● いつもありがとうございます、まこちょです。
英文法の指導をしていると、「関係代名詞(副詞)」の単元を学習することになりますが、この単元でひときわある言葉が聞かれるようになります。
それが「完全な文」と「不完全な文」という言葉。もしかしたらこの関係詞の単元で初めて聞く方もいるかもしれませんね。
したがって突然出てくるこの言葉、いったい何を表しているの?と疑問にもつ人も多いんです。そりゃそうですよね。初めて聞くんだから。
この「完全な文」と「不完全な文」をしっかり理解しないと、特に関係詞の問題は苦戦すること必至です。そこで今回はこの「完全な文」と「不完全な文」について焦点を絞り、これが分かるといったいどのくらい文法問題で有利に立てるかを検証したいと思います。
ぜひお役に立てていただければ幸いです。
英文は通常「完全な文」
まず、「完全な文」「不完全な文」とは何なのかを簡単にまとめてみますね。
⇒ 文型がそろっている
②「不完全な文」
⇒ 文型がそろっていない
簡単な例文で見てみましょう。
例①
I have a pen.
中学一年生で(最近はもっと早いかな?)学習する英文ですね。この文章は「完全な文」です。まず非常に重要な点をいいますが、私たちがこれまで学習してきた俗にいう英語の「例文」はすべて「完全な文」です。
「完全な文」というのはその文に必要な要素がすべてそろっている文のことを指します。というといきなり生徒から質問が飛んでくるんです。
「必要な要素ってなんですか?」
「必要な要素ってなにで決まるんですか?」
ここに重要なポイントがあるんです。英文の必要な要素とは【各英文によって異なります】では何がその英文の必要な要素を決めているのかはその英文の【動詞】で決まります。
チェックポイント① ⇒ 英文の必要な要素は「動詞」で決まる
例①の英文の動詞はhave。他動詞です。この動詞が必要な要素は
主語(S) ← have → 目的語(O)
で、この主語(S)と目的語(O)がそろっていないと「完全な文」ではありません。今回は
I(S) have a pen(O).
とそろっているので「完全な文」ということになります。ではこれは?
例②
I love.
loveは他動詞。したがってこの動詞は
主語(S) ← love → 目的語(O)
がそろってはじめて「完全な文」になることができるんです。したがってこの文はloveの後ろに「目的語(O)」がないので「不完全な文」となります。
例③
I live.
liveは自動詞。したがって後ろに目的語(O)は必要ありません。つまり必要な要素は、
主語(S) ← live
で今回は要素が全部そろっていますよね。したがって「完全な文」。ではこれは?
例④
I live in.
この文はliveの必要な要素はすべてそろっているのですが、inは前置詞。前置詞は後ろに名詞(目的語)があって初めて一人前なんです。したがって
I live in → 名詞
でinの必要な要素である名詞ないことになります。つまり「不完全な文」。
ここまでで分かることは、英文が「完全な文」なのか「不完全な文」かは、動詞の使い方をしっかり理解しないと分からないということになります。このくらい英語の動詞は重要なんですね。
この( )には関係代名詞?関係副詞?のどちらが入るか
この「完全な文」「不完全な文」のチェックを利用して、( )の中に関係代名詞か、それとも関係副詞が入るのか練習することが可能です。
関係代名詞は後ろの文の名詞がかわったものですので、後ろの文は必ず「不完全な文」になるんです。それに対して関係副詞は後ろの文の副詞が変化したもの。副詞は文の要素に入りません。したがって後ろの文はどこも抜けていない「完全な文」になるという寸法です。
● 関係代名詞
⇒ 後ろの文は「不完全な文」
● 関係副詞
⇒ 後ろの文は「完全な文」
今回はあくまでも「完全な文」と「不完全な文」を判断して( )の中に関係代名詞が入るのか、関係副詞が入るのか判断する練習ですから、具体的な関係詞の種類は問いません。それ以前の「考え方」の部分に焦点を当てて解説しています。
関係代名詞・関係副詞について深く学習したい方はこちらの記事へどうぞ
www.makocho0828.net
関係代名詞・副詞の練習問題
【問】次の( )に入るのは関係代名詞か、それとも関係副詞か答えなさい
(1) … the place ( ) I visited yesterday.
(2) … the place ( ) I arrived yesterday.
(3) … the reason ( ) I lived three years ago.
(4) The chair ( ) I am sitting is made of pinewood.
(5) China is a country ( ) I’ve wanted to visit for a long time.
まずは単純に( )の中に関係代名詞か関係副詞のどちらが入るのかが分かることが重要です。ぜひトライしてみてください。
【解説】
(1) … the place ( ) I visited yesterday.
visitは他動詞ですので後ろに名詞が【必ず】必要です。yesterdayは「副詞」ですので名詞が後ろにありません。したがって
(1) … the place ( ) I visited → Oがない yesterday.
この文は「不完全な文」ということですから、( )の中には「関係代名詞」が入ることになります。
(2) … the place ( ) I arrived yesterday.
(1)と違うところはvisitがarriveに変わっただけです。ですがこれだけで状況が変わるんですよ。
arriveは自動詞ですので後ろに名詞が必要ありません。つまりこの文は「完全な文」であることが分かるのが重要です。
したがって( )は関係副詞ということになります。
(3) … the reason ( ) I lived three years ago.
みなさんの中には、the reasonを見ただけで( )の中を関係副詞のwhyを入れる人がいらっしゃいますが危険と言わざるをえません。
実際にはthe reasonが先行詞だとしても( )の中に何が入るのかはあくまでも後ろの文の形で来まるのです。
今回はlivedが「自動詞」なので後ろに名詞は必要ありません。three years agoは「副詞」です。したがってこの文は「完全な文」。( )には関係副詞が入ります。
関係詞節の範囲はどこまでか
(4) The chair ( ) I am sitting is made of pinewood.
よく生徒から「「関係使節」はどこまでですか?」という質問がありますが、その時は次のルールを覚えておくと良いでしょう。
したがって今回の文は
(4) The chair ( ) I am sitting is made of pinewood.
( )の後ろはam とisの2つの動詞。関係詞節は2つ目の動詞の前までなので、
(4) The chair [( ) I am sitting ]is made of pinewood.
の部分が関係詞節ということになります。
sitは自動詞。したがって後ろに名詞は必要ありません。したがってこの文は「完全な文」、( )は関係副詞が入ります。
(5) China is a country ( ) I’ve wanted to visit for a long time.
(1)と同じvisitを使っています。したがって後ろに名詞が必要なはずですがありません。
(5) China is a country ( ) I’ve wanted to visit → Oなし for a long time.
したがってこの文は「不完全な文」。( )には関係代名詞が入ります。
「完全・不完全な文」の攻略記事は以下もおススメ!合わせて読んでおこう!
▶前置詞+関係代名詞は、なぜ後ろの文が「完全な文」になるのか?
▶関係代名詞の後ろの文は「不完全な文」が来る!英文解釈に生かそう!
まとめ
さて今回はいかがだったでしょうか。このように動詞を使いこなすことは非常に重要で、英作文等で間違わないようにしっかり会得することが重要です。
ぜひ根気よく動詞をマスターしていきましょう!
ではまた
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