●こんにちは、まこちょです。
このカテゴリでは実際の入試問題を使い、「単元別」に入試英文法の「解法プロセス」をみなさんとともに学習していきたいと思います。
まず、いきなり最初に問題を5問提示いたしますので、お手数ですが実際に問題を解いてから「解法」をご覧になっていただくと効果的に学習できるかと。
では張り切っていきましょう!全部解けるかな?
本日の挑戦
[問1] ( )の中に入る適切なものを選びなさい
(1) Glen and Wilma usually ( ) their washing on weekends.
① are done
② do
③ have been doing
④ have done
(2) “What did you do last night?”
“I watched TV, practiced the piano, and ( ) my homework.”
① did
② have done
③ would do
④ do
(3) When Tom came home, Mary ( ) a book in the living room.
① has read
② is reading
③ reads
④ was reading
(4) I ( ) for a trading company in Tokyo at this time next year.
① have been working
② will be working
③ have worked
④ was working
(5) Listen! I ( ) a funny noise outside.
① hear
② am hearing
③ had been hearing
④ had heard
【解法】
いかがでしたでしょうか?問題を解いていただくと分かるのですが、今回のお題は「時制」についてみなさんと考えて行きたいと思います。
このカテゴリは定期テストのように「決められた範囲」を暗記してしのぐ勉強法ではなく『初見の問題をどの点に注目して正解にたどり着くか』をテーマに解説します。
つまり『1を知って10に応用できる』ことを目標にしています。根拠を明確にしていきますのでぜひチャレンジしていただければと。
さて今回は「時制」です。
「時制」の問題に当たるとき、まず皆さんが知っていなければならないことはこれ。
時制の問題は『必ず』文中にヒントがある
英語の時制には「現在・過去・未来」とありますが、この時制を区別しているのは、もちろん私たちの「なんとなく」の気分なんかではありません。
もしそれがまかり通るなら「時制」の問題は成り立ちませんので、とっくに入試問題から外されているでしょう。例えば次の例を見てください。
例 I am happy and I was happy.
この文は極端な例で間違っているのですが、どこが間違っているか分かるでしょうか?
英語の時制は私たちの「気分」で勝手に変えることは「許されていません」。
この文ではandを挟んで「現在形 and 過去形」となっていますが、【なんの断りもなく】いきなり時制が変わっていますよね。
こんなことは英語では認められないのです。これが例えば、
例 I am happy and I was happy yesterday.
でしたらand以下は『過去形』と一緒に使うことになっているyesterdayがありますから、しっかりと「and以下は過去形にするよ」と報告していますので問題がなくなるのです。
と、こんなことを説明していますが実は先日、生徒A君からこんな質問を受けたんですよね。
A君「先生よ〜うそつくなよコラ!俺ぁな、最近勉強してんだよ。そしたら時制を表す言葉なんかひとっつもでてこねぇ文、一杯あったぞおい!ふざけんなよ!あ?」(原文ママ)
…相変わらず知性がみなぎっているお言葉ですね。
なるほど!たしかにA君の言ってることは正しい。例えばこんな文ですよね。
例 I had a pen three days ago, but I don’t.
これなんかは典型的な文で、接続詞butを挟んで 「過去形 but 現在形」の構成になっています。
したがって過去形から現在形に変わっていることになるのですが【現在形に変わりますよ】のサインがないじゃないですか。
実はこの「サイン(言葉)が何もない」という事実そのものが、ある時制を指すサインになっていることをA君は気づいていません。
そうこのサインが全くない状態、それは【現在形】にしろというサインだったのです!まとめます。
[時制] を決めるサイン
○過去形・未来形 ⇒ サインが『絶対』に必要
○現在形 ⇒ サインがなくてもいい
ですから今後こんな問題があっても迷ってはいけません。次の( )に入れるのはどちらが正解ですか?
例 I ( ) the piano.
① play
② played
もう大丈夫ですよね。正解はもちろん①。 「どっちも入るじゃねえか!」とA君ばりに吼えてはいけませんよ。
さて、初回ということもあってちょっと長くなりました。
つまり時制の問題を解くということは「文中にあるヒント(言葉)がいったいどの時制のサインなのかを見極める」ということに他なりません。
ではそのヒントにはどんなものがあるか、この5個の問題を通じて学習すればよいわけです。
(1) 文中にusuallyがあり、これが時制を決めるヒントです。
always、usually、sometimes、oftenは「現在形または過去形」しろ、というサインです。
「どっちだよ!」と突っ込んではいけません。先ほどの説明の通り、「過去形」にするには「過去形」にするサインが必要なのです。
この文には他に時制のヒントとなる言葉がありません。したがって「過去形」にすることは出来ないのです。答えは②。
ちなみに選択肢の③、④はそれぞれ「現在完了形」ですが、「完了形」にするにはもちろんそれ用の言葉(サイン)が必要になります。
(2) 「過去形の質問」に対して「過去形以外の言葉」で応えるのは会話がかみ合いませんね。
この返事も A, B, and Cという3文構成になっています。A、B、C、それぞれ同じ時制にしましょう。答えは①が正解。
(3) when + 「過去」の文は、yesterday、〜ago、 last 〜と並んで「過去形」にするサインです。
したがって主節は「過去形」になるのですが、そういう観点からみるとこの問題の選択肢は①〜③がすべて「現在」を表す表現で不適当であると分かります。④が正解。
(4) nextがあります。tomorrow, next等は「未来形」のサイン。選択肢は「未来形」が入っていることが条件です。したがって②以外ありえません。
(5) この文章での時制を表すサインはいったい何でしょうか。若干分かりにくいのですが、実はListen!がそうです。日本語訳は「聞いて!」ですが、特にこの「!」マークが光っています。
この様な表現はまさに「今この瞬間」を表すサインで「現在進行形」にしなさい!のサインです。
現在進行形はnow以外にもこのように「〜!」などのサインに導かれることがよくあるのです。
例 Look! He is having lunch in the park.
「見て!彼、公園で昼食を食べてるわ」
ということは話は簡単!答えは現在進行形の②だろと思った方、あわてちゃいけません。
これは時制というよりも「動詞」の使い方なのですが、hearは動詞で使う場合、【進行形にできない】というルールがあるのです。
こういった動詞を「状態動詞」といいます。したがって今回はこの②の選択肢がひっかけの問題になっています。答えは①が正解。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は「時制(1)」をみなさんとともに学習してみました。次回は時制(2)の予定です。
ところで今回の解説で私が「意識的」に行っていることが1つあるのですが、みなさんはお気づきになられたでしょうか?
私はこのカテゴリーで「大学受験英文法」を問題を通じて解説していく予定ですが、その際、極力「和訳」を避けて解法を提示しています。
私達は日本人ですから、困ったときはどうしても母国語、すなわち「日本語」に頼りがちになります。ところが大学入試の英文法というのは、よりにもよって私達が困った際、一番逃げる箇所にトラップを仕掛けて罠にはめる場合がほとんどです。
つまり我々の場合は「日本語」に他なりませんね。
「英文法」は「英語」で考えましょう!
ではまた
第2回挑戦状:時制問題のカテゴリはこちらになります。
www.makocho0828.net
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