● こんにちは、まこちょです。
みなさんは英語で「~しなければならない」と聞くとどんな表現を思いつきますか?
この表現、みなさんの心の中にとても色濃く残っているんですよね、大概はmust、have toという表現を思い出してくれます。
そういわゆる助動詞。canは「~できる」、mayは「~かもしれない」などと一緒に学習した記憶がある方も多いのではないでしょうか?
特にこのmustは同表現としてhave toと一緒に覚えさせられるので頭に残りやすいようです。
ただですね、
この「~しなければならない」の表現をmust=have toと覚えてしまうのはいささか乱暴です。
え?そういう風に学校で教わったけど?と思ってしまった人もいるのではないでしょうか。
そう、このmustとhave toは正確には「=」ではありません。違いがあるんです。
そこで本日はこの違いを徹底解説!
ぜひ「違いの分かるmust・have toマスター??」になってくださいね!
1人称(I/we)のmust・have to
まずはいきなり例文を見てみましょう。
例① I must go.
例② I have to go.
すごく簡単な例を2つ取り上げていますが、この2つの文ですらニュアンスが異なるんです。
両方とも「私は行かなければならない」ですが、一人称と一緒に使うmust・haveはこんな違いがあるんです。
● I(We) must
⇒ I(We)が「~しなければならない」と思っている
● I(We) have to
⇒ I(We)はそれほど「~しなければならない」と思っていないのだが周りが言うから【仕方なく】「~しなければならない」と思っている
特にhave toの方に注目してください。
例①は間違いなく「私(私たち)」が行かなきゃ、と思っているんです。
ところが例②の方は「私(私たち)」が行かなきゃ、とは思っておらず、周りが「行け」って言うから【仕方なしに】行かなければ、と思っているんです。
したがって一人称のhave toは「仕方なしに~しなければならない・~せざるを得ない」と覚えておくと良いでしょう。
② have to ⇒「客観的」
※ have toはhave got toと表現する時があります。ただしこの表現は未来時制や助動詞の後では使わず、過去形でもめったに使われません。
◎ will have to
× will have got to
例
You’ve got to be more patient.
「もっと我慢強くないといけないよ」
2・3人称のmust(have to)
今度は主語が2、3人称の場合。これもニュアンスが変わりますが、基本的な考え方は1人称のときと変わりません。
例③ He must study English.
例④ He has to study English.
例③は「【誰が】英語を勉強しなければならない」と思っているのでしょうか。
これ、実は「He」ではないんです。
「彼は勉強しなければならない」と思っているのは、このことを話している人、つまり「話者」です。ここではこの文を書いているのは「私(まこちょ)」ですから私が「話者」ということになります。
例④はどうでしょう。この文は「【誰】が勉強しなければならない」と思っているかというと、もちろん「He」ではありません。
まず「私まこちょ(話者)」とその周りにいる人たち(周囲の状況)なんです。
まとめると
● 2、3人称 must
⇒ この内容を話している人(話者)が「~しなければならない」と思っている。
● 2、3人称 have to
⇒ 話者+周りの状況
禁止
この義務・命令のmustを否定文で使うと、must not = mustn’t になりますが、これで「禁止」を表すことができます。「禁止」ですから非常に強いニュアンスで「~してはいけない」と言う意味になり、たとえあなたが「これをやりたい」と言ってもダメ!ですので、ビジネスではめったに使いません。
例
You must not eat or drink in class.
「教室では飲食禁止です」
mustn’t とdon’t(doesn’t have to)の違い
mustn’tが相当強い表現ですので、この表現は各シーンで敬遠されがちです。ところがdon’t have toは「~する必要はない(~しなくていい)」という表現で「不必要」を表す表現になります。mustn’tよりも全然トーンが下がり「【してもいいけど】無理に~する必要はない」と言うニュアンスになります。やるかやらないかを本人にゆだねるといった余裕(?)がありますね。
例
She doesn’t have to take the test.
「彼女はそのテストを受ける必要はありません」
★ 「~に違いない」(強い確信)
mustもさまざまな意味がありますが特に重要表現がこちらの「~であるに違いない」の表現。話し手の「確信」を表す表現ですね。mustの後ろは動詞の原形が来ますが、beなどが来た場合はほぼこの確信の意味になることを覚えておきましょう。
例
She must be a teacher.
「彼女は先生であるに違いない」
※注意
この「~であるに違いない」のmustですが、have to (have got to)も同様の意味で使うことが可能。この点はよく質問に上がるところですので、しっかり押さえておきましょう。以前は《米》のみで見られましたが、最近は《英》でも使われるようになっています。
例
You‘ve got to be kidding.
「冗談でしょう」
例
He has to be stuck in traffic.
「彼は交通渋滞で立ち往生しているに違いない」
遺憾な気持ち
mustやhave toは「腹立たしい・遺憾・非難」の気持ちを表すことができます。「~するとは」といった信じらんない、といった気持ちを表せるんですね。
例
My roommate has to come and bother me.
「私のルームメートがやってきて邪魔をするとは」
ここまでのmustとhave toの違いについては以下の動画でも確認することができます。ネイティブ講師がオール英語で、この2つの助動詞の違いについて説明してくれるのですが、簡潔で分かりやすい!
1分弱で動画は終わりますのでぜひ確認してみてください。
↓↓↓
迂言(うげん)法助動詞とは
ここで気づいた方がいらっしゃると思いますが、実は「助動詞」は1語の時よりも2語以上の時の方が「客観的」になるという特徴があるんです。
これを「迂言(うげん)法助動詞」と言ったりしますが、この名称は無理に覚えなくても良いです。
例を挙げると should = ought to / would = used to / must = have to / can = be able toなどが主ですね。
つまりhave toに【周りの状況】がプラスされているのは、この「客観性」が加わっただけなのです。
その他のmust注意事項
mustに関するその他の注意事項として、must / should / ought to / need not / had better などの助動詞が従属節に使われている場合、「時制の一致」を受けることがありません。なぜならがこれらの語句はそもそも「過去形」の概念が存在しないからなのです。細かいですが、こういったことも覚えておくと英作文のときに非常に便利です。
例
I thought I must write to him at once.
「私はすぐ彼に手紙を書かなければならないと思った」
例
He said that you ought to〔had better, need not〕go.
「君が行くべきだ〔行ったほうがよい、行く必要はない〕と彼は言っていた」
can’t help ~ingは「ついうっかり~してしまう」の意味
have toには「客観性」が加わって、「~せざるをえない」という意味になるのは分かっていただけたと思います。
ところで皆さんは「~せざるを得ない」といったらあの熟語を思い出しませんか?
そう、cannot help ~ingです。
ところがこの熟語は実は正確に言うと「~せざるをえない」ではなくて「思わず~してしまう」、「ついうっかり~してしまう」というニュアンスで使うんです。
例えば「宿題をせざるをえなかった」をcan’t help ~ingを使って
例 I couldn’t help doing my homework.
と表現してはいけません。この文の意味は「私はついうっかり宿題をしてしまった」となりかなりおかしい文意になることに注意しましょう。
こんな状況で使います。
例 John looked so funny at the funeral that I couldn’t help laughing.
「ジョンが葬儀の席上で変な顔をしたので、思わず笑ってしまった」
まとめ
さて今回はいかがだったでしょうか。私も今回の記事を書いていて、そういえばmust = have toって中学で教わったなぁとぼんやり考えてしまいました。
きっとこういった微妙なニュアンスの違いは他にもあるのでしょうね。
ではまた
助動詞の学習手順について知りたい方は、まず以下の記事を見て助動詞の流れをつかみましょう。
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