● こんにちは、まこちょです。
英文はS+Vの単文だけでしたら、比較的容易に解釈できるのですが、これがS+Vがたくさん出てくる文になると、突然英文を解釈するのが難しくなるのが困ったものですよね。
「英文中にSとVがたくさんあってどの英文を主軸に訳していくか分からなくなるんだけど…」
「主節」と「従属節」ってなに?それが分かったから何になるの?
というのは英語学習者がよく思う疑問ですし、よく質問を受けたりします。
そこで今回は「【主節】の主語(S)+動詞(V)の見つけ方」を徹底解説したいと思います。主節と従属節がいつでもしっかり分かると、英文解釈を行うときに「あなたの武器」になる!この点を今回は以下の記事で伝えます。
【主節】の主語と動詞の発見方法とは
前回で英文に必ずある「主語(S)+動詞(V)」を左から順に読んでいき、発見するコツを教えました。
参考までに
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ようするに、【文に出てくる最初の名詞】を主語(S)に見立てる、という実にシンプルな方法なのですが、効果は絶大です。
なぜ名詞に関してこんなルールが通用するのかというと、英文に出てくる名詞は宙ぶらりんな存在っていうのがないからです。したがって前回の続きから、英文の名詞に関して次のようなルールが言えます。
文中の名詞 ⇒ 必ず『役割』を持っている
名詞の『役割』なんて大げさに言っていますがその役割はたった4つしかないのですよ。
名詞の『役割』 ⇒ S / O / C / 前置詞の名詞(前置詞のO)
簡単な例を出しましょう。
例:I have a pen.
この文は意味的には非常に簡単な文ですが、この文中に出てくる名詞の役割を見てください。
I は動詞haveの「主語(S)」という役割が与えられていますね。後半のa penはhave「目的語(O)」という役割が与えられています。
このように文中の名詞は各自役割が与えられていて、ぽけーっとしている名詞がないのです。これを無意識に押さえていることが重要です。
ところで、先日ある英語学習者からこんな質問がありました。
「先生〜、英文って、主語(S)と動詞(V)が1文にいっぱい出てきてよ〜、正直ウザくありません?(原文まま)」
わかるよ〜わかる! これって高校くらいから扱う英文が複雑になってくるとみんな1回ぐらい思うんですよね。
例えばこんなやつは?
(例文) …But as the conflict developed, with America’s rights at sea in danger and imperialistic Germany pressing dangerously to-word victory, the public, while still against taking up arms, began to divide into two camps….
いやぁ、みなさんの悲鳴がね、聞こえてきそうです。
でも心配しないでください。主語(S)+動詞(V)がたくさん出てきて複雑そうに見える文でも、次のルールを押さえておくと混乱もだいぶ抑えられるのです。
英文 ⇒ 主節(メイン)の文が『必ず』1つある
主節の文 ⇒ 主語(S) の前に『接続詞・関係詞』がない文
例えば次の文を見てください。
例: When I came home, he was singing songs.
この文ですが主語(S)と動詞(V)が2つ出てきますね。どっちが主節(メイン)の文でしょうか。
最初の I はcameの主語(S)ですが、前に接続詞のwhenがありますよね。後半の文はhe(S) was singing (V)ですが、heの前に接続詞・関係詞がありません。
したがってこっちがこの文章の主節ということになります。主節の文はこの文章全体で一番言いたい箇所ですので非常に重要なんです。
どうでしょうか?いくら文が複雑になっても主節の文は『たった一つ』。それを見つけられるだけで格段に解釈力は向上します。
では今日も練習問題をやって定着させましょう!
本日の練習問題
[練習問題]
主節の主語(S)と動詞(V)を見つけなさい。
(1) As we grow older, our memory becomes weaker.
(2) Please say hello Mr. Brown when you see him.
(3) Whether his daughter succeeds or not he will be happy to be next to her.
(4) When I told him that I would go to America, he said that he envied me.
解説
(1) 主語(S) + 動詞(V)のかたまりが2つあります。weの方には接続詞のAsがあるため主節の文ではありえません。
ですが主節の文は英文に必ず『一つ』存在するという信念をもって文にあたることになります。our memory (S) becomes (V)が主節の文。「成長するにつれて記憶力は弱まる」
(2) 主語(S) + 動詞(V)のかたまりが2つ。 you(S) see(V)の方は前にwhenがありますので主節の文ではありません。Please say (V) が主節の文です。 「彼に会ったらよろしくお伝えください」
ところで、このように主節の文の(S)がない場合はそれは「命令文」のサインです。
(3) このように一見複雑に見える文章でもあわててはいけません。くどいようですが「左から右へ」一読してすべてを理解する、これがこの【読解英文法】のコンセプトであることを忘れないでください。
やはりこの文も2文構成ですが最初のhis daughter(S) succeeds (V) には接続詞のwhetherがついています。したがって主節ではない。主節はどこ? → 必ずあるはずだ!という思考プロセスを経て、
Whether his daughter succeeds or not, he will be happy to be next to her.
と主節の文をとらえられれば大したものです。「彼の娘が成功しようとしまいと彼女が近くにいて彼は幸せだね」
(4) この文は何個S+Vがあるのでしょう。なんと文章中、4つもS+Vが出てきます。
先ほどの私の生徒のセリフではないですが「ウザい」ですね。しかしどんなに複雑に見えても基本コンセプトを忘れずに!
ここでも【ルール】がキーポイントになり、
When I told him that I would go to America, he said that he envied me.
と主節の文を左から右へ順に読んでいきあぶり出せた人はお見事!です。
「私がアメリカに行くと彼に言ったとき、うらやましいと彼は言った」
どうでしょうか。英文を読む時には、それぞれルールがありますが、その1つ1つは至ってシンプル。
なかなか最初はノンネイティブの私達にとっては、日本語に頼りたくなる気持ちも分かりますがここはぐっとこらえて頑張ってみようじゃありませんか!
最後に主節・従属節についての大学入試問題です
最後に今回の「主節」「従属節」の知識を利用した大学入試問題をご紹介します。一見複雑な英文に見えますが、主節・従属節についてのルールをしっかり理解していると、意外に読めてしまいます。ぜひトライしてみてください。
【問題】
Of the many choices he had after he had graduated from university, he chose that which seemed to him the most attractive.
【解説】
主節の主語(S)・動詞(V)はどこ?
● Of the many choices … ⇒ 前置詞がいきなり目に入ってきます。もちろん後ろの「名詞」とセットになっているはずだから、< >で括ってしまいましょう。この時点でthe many choicesを
Of the many choices(S) …
と捉えてしまっている方がいましたら、それは前置詞Ofの存在を無視した「勝手読み」ということになり間違っています。
ofは後ろが「複数名詞」のときは「〜のうち」と訳をあてます。
訳「たくさんの選択肢のうち」
the many choicesが主語じゃないの?って思ってしまった人はこちらの記事がおススメだ
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続いて、
<Of the many choices> he had after…
この時点でhe hadを主節のS+Vだと考えても「致し方ありません」。
大丈夫です!「直読直解」をしてるのですからそう考えるのは【むしろ当然のこと】。
ですが、hadの後ろがafterになっているのを見て「違和感」を感じなければなりません。
<Of the many choices> he had after he had graduated from university,…
hadは自動詞?他動詞?
英文の主節は必ず文の要素がすべてそろった「完全な文」にならなければいけません。
hadはhaveの過去形で有名な「他動詞」。したがって後ろには目的語(O)が必要ですが、この文にはありません。
<Of the many choices> he had → Oがない after he had graduated from university,
さらに、he hadが主節ならば、「,(カンマ)」の後ろのhe chose… はいったい何なのでしょうか。
<Of the many choices> he had after he had graduated from university, he chose(?)…
「わかった!主節が2つあるんだ!当たりでしょ?
いえいえ、そんなわけありません。英文に出てくる主節の文は基本「1つ」と決まっています。
もうわかったでしょう。最初に出てきたhe hadは主節ではなく、many choicesを修飾する節だったのです! したがって、
<Of the many choices> ⇐ [he had after he had graduated from university], he(S)chose(V)…
と最初から捉えられた人、「お見事」です! <前置詞+名詞>の名詞にも修飾語句はかけることが出来ますよ!
choicesとheの間に関係代名詞が省略されていたのです。
訳「大学卒業後に持っていた多くの選択肢のうち、彼は・・・を選んだ」 → 「大学卒業後の選択肢のうち、彼は・・・を選んだ」 。続けて、
… , he chose that which seemed to him the most attractive.
he choseは主節とわかりましたので問題ないでしょう。choseはchooseの過去形で「他動詞」。したがって後ろのthatは目的語(O)と分かります。
くどいようですが主節の文は必ず「完全な文」になるということは忘れちゃだめ。
さらに、
he chose that [which seemed〜]
thatに関係代名詞節がかかっています。代名詞のthatに関係代名詞はかけられますよ!
seemは「〜のように思える」と訳を当てます。ここまでで 「…, 彼は〜のように思える【それ】を選んだ」
seemの文型は?
seemはSVCの第2文型をとります。したがってto meを< >にくくると、
… that [which seemed(V) <to him> the most attractive(C)]
とattractiveがCになっているのが見えてきます。
「…, 彼は最も魅力的に思える【それ】を選んだ」
さて決まった!全体訳はこれです。出来ましたでしょうか?
全体訳「大学卒業後、多くの選択肢のうち彼は最も魅力的に思えるものを選んだ」
あとがき
さて、今回はいかがでしたでしょうか。主節の主語(S)と動詞(V)が分かるということは英文の「軸」が分かるということ。したがってぶれない英文解釈をするには必ず必要な要素になります。
ぜひモノにしていただいて今後の英文解釈にお役立てください。
また会いましょう。
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