● みなさんこんにちは、まこちょです。
英語の単元には「比較級」がありまして、意外とみなさんが苦手意識を持つ箇所でもあります。
その理由のひとつにthan以下の省略がありますね。
thanは接続詞の一種に分類されますから、thanを境に2つの文がくっついていることになるのですが、その2つの文章が「似ている」とthan以下のほうの文にいくつか省略が起こるのです。
そうすると解釈上難しく感じてしまうのは致し方ないかもしれません。
そこで今回は英文解釈を通じて、than以下の攻防に焦点を絞って解説してみました。
ぜひthan以下の省略されている箇所を見切って正確に解釈できるようになってくださいね!
本日のお題
【問】
One of the qualities of the Englishman which is a great part of his strength is that he is always ready to learn by his mistakes, when once he is convinced of them; and he sometimes learns much more rapidly than might be expected from one who is naturally so slow.
さてどうでしょうか。1文構成ですがなかなか手ごたえのある英文かと思います。
[解説]
主語(S)と動詞(V)の発見
● One of the qualities of the Englishman …⇒ 相変わらず、(S)を見つけようとすることが「直読直解」の基本姿勢ですね。これはぶれちゃいけません。
Oneが最初に出てきた名詞なのでこれが(S)に決まり。したがって、
One(S) of the qualities of the Englishman…
one of 複数名詞~で「~のうちの一つ」。ここまでで、
訳「英国人の特質の一つ【は】」。
当然次は(V)を追い求める姿勢になっていますが、
One of the qualities of the Englishman which is a great part of his strength …
と関係代名詞のwhichが(V)を見つける前に出て来てしまう。これも展開上はよくある話です。
訳「英国人の力の大きな要素となっている特質の1つ【は】」
そして、
One of the qualities of the Englishman [which~] is that…
とやっとisが出てきて「ホット」する。このisがwhich節の中に入らないのは、「節の中の動詞は基本1つ」であるから。
…which is a great part of his strength is that…
which節のなかに2つのisはいらないからisの前で関係使節が終わっていることが分かるんです。
ここまでで主語(S)と動詞(V)の捉え方がまだ上手くできない!という人!こんな記事あります。
www.makocho0828.net
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動詞isの後ろにthat。「動詞の後ろのthatはまず接続詞を疑え」が基本。これも何回か登場していますね。
One… is that he is always ready to learn by his mistakes,…
that S+Vと続いているので「疑い」が当たり「ほっと」する。これが重要です。
be ready to Vは「すぐに(すすんで)Vする」
訳「…の1つは、英国人はすすんでその間違いによって学ぼうとする【こと】だ」
動詞+thatの考え方が今一定着していない人!こんなとことにこんな記事がありました
www.makocho0828.net
あとは、
… ,when once he is convinced of them…
うんwhen節。特に問題はないかな。be convinced ofは「納得する」
ここまでの訳をまとめると、
訳「英国人の力の大きな要素となっている特質の1つは、自分の間違いをひとたび納得したならば、すすんでその間違いによって学ぼうとする気持ちをいつも持っていることである」
セミコロン「;」は接続詞の「何でも屋」
まだこの文は続くんです。
● ; and he sometimes learns much more rapidly ⇒ セミコロンは「接続詞の何でも屋」です。ここは補助的にandを後ろにつけてくれてる。
このandはhe sometimes learns much more rapidlyで「英国人はものすごい早さで学ぶことがある」という内容が後ろに続いていることから分かる通り、
… 学ぶ and 学ぶ
と同じ「学ぶ」を繰り返しているよね。したがってこのandは「しかも」と訳すのがいいですね。
記号に強くなろう!詳しい記事はこちらに
www.makocho0828.net
than以下の省略箇所を見切る
● … more rapidly than might be expected from one who is naturally so slow. ⇒ さて、問題のここですね。
このthan以下はどういう意味なのでしょう。
この文の説明をする前に、どーも比較級って苦手なんだよね、って思う方はこちらの記事をざっと目を通すことをお勧めします!
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mightの主語がないですね。thanは「接続詞」だから、後ろはS+Vと「文」が来ることが基本です。
もちろんないのは「省略」されているから。英語の「省略」は前に出てきていることが条件だから、ここは全体の主語のheということになります。
… more rapidly than he might be expected from one…
この文章はよく見るとbe expectedと「受動態(受け身)」の形を取っていますよね。ということは、この文を能動態に戻すとこーなっていたはずです。
…more rapidly than S might expect him from one…
この時mightの主語の位置にSを置いたのは、「受動態」のby 人に相当する部分がなかったから。
ただ、忘れちゃいけない。受動態の「by 人」の部分を「省略」できるのは「人」がus / them / you、つまり「一般人」のときだ。
つまりこの主語は「誰でもいい世間一般の人」なのだから、あえて訳さなくてもいいと分かります。
受動態について深く学習したい方はこちらに記事へどうぞ
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expectは「期待(予想)する」。つまりここは「一般人が彼=英国人に期待(予想)している」と訳すのはこれで分かります。
何を「期待(予想)する」んでしょうね?
これは後ろにヒントが隠されていた!
more rapidly than 人 might expect him from one who is naturally so slow.
このoneがhim、つまり「英国人」を指していると分かれば、後ろのfrom以下の訳はこうなるはずですよね。
訳「生来鈍重な国民(=英国人)【から】一般人は英国人に期待(予想)する」
一般人が「期待する」ことって分かった?
「鈍重な英国人」に期待(予想)すること、それは「英国人って鈍いんだろうなぁ~」に決まってるじゃないですか、失礼ですが(笑)
ちなみに私は英国人に全く恨みはありませんのであしからず。
つまりここの訳は
訳「生来鈍重な国民に予想される以上に素早く…」 ⇒「生来鈍重な国民にしてはとても予測できないような早さで」
となるのだった!ふぅ~厳しい解釈でした…出来ましたか?
今回の訳はこちらになります。
全体訳「英国人の力の大きな要素となっている特質の1つは、自分の間違いをひとたび納得したならば、すすんでその間違いによって学ぼうとする気持ちをいつも持っていることである。しかも英国人は、生来鈍重な国民にしてはとても予想できないような早さで学ぶことがあるのだ」
まとめ
さて、今回はいかがだったでしょうか。今回のポイントは一点のみです。「比較」の文は慎重に!。
丁寧に処理していけば読めない文などない!と考えてくださいね(無理やり)。
ではまた。
比較級の学習方法が分からない!そんな方は以下の記事を確認してみてください
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