find…
by the phenomenonは「現象によって」。後ろにthat節が続きます。
… that even those leaders who want to suppress freedom find…
おっと、はじめて出てきたleadersにthoseがついていますね。これはもしかして「予告」のthose?
… that even those leaders ⇐ [who want to suppress freedom] find…
そう、who以下がleadersにかかることをthoseが教えてくれているのだ。
訳「自由を抑圧したがっている指導者ですら」
「予告」のthoseに関する記事はこちらです!
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find it Cの場合、itはまず「仮目的語」を疑う
… that even those leaders(S) ⇐[who~] find(V) it(O) necessary(C) to promise it
find以下がSVOC文型。この文型のOにitがある場合、「仮目的語」を疑うことが重要です。
すると当然「真目的語」が後ろにあるはずです。ここでは
… find it necessary [to promise it]
と「真目的語」を見つけることができます。
仮主語・目的語を見つけたら真主語を見つける構えが重要です!
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訳「自由を抑圧したがっている指導者ですら、自由を保証することが必要だと分かってる」
SVOC文型の「仮目的語」構文が苦手だ!という人、こちらの記事がありますよ!
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そしてthat以下が「完全な文」と分かったので、thatは「接続詞」、前のthe phenomenonと「同格」の関係を作っているのだ。
「完全な文」「不完全な文」とは?
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全体訳はこちらになります、
訳「自由ほど人の心に強力に訴える保証はないということは、自由を抑圧したがっている指導者ですら、自由を保証することが必要だと分かってるという現象によって立証されている」
なんか笑っちゃうくらい手ごたえある英文でしたね(泣)。
まとめ
さて今回はいかがでしたでしょうか。今回のポイントは
① 比較級の処理法
② that節の処理
③ 予告のthose
④ 「同格」のthat
⑤ 仮目的語itの処理
など、1文なのにこんなにポイントあんの?って思っちゃう英文でした。
ではまた
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