● こんにちはまこちょです。
みなさんは助動詞の過去形ってどう表現しますか?
例えばcanは?
いやcouldでしょ?って思った方もいるんじゃないでしょうかって書くと、
え!違うの??
って思っちゃうんじゃないでしょうか。確かに中学生のときにcanの過去形はcouldと学習したはずなのですが、このcould実はそう簡単にいきません。そこで今回は、canの過去形にcouldを使ってもいいかどうか、みなさんと検討したいと思います。
ぜひ今後の英語学習にお役立てください。
通常形の過去形
みなさんは、普通の動詞は以下のように表現しますよね。例えばuseの過去形は?
例
He used this camera.
訳「彼はこのカメラを使った」
use → usedになれば「過去形」が完成します。簡単じゃないですか。
ところが助動詞はそうはいかないんですよ。
例えば次の文を英作文してみましょうか。
例「彼は泳げた」
そう、何の作為もなければこう書くんじゃないでしょうか。
例 He could swim.
ところがこれ、間違いとまでは言いませんが、本来の「泳げた」の意味じゃないんですよね。
これは明らかにcanの過去形をcouldと教えてきた教育自体に問題があります。
canの過去形はcouldではない。
ではcouldとはいったい何ですか?ということになりますよね。
まとめてみましょう。couldは実はこういうニュアンスなのだ。
[could]
① 仮定法 →「~できるだろう(~能力があるであろう)」
分かるだろうか。つまりcouldは通常「仮定法」であり「過去形」ではないんです。したがって先ほどの
例 He could swim.
この文の意味は
「彼は実際に泳げた」のではなく、「彼は泳ぐことはできるだろう(泳ぐ能力がある)」という意味なのである。つまり、「実際に彼が泳いでいる姿を見たわけではないが、仮に今まで一回も水の中に入ったことがなくても、彼の普段の運動神経から推測するに、泳ぐこともできるだろう」という意味なのです(長くてすみません)!
仮定法とは?こちらの記事へどうぞ
www.makocho0828.net
couldで過去形を表す場合は?
じゃぁ「実際に~できた」と言いたい場合はどう表現したらいいのでしょうか。
2つあります。まとめますね。
「~できた」
① was(were)able to V
② 過去を表す言葉とともにcould
つまり今回の例では
He was able to swim.
He could swim three years ago.
の表現なら「実際に~できた」の意味にすることができるのです。
また、「~できなかった」と否定文で表現する場合も
He wasn’t able to swim.
= He couldn’t swim.
とcouldを使うことができます。
助動詞の過去形は「過去」ではない
この助動詞の過去 ≠ 過去形は何もcouldだけに限りません。
例えばmay。
may「かもしれない」ですが、「かもしれなかった」はmightではありません。
mayとmightは「可能性の度合い」を表しているにすぎないのです。
では「かもしれなかった」と過去形を表すにはどうしたらいいか?
He may have studied English yesterday.
訳「彼は昨日英語を勉強したかもしれなかった」
と助動詞 + have + Vp.pと表現します。この表現を「過去推量」といって過去表現になります。
ではまとめてみましょう。
●[can]
①「できる」
②「できた」= was(were)able to
③「~のはずがない」= can’t(be)
④「~のはずがなかった」=can’t have V.pp
●[must]
①「しなければならない」
②「しなければならなかった」= had to
③「~にちがいない」= must(be)
④「~にちがいなかった」= must have Vp.p
●[may / might]
①「かもしれない」
②「かもしれなかった」= may(might) have Vp.p
● [should / ought to]
①「すべきだ・するはずだ」
②「すべきだったのに・するはずだったのに」
● [need not]
①「必要ない」
②「必要なかったのに」= need not have Vp.p
助動詞+have 過去分詞については以下の記事がおススメです
助動詞の練習問題
【問】次の( )に適切な語句を選びなさい
(1) The street is all wet; it ( ) during the night.
① must have rained
② should rain
③ cannot have rained
④ may rain
(2) Tom ( ) there yesterday, but we didn’t see him.
① should be
② might have been
③ may not have been
④ must be
(3) 「途中道路がガラガラでしたから、会場には15分前に着けました」
The traffic was light, so I ( ) get there fifteen minutes early.
① could
② was able to
【解説】
(1) The street is all wet; it ( ) during the night.
① must have rained
② should rain
③ cannot have rained
④ may rain
この文はduring that nightが「過去」を表す表現ですね。したがって( )には「過去形」が入ることになります。
この時点で②、④はアウトですね。助動詞は「現在形」で未来の内容になるからです。答は①「~したにちがいない」の過去推量です。
訳「道がぬれている。夜中に雨が降ったに違いない」
(2) Tom ( ) there yesterday, but we didn’t see him.
① should be
② might have been
③ may not have been
④ must be
yesterdayがありますからね、( )は過去形でないとまずいでしょうね。この時点で①、④はダメ。
後ろの文は「しかし我々は彼を見なかった」ですから( )は肯定文でbutが活きるでしょう。答えは②。
訳「トムは昨日そこにいたかもしれないが、我々は彼を見なかった」
(3) 「途中道路がガラガラでしたから、会場には15分前に着けました」
The traffic was light, so I ( ) get there fifteen minutes early.
① could
② was able to
この文は「実際に会場に着いた」のですから、couldは「着く能力がある」だけで実際には着いていないことに注意。答えは②。
まとめ
さて今回はいかがでしたか?助動詞の過去形を見て「過去形」だ!と思わないように注意しましょう。
ではまた
助動詞の学習手順について知りたい方は、まず以下の記事を見て助動詞の流れをつかみましょう。
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