● こんにちは、まこちょです。
最近、生徒からの質問は「不定詞」一色です。おそらく各高校の英文法の授業が、準動詞の「不定詞」に指しかかっているからだと思われるのですが、特にこの「不定詞」という単元は「to+動詞の原形」と形は同じながら「名詞用法」「副詞用法」「形容詞用法」と3種類の用法があり、ただでさえ混乱する要素がてんこ盛りだからだと思います。
そして特に多い質問が「形容詞用法」なんですよね。
この不定詞の「形容詞用法」、簡単に言ってしまうと、【to不定詞のかたまりが後ろから名詞にかかる】という、ルール的には非常に簡単です。以前、このブログでも不定詞の形容詞用法はテーマとして取り上げさせてもらったことがありますので良かったらごらんになってみてください。
参考までにこちらが不定詞の形容詞用法の記事になります
例
I want something to eat.
「食べ物がほしい」
この文のto eatは不定詞で前の名詞を修飾する形容詞用法になっています。
… something ⇐ [to eat]
この時の不定詞の意味は「~すべき・~するための」と訳出するのが基本ですが、今一つ意味がしっくりこない場合は「訳さない」のも選択の1つになります。
「食べるためのもの ⇒ 食べるもの ⇒ 食べ物」というわけですね。
この点を基本として、この不定詞の形容詞用法、実は様々なトラップ問題が作られるようになりました。以下でご紹介したいと思います。
「名詞 + to 不定詞」の「名詞」は元々どこにあったか
この形容詞用法の理解ポイントの一つに「かかる名詞は元々【どこに】あったものなのか?」というものがあります。
この点がまず英語学習者を悩ますポイントらしいですね。かかる名詞は元々は不定詞の後ろにあり、動詞の「主語(主格)」か「目的語(目的格)」だったのです。
例
He was the man to help her.
「彼は彼女を助ける人であった」
この文はthe manとhelpにS → Vの関係があります。つまり「主格関係」
The man helps her
この主格関係の不定詞のよく見られる特徴は、被修飾語に the first, the last, 最上級, no などの強い限定語がつくことが多いことです。
例
There was no man to help me.
それに対して目的格は
例
Please give me something to drink.
「飲み物をください」
このsomethingはdrinkの目的語、すなわちO ← Vの関係があるんです。つまり元は drink somethingということになりますね。
この場合、動詞が「自動詞」ですと、名詞をもとの位置に戻したときに「動詞+名詞」の形にできませんから、動詞の後ろに「前置詞」をつけなければならない、というのは入試問題の頻出ポイントになっています。
例
There is a place to live in.
「住む場所がある」
このinがないと、live a placeの形が成立してしまいますが、liveは「自動詞」ですからlive in a placeとinが必要になるんですね。
他動詞・自動詞についての参考記事こちらです
www.makocho0828.net
この「主格」「目的格」の関係の他に名詞とto不定詞が「同格」の関係になるものがありますが、今回のテーマからは外れますので今回は触れないで行きます。
不定詞の「形容詞用法」トラップ問題はこれだ
先日生徒が私のところに持ってきた質問事項をご紹介します。
「先生、次の選択肢のうち、③だけが英文的に間違っている文らしいのですが、その理由が分かりません」
というものでした。そして問題はこちら
① There are a lot of things to be done today.
② There are a lot of things to do today.
③ We have a lot of things to be done today.
④ We have a lot of things to do today.
どうですか?この文は③が間違っていて他は全部正解なのですが、その理由がわかるでしょうか。これが今回のトラップ問題。
①と②はThere~の文なのですが、There~の主語は動詞の後ろ、つまりThere V Sの形になっているのでした。
え?そうなの?と思ってしまった方はこちらの記事へどうぞ
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つまり①②はそれぞれ
There are a lot of things …
とa lot of things が主語ということになります。その主語にto不定詞が掛かっているので、不定詞の「形容詞用法」ということになりますが、みなさんは不定詞の「意味上の主語」のルールをしっかりと理解していますでしょうか。
そう、不定詞の意味上の主語はto不定詞の前にfor A、もしfor Aの箇所がない場合は全体の主語と同じになるというルールです。
もし不定詞の意味上の主語が曖昧な方はこちらに記事にどうぞ!
www.makocho0828.net
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① There are a lot of things to be done today.
② There are a lot of things to do today.
つまりこの2つの文は修飾されるa lot of thingsが意味上、不定詞の主語にも目的語にもなれるので、受動態と能動態の形どちらでも大丈夫なんですね。
ところが③と④の文を見てください。今度はThere~の文ではなくてWe haveで始まる文ですよね。
③ We have a lot of things to be done today.
④ We have a lot of things to do today.
そうなると①②と何が変わるのか?実はto do / to doneの「意味上の主語」が今度はa lot of thingsではありません。Weなのです。
つまり④の文はa lot of thingsをdoの「目的語」と取り
we do a lot of things
と関係が成立しますが、③の方は
we are done a lot of things
「わたしたちは多くのことをされなければならない」?
となってしまい、文法的にも意味的にも不適切であることがわかるのです。
受動態の基本をしっかりやりたい人はこちらの記事へどうぞ
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まとめ
さて、今回はいかがだったでしょうか。この不定詞の形容詞用法、前の名詞にかかるという点では簡単なのですが、なかなか奥が深いことに注意してくださいね!
ではまた。
不定詞の効率的な学習方法が知りたい方は以下の記事がおススメ。
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