● みなさんこんにちは、まこちょです。
英語にはときどき「不可思議だな?」と思うことがあります。
今回取り上げるテーマも、英語を学習したことがある方は一度くらい「?」と感じたことがあるかと思うんです。
それは「~ではないと思う」の否定表現。
例えば「私は彼が先生ではないと思う」という文を英文にしろと言われたら皆さんはどう表現するでしょうか。
おそらくこう書くと思うんですよね。
例① I think that he is not a teacher.
ところが実際にはこう書くのがより自然だとされています。
例② I don’t think that he is a teacher.
日本文からして例①のほうが自然に思うんですが、この現象はいったいどうして起こるんでしょう?
そういうわけで、本日のテーマは「転移否定」について。
なぜnotが移動してしまうのかを理由を踏まえて徹底検証してみましょう。
転移否定が起きる理由
このようになぜnotの位置が変わってしまうのかですが、理由は以下になります。
【理由①】
● not(否定語)はなるべく前に出した方が良い
これは非常に多く言われることなのですが、英語は最初の3語以内でその文が「肯定」しているのか「否定」しているのか判断できる方が好まれるというものです。
英語は世界共通語ですので、ビジネス等によく使われる言語ですよね。
したがって最後まで話を聞かないとYesなのかNoなのか分からない日本語と違って、まずは自分の「立場」を3語以内で納めるためには、notの位置はなるべく前にあった方がいいという理由です。
もう一つの理由が重要です。
【理由②】
● 否定する内容をnotと「離す」ことで【否定の内容を和らげる】効果がある
⇒ 否定する内容に主語(S)が自信ない場合に起こりやすい
例えば
“Do you think he’ll pass the examination?”
「彼は試験に合格すると思う?」
という問に対して
① “I don’t think so.”
と答えた場合、soの内容(ここではhe’ll pass the examination)とnotを【離す】ことによって「彼は試験に受からないと思う【自信はないけど】」というニュアンスを出すことができるのです。
ところがこれを
② “I think not.”
と答えると
I think he will not pass the examination.
と質問の内容をストレートに否定することになり、「彼は試験に受からないね【断言(キリッ)】」というニュアンスを与えることになるのです。
これはthink / believe / suppose / imagine などの動詞がプラスやマイナスの色がなくて【無色】に近いので、どっちの表現も可能になっているんです。
ところがこれがthinkではなくhopeやafraidとかの単語になると事情が変わってくるんです。
I don’t hope soやI’m not afraid soといえないわけ
さきほどのthinkはそれ自体は意味が弱い【無色】のような存在。
したがってnotの位置によってそのニュアンスを変えることができたのでした。
ところがこれがhope、afraidになると
● hope ⇒ 「願望」(そうであったらなぁ!)というプラスの色、
● afraid ⇒ 「残念」(なんということだ)というマイナスの色。
がそれぞれ付いてしまっていますので、
I don’t hope so
などとやってしまったらnotがhopeの「願望」のニュアンスまで消してしまうことになるのです。
notは内容を「否定する」ためにありますので「願望」まで打ち消す必要はないですよね。
そういうわけで、hope / afraidを使ったら、
I hope not.
I’m afraid not.
の「一択」表現になるのです。
hopeやwishの表現の仕方について学習したい方はこちらの記事へどうぞ
www.makocho0828.net
ちょっと入試問題をやってみましょうか。
転移否定の練習問題
【問】( )に適当な語句を入れなさい
“Frank drives much too fast. Some day he’ll have a terrible accident.”
“Oh, ( ).”
① I don’t hope so
② I hope not
③ I’m not afraid so
④ I’m afraid not
【解説】
訳は「フランクはスピードを出しすぎる。いつか大事故を起こすよ」
これに対して「そうならないことを願うね」と言いたい場合、「願望」のニュアンスを消してはいけませんので①はダメと判断できるんです。
答えは②。ちなみに④は「そうならないのは残念だ」となってしまい恐ろしい意味合いになりますので注意しましょう。
thinkの語法は要注意!以下の記事を読んで見てください。
www.makocho0828.net
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まとめ
さて、今回はいかがだったでしょうか。「転移否定」…うーんこういう用法をみると、英語は日本語よりも「記号的」なイメージを持っていましたが、案外「感情程度」に配慮した部分もあったりしてちょっと「人間」が使う言語なんだなと、再確認してしまいますね。
ではまた
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