● みなさんこんにちは、まこちょです。
大学受験業界で英語が超重要科目と言われるようになってはや数十年。
とにかく猫も杓子も「英語、えいご、エイゴ」と受験生は追い立てられる毎日ですよね。
また世間の英語に関する関心も衰え知らず、町にはこれでもかと英語学習関係の書籍であふれかえっています。
また東京オリンピックがやってくることが拍車をかけ、世間では英語の「え」も知らないかもしれないお父さん・お母さん(失礼ですが)まで自分の息子・娘に過剰なほど英語学習を促す始末。
これは、将来を担う若者にとってなかなか生きづらい世の中じゃないかなぁと思います。
そういった背景があるのでしょうか、英語を学習する生徒たちの質問には悲壮感が漂っているのもしばしば。
たとえばこんな質問などは典型的な受験生にありがちな質問だったりします。
「英語の成績が上がらないのですが、どうしたらよいでしょうか?」
いや、一所懸命毎日取り組んでいるんですよ?毎日英語と格闘してる。
でも英語学習をやったことある方はご存知かと思うのですが、英語学習には【即効性】がないんですね。これは現場で日夜生徒指導をしている私から見てもはっきりしていることなんです。とにかくモノにするのには時間がかかる。
でもね、普段は我慢強い受験生でも、前述のように【周り】から急かされちゃっているわけでしょう?そりゃね、必要以上にあおられると受験生は焦りますよ。
時間も限られているしね。
そうするとね、受験生だって馬鹿じゃないわけです。なるべく効率よく、勉強で無駄な箇所は「極力」省くように頭をフル回転させるんですね。
次のような質問が英語学習において「論争」にまで発展しているのもまぁ納得と言えば納得ですよ。
「長文学習は【精読】かそれとも【多読】、どちらをやればよいですか?」
実はこの質問、信じられないかもしれませんが受験指導身を置いている私がほぼ「毎日」に近いレベルで受ける質問なんです。
この点で頭を悩ます受験生がいかに多いかということですよね。
そこで今回は英文の「精読」と「多読」のメリット・デメリットを検証して、効果的に英語学習ができるように記事を書いてみました。
ぜひ参考にしていただき、これからの英語学習に役立っていただければ幸いです!
なぜ「精読」「多読」論争が起こるのか?
まず英語の長文において「精読」「多読」とはどういったものか、ちょっとまとめてみましょう。
● 精読
⇒ 英語を勘や推測に頼らずに正確に理解する為の練習方法。英文法のルールに従い文章を読む
● 多読
⇒ 多読は簡単な英語を大量に読む練習。完全理解ではなく、6割近くの理解を目標に速く、テンポ良く、大量に読む
と一般的には定義されています。
つまり長文を読むときの「スタイル」が全くちがうんですね。
したがって、この「精読」「多読」はその目的が全く違うのですが、英語を学習されている方、特に受験生は時間的な問題などを理由に「精読」を軽視して「多読」を重視する傾向が強いようです。
ですが本当にそれでよいのでしょうか?
ここからはもっと細かく見ていきたいと思います。
「精読」のメリット・デメリット
精読はもちろん文法の成り立ちから英文を構造からしっかりとらえることを目的にしています。
ですからこの「精読」の練習は比較的「短めの」英文を利用することが多く、また構造上複雑に入り組んでいる英文を学習教材に使うことが多いんですね。
ちなみに私が当ブログで紹介しているカテゴリ「英文解釈」はまさにこの「精読」をテーマにしたカテゴリになっています。やはり短い(1文から3文程度)英文を使っている場合が多いです。
この「精読」の学習を取り組むことによって得られるメリットは
② 和訳問題(穴埋め・整序・英作文問題)等の問題解答に強くなる
といった効果が得られます。意味から【なんとなく】言っていることがわかるという曖昧さがなくなると同時に、構造から判断しようとするため、整序問題といった英作文系の問題にめっぽう強くなるという特徴があります。
そしてこの点こそが「多読派」が忌み嫌う箇所でもあるわけですね。よく「精読」の学習に否定的な生徒が上げる理由がこの「精読」の問題点になります。
精読のデメリットは
とくにセンター試験・TOEIC等の資格試験を受験する方が言うのがこの点なのです。つまり「英文の分量が多すぎて、細部までこだわって「精読」すると時間内に英文を読み終わらない」、「与えられた英文の主要な情報がつかめればよい」といった意見が大部分です。
それに対して「多読」はどうでしょうか。
「多読」のメリット・デメリット
② 返り読み等をしなくなる
③ 英文を読む速度が上がる
多読というのは、ちょっとわからない単語の意味などを周りから「類推」して辞書を使わないで読み進め、またとにかく前から読んでいきますので、分量が多くなるのが特徴です。
また、「頭の中で日本語に変換しない」でどんどん読んでいきますのでこの辺は「精読」とちょっと違うアプローチですね。この多読用の教材はたくさんあり、レベルに応じて学習できるため、通常は今の実力より「若干簡単かな?」程度の英文をリズムよく読んでいくことが重要です。
つまり英文を【ダイレクト】に英語のまま理解して進めますので、面白いんですよね。興味のままに読みまくれるしね。
いかにも「英語学習」って言う感じですので「多読派」が多いのも納得です。
この「多読」のデメリットは何でしょうか
② 和訳問題(穴埋め・整序・英作文問題)等の問題解答に弱くなる
そう、この「多読」の弱点はまさにこれで、大量に英文を読み、ちょっとわからない箇所などなんのその、というスタイルで英文を消化していきます。
そうすると「受験」という枠組みのなかで捉えてみると、センター試験の長文パートのように大量の英文を読ませる問題にはめっぽう強いのですが、細部のポイントをついてくるような国公立2次試験のような問題には非常に弱くなる傾向があるんです。
ちなみにこの点は「【英文解釈編】大学受験、英語の勉強法とおすすめ参考書・問題集を全部書いてみた!③【高校生必須】」でも言及しています。
www.makocho0828.net
引用箇所はここですね
例えば「長文読解」一つにとっても受験生ならば「センター試験」「私立入試」「国公立2次試験」とそれぞれ英語が出題されます。
これは声を大にしてはっきり言いますが、最近の受験生は「センター試験」のように必要な情報を得るということに特化している試験にはめっぽう強い傾向がありますが(それでもセンター問2、3の文法パートは弱いですが)私立・国公立2次の「和訳問題」「整序問題」「正誤問題」「空欄補充問題」等は、まるで本当に同じ受験生が解いているのか?と思えるくらい、センター試験と比べて点数の格差が激しいのです。
TOEICで言うならPART6の問題形式が苦手かな。
したがって目的をしっかり見据えたうえで「多読」「精読」を使い分けることが重要ということが分かります。
どう英語長文を学習したらよいか
つまり、現行の大学入試シーンでは、「精読」「多読」はどちらも欠けてはいけない。どちらか一方ですとパフォーマンスを最大限に発揮できないと言えるかと思います。
ではどのように長文学習を取り組めばよいのか?これが現状でベストかと思われます。
② 精読した文章の「音読」を行う時間を作る
基本的に英語長文は「毎日」行わなければいけません。その時、3日のうち2日は「多読」を行いましょう。やはり「やって楽しい」という点、つまり「継続」できるというのは魅力です。
そして3日のうち1日は「精読」の訓練日に当てましょう。やはり一方がかけてはいけません。
そしてこれが重要なのですが、「精読」で隅から隅まで理解した英文を「多読」風に「音読」する時間を作りましょう。「多読」の日に精読で使った英文を音読してもよい。これがめちゃくちゃ学習効果が高いんです。
なんせ完全に理解した英文を読むのですから、構造上のリズムも「音読」で完全に分かりますし、「勝手読み」などするわけがないんですね。私は学生時代のときこの方法で英語長文が開眼しましたからね。
ぜひやってみてください。おススメですよ!
けっしてどちらかに偏った長文学習になってはいけません。
まとめ
さて今回はいかがだったでしょうか。このように「コラム」的に定期的に呟いていこうと考えています。英語の「え」も出てきませんのでご了承ください。
ではまた
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