● こんにちは、まこちょです。
今回のテーマは、英語学習をしている皆さんならば一度くらいは「?」と思ったことがある箇所なのではないでしょうか。
そう、それが「AもBもない」の英語表現です。いや~これ、知らなかったら1回は誰でも間違えるでしょ?
もちろん、生徒の質問もシャレにならないくらい多く、大体がこういった内容に集約されます。
「先生、『AもBもない』の表現はnot A and Bではなくnot A or Bになるのはなぜでしょうか?」
というもの。
いやぁ~、そりゃそうだよね~普通はnot A and Bだよなぁ~って本気で思います。こんなの普通だったら分かるわけないんですよ。この点に気づいてくれた生徒に感謝でいっぱいですね。
A and Bは「AとB(両方)」という意味なのに、not A and Bは「AもBも~ない」という意味ならない…、「AもBも~ない」の表現はnot A【or】Bとなるのです。
分かるかんなもん!!!!
当然です。誰が見てもnot A and Bですもの。なぜこれが「AもBも~ない」にならないんでしょうか?
そういうわけで今回は「AもBも~ない」の表現を徹底攻略。
単なる暗記ではなくしっかりと理解すればもう二度と忘れることはないでしょう。ぜひ会得してください、この表現で今まで数々の受験生が闇に葬られていきました(ちょっと大げさ)
ぜひこの屍の山に終止符を…(かなり大げさ)
A and B の前には何かが省略されている???
まずはA and Bに関する英文を見てもらいましょう。
例① I like meat and fish.
「私は肉も魚も好きです」
うん、問題ないですよね。おそらく大抵の人はこのように表現するのではないでしょうか。ではこれを「私は肉も魚も好きじゃありません」と表現してみましょう。普通はこうやるよね。
例② I don’t like meat and fish.
ところがこれはアウト。これでは「私は肉も魚も好きじゃありません」の意味になってくれません。
じゃあどうやって表現するんだ!といきり立つ前に知らなければいけないことがあります。それはこの例文②はどういう意味になるのかということ。
これを知れば「AもBも~ない」の表現に、not A and Bを使ってはいけないということがリ理詰めで理解できるんです!
あわててはいけません。手順を追いましょう。必ずあなたの英語力に貢献しますよ。
まさかA and Bの前には「あれ」が省略されていようとは….!!!!
not A and Bは「部分否定」
いきなり確信にいきます。このA and Bの表現、実は正確に書くとこういったニュアンスがあるんです。それはboth。つまり
both A and B
「AとBの両方」
といったニュアンスがあるんです。
ところでこの表現にnotをつけると当然こうなりますよね。
not both A and B
思わずあ!と思った人もいるんじゃないでしょうか。
そう、bothはnotと一緒に使うと部分否定という表現になるんです。次の例を見てください。
例 I do not like both dogs and cats.
「私は、犬と猫の両方とも好きという訳ではない」
この例でも分かる通り、not both A and BはAとBの両方を否定しません。「AとBの両方とも~というわけではない」という意味です。「犬と猫の両方とも好きという訳ではない」ということはつまり「犬は好きだが猫は嫌い」という意味なのだ(もしくは逆もしかり)。AとBを両方否定できないのです。
A or B はつまり either A or B
ではA or Bはどうなのでしょう?これも実はある言葉が前に隠れているんです。それはeither。
either A or B
「AかBかどちらか」
例
I am good at either swimming or dancing.
「私は泳ぎか踊りかのどちらかがうまい」
この表現にnotをつけると
not either A or B
「AもBもどちらも~ない」
そう、either A or Bはnotをつけると全否定。つまりAとBどちらも否定するのだった!
例
I am not good at either swimming or dancing.
「私は泳ぎも踊りもうまくない(両方だめ)」
先ほどの例②で「私は肉も魚も好きじゃありません」と表現するには
I don’t like meat or fish.
となるのがお分かりいただけたでしょうか?
大学入試問題に挑戦!
ここでこのnot A or Bの構文がいったいどのように入試問題で問われるのか見てみましょう。以下の問題は和訳問題ですが、余りにもさり気なく出てくるため、意外とこのnot A or Bの存在に気づかないことが多いんです。
【問】次の文を和訳しなさい
Man’s greatest invention was not in the use of mechanics, or steam, or electricity, or in taming the forces of the atom. (東北大学)
さてどうでしょう、上手く訳せるかな?
【解説】
● Man’s greatest invention was not… ⇒ 文型的には全く問題のない文かと。wasを中心に文を作っていますね。問題はwas not以下です。inventionは「発明」。
訳「人類の偉大な発明は…」
…was not in the use of mechanics, or steam, or electricity, or in taming the forces of the atom.
等位接続詞のorが並んでいますね。一見読みにくいように見えますが、解釈方法は「等位接続詞」の処理方法と変わりません。
in the use of mechanics, or steam, or electricity,
最初と2番目のorはmechanics「機械技術」、steam「蒸気」、electricity「電気」を繋げています。A、B、Cを等位接続詞でつなげるパターンは、
A, and B, and C
と表現する場合と
A, B, and C
と表現する場合の2パターンがあることに注意しましょう。今回は前半のパターンですが、現代英語は後半のパターンで表現することが圧倒的です。
そして次のor以下は
in the use of mechanics,… or in taming the forces of the atom.
とin the useとin tamingが同じ「前置詞+名詞(動名詞)」でつながっていることが分かりますね。まとめると
Man’s greatest invention was not
in the use of mechanics, or steam, or electricity,
or
in taming the forces of the atom.
と読めた方、バッチリです!tame「~を手なずける」、atom「原子」
訳「人間の最大の発明は、機械技術や蒸気や電気を使用することと原子の力を使いこなすこと…」
等位接続詞について詳しく知りたい!方はこちらの記事がおすすめ
www.makocho0828.net
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notの否定する範囲はどこまで?
このnotの否定する範囲がポイント。not A or Bのnotが否定するのはAだけではありません。AとB両方を否定するんですね。したがって訳は「AもBも~ない」です。
例 Of course, he’s rich, but, you know, I don’t like his face or character.
「カレ、金持ちなんだけど、顔もキャラも、なんか好きになれないのよね」
訳「人間の最大の発明は、機械技術や蒸気や電気を使用することにあるのでもなければ、原子の力を使いこなすことにあるのでもない」
あまりにもnot A or Bがさりげなく出てくるので思わず読み間違えてしまう英文でしたね!
まとめ
さて今回はいかがだったでしょうか?今回の「AとBの両方~ない」はnot A or Bになる理由が分かっていただけたかと思います。
この部分は和訳はもちろん、英作文でも非常に間違えやすいポイントですので、ぜひ会得してくださいね!
ではまた
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