● こんにちは、まこちょです。
みなさんは英語で「~すること」と表現する場合、to V(不定詞)やVing(動名詞)などを思いだすかと思います。
そう、この2つには両方とも「名詞用法」といって「~すること」と表現できるんです。
ところがこの2つ、一見意味的には同じなのですが、実は微妙にニュアンスが異なるのです。
この点に関しては次の記事で一回検討しているのですが、このニュアンスの違い、実はもっと広い範囲で影響を及ぼしています。
そういうわけで今回はto VとVingによる表現の違いを徹底検証してみようかなと。
思った以上に多方面に影響があるこの2つの違い、バッチリ押さえてみようじゃありませんか。
参考記事はこちらです
www.makocho0828.net
to V(不定詞)と Ving(動名詞)の基本的な違い
この2つは同じ意味ですがこのようなニュアンスの違いがあります。
● Ving → 「すでにしていること」「繰り返し」= 過去志向
● to V → 「これからすること」「一回限り」= 未来志向
例えばforgetは後ろにto V / Vingと両方取ることができるのですが、もちろんニュアンスが異なります。
例 Don’t forget to take your passport when you go abroad.
「あなたが外国にいくとき、パスポートを持っていくことを忘れないで」
この文でto Vが使われているのは to takeのtakeが「これから持っていく」ので「未来志向」ですから不定詞を使っているわけです。
例 I forgot doing my homework.
「私は宿題をしたことを忘れました」
動名詞が後ろにくると、forgetの時制(この場合過去)より前に起こったことを表します。
このforget to Vとforget Vingの違いを動画でも確認することができます。ネイティブによるオール英語の解説動画をじっくり観てみましょう。時間にして1分弱なのでシャドーイングにもおススメですよ!
↓↓↓
このようなニュアンスを踏まえて少し踏み込んでみましょう。
① SVC(第2文型)のCにto V / Vingを置くとき
次の場合はどうでしょうか
例 My dream is ( to become / becoming ) a teacher.
「私の夢は先生になることだ」
意味的にはどちらの表現もいけちゃうのがミソですね。ところがこの文の主語は「私の夢」。つまり「将来(未来)」のことですよね。
この文はSVCの第2文型ですからS=Cの関係があります。つまり、
夢(未来)= ( )a teacher.
ということになるじゃないですか。そう、一方が「未来」のことを表しているのに、=でつながったもう片方が「未来」のことじゃないってのはおかしいですよね。
したがって「未来志向」であるto becomeがふさわしいことになります。
じゃあこれは?
My hobby is ( to collect / collecting ) stamps.
「私の趣味は切手を集めることです」
今度は「私の趣味」ですか。「趣味」っていうのは「繰り返して行うこと」だと思うので、今回は、
趣味(繰り返して行うこと)=( )stamps
ということになりますね。繰り返すことが可能な表現、つまり動名詞表現が適切であることが分かるわけです。collectingが正解。
② SVOC(第5文型)のCにto V / Vingを置くとき
続いてはSVOCの第5文型です。これも無理やり暗記している方がいらっしゃると思いますが、ポイントは全く同じことなのです。
● V + O + to do → 「Oが(これから)~するようにVする」
● V + O + doing → 「Oが(すでに~している状態を)Vする」
例 He forced me (to study / studying) English.
「彼は無理やり私に英語の勉強をさせた」
この場合「彼が強制した」のは「私がこれから英語の勉強をする」ことであり「私がすでに英語の勉強をしている」のを強制するわけないですよね。
したがってto studyが正解になるわけです。簡単でしょ?
例 Don’t keep him (to wait / waiting).
「彼を待たせるな」
この場合、「彼がこれから待つのを維持する」のではなく「彼がすでに待っている状態を維持するな」という意味なのです。waitingが正解
③「散歩をする習慣」は?
「彼は散歩をする習慣がある」を英作文してみましょう。おそらくこんな感じになるのでは?
例 He has the habit to take a walk.
ところがこれ、ダメなんです。このto take a walkは前のhabitにかかり「散歩をする習慣」と表現しているつもりなのですが、
to Vは1回きりのことに使いますので「何回」も行うhabitとものすごく相性が悪いんです。
じゃあどうするか?
名詞 + of + Vingと 「同格」のofを使い「~という名詞」と表現するんです。
例 He has the habit of taking a walk.
④ It is 形容詞 to V / Ving
皆さんはIt is 形容詞 to Vの形はよくご存知かと思いますが、これもIt is 形容詞 Vingの表現が可能なのは知っておいて良いかと思います。
もちろんシチュエーションによるのですが、例えばこんなのはいかがでしょう。
例 駅の近くに住んでいる彼が、友達に立地の素晴らしさを言うセリフ
It is nice to live near the station.
「駅の近くに住むのっていいよ~」
ところがこれだってto Vで書かれていますので「これから駅の近くにすむ」のニュアンスが出てしまうんです。ここは「もうすでに住んでいる」わけですから、このシチュエーションに合うのは、
It is nice living near the station.
と表現するのがよりベストな表現ということになります。
動名詞か不定詞か?の練習問題
【問】次の( )に適切な語句を入れよ
(1) All you have to do is ( to go / going )abroad.
(2) The teacher encouraged him ( to think / thinking ) for himself.
(3) ( To hear / hearing ) him speak English, you would take him for an American.
【解法】
(1) All you have to do is ( to go / going )abroad.
All you have to doが主語。「あなたがこれからしなければならないこととは」という意味です、つまり「未来」のことを表していますのでis以下はto Vの不定詞で受けると良いでしょう。
訳「あなたがやるべきことは留学することだ」
(2) The teacher encouraged him ( to think / thinking ) for himself.
encourageは「促す」という意味です。つまり彼が「これから一人で考える」のを促したのです。「すでに考えてる」のを促すんじゃないですよね。to thinkが適切です。
(3) ( To hear / hearing ) him speak English, you would take him for an American.
訳は「彼が英語を話すのを聞けば、君は彼をアメリカ人と思うだろう」です。
もちろん「これから彼が英語を話すのを聞けば」と今後のことについて話をしているのですから、to hearが適切と分かるわけですね。
まとめ
さて今回はいかがだったでしょうか。to V とVingはよくその違いを聞かれる箇所ですので、単に暗記に終始することなくそのニュアンスをしっかり理解して表現に役立ててくれればなと思います。!
ではまた
不定詞の効率的な学習方法が知りたい方は以下の記事がおススメ。
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