② なぜ副詞節には未来形が使えないのかがわかります
●こんにちは、まこちょです。
英文法の勉強をしていると何で?と思う箇所によく出くわすと思います。
今回取り上げる文法単元も皆さんの中で「?」がつく箇所の一つなのではないでしょうか。
それは「時・条件の副詞節」。
ここでいう時とは主にwhen、条件はifを指します。
この時・条件の副詞節は後ろに続く文に「未来形」を使ってはいけないというルールがあるのですが、いったいなぜなのでしょう?
本日はこの「謎」を解き明かしたいと思います!
またそのためにはif節やwhen節が「名詞節」か、それとも「副詞節」かも判断できなければなりませんよね?
その点を徹底解説いたします!
まずは副詞節か名詞節かを判断する
このif節、when節は、副詞節の他に「名詞節(when節は形容詞節も)」もあり、何はともあれ節の「種類」がしっかりと分類できなければなりません。
一応、他の記事でも節の判別法は解説していますので良かったら目を通して頂きたいです。
[if節の種類]
①「副詞節」⇒ 「もし~ならば」
②「名詞節」⇒ 「~どうか」
[when節の種類]
①「副詞節」⇒ 「~するとき」
②「名詞節」⇒ 「いつ~か」
分類するときのポイントは「副詞」はS/O/Cの要素に含まれないというところです。したがって副詞の場合は文中から取ってしまっても、後にはしっかりと文が残ることになります。
逆に「名詞」はS/O/Cのどれかに必ずなりますので、文中から取ってしまうと中途半端な英文が残ります。
例① If it ( is / will be ) fine tomorrow, let’s go swimming.
例えばIf it ( is / will be ) fine tomorrowの箇所は「副詞節」でしょうか「名詞節」でしょうか?
その場合はこの箇所を実際に文から取ってみると分かるんです。
let’s go swimming.
Let’s~の文が残りますよね。文型的に問題のない文が残ります。
したがってこのif節は「副詞節」と分かるんです。
副詞節のif節、when節は後ろの文に絶対「未来形」を使うことができません。
したがってここでは( )の中の時制にisを選ぶことになりますね。
例② We don’t know when the earthquake(happens / will happen).
この文はどうでしょう?when節がWe don’t knowにくっついていますね。
判別するには文からwhen節をいったん取ってみればいいんです。すると
We don’t know
さてこの文は文法的に正しい文なのでしょうか?
ポイントはknow。この動詞は「他動詞」で後ろに名詞(O)が必ず必要なのです。
We don’t know→名詞(O)がない
つまりこの文は必要な要素が文にそろっていないということになります。
そうwhen節がその必要な要素の一部分だった、ということです。
つまりこのwhen節は「名詞節」。「いつ~か」と訳すことになります。
名詞節は「未来形」をバリバリ使うことが可能です。
今回の文も「いつ地震が起きるのか」は未来のことですからwillを使うことになります。
どうですか?コツが分かったらちょっと下の問題にチャレンジしてみましょう。
if・when節の練習問題
【問】次の( )の語を適切な形にしなさい。
(2) What will you do if it (rain)?
(3) I wonder when he(become) a teacher.
(4) I’ll stay home if it (is) rainy tomorrow.
【解説】
(2) What will you do if it (rain)?
if節を取ると
What will you do
doの後ろにある名詞はwhatに変わって前に出ていますからこの文は必要な要素がすべてそろっているといえますね。
したがってif節はなくても問題ない「副詞節」ですね。未来形は絶対ダメです。
未来形の代わりに「現在形」を使うことになっていますので、ここはrainsが正解ですね。
訳「雨が降ったら何をしますか」
(3) I wonder when he(become) a teacher.
when節を取ると
I wonder
wonderは他動詞ですから、この文はおかしいと分かりますね。
つまりwhen節が名詞節なのです。「彼がいつ先生になるか」ですからwill becomeがいいですね。
訳「彼はいつ先生になるかなあ」
(4) I’ll stay home if it (is) rainy tomorrow.
if節を取ると
I’ll stay home
stayは自動詞ですのでこの文は問題のない文です(homeは副詞)。
したがってif節は「副詞節」。tomorrowがありますが、未来形の代わりに現在形を使うことになります。答えはisそのままでokですね。
訳「明日雨が降ったら家にいよう」
時・条件の副詞節の問題はTOEICでこのように出題されます!
【問】If Ms.Flecher accepts the position, she ( ) to client locations both domestically and abroad.
- will travel
- traveled
- travels
- has traveled
(出典:スタディサプリTOEICtest対策コース パーフェクト講義 英文法編1テキストP16より)
なぜ副詞節のif・when節は未来形が使えないのか
ところで、なぜ副詞節のif・when節は未来形が使えないのでしょうか。
この点については様々な参考書でいろいろな説明がなされています。まとめると、
「willというのは100%の確信を表す助動詞であるが、それに対してifのような確率50%(ifの正確な意味は【~であるかもしれないしないかもしれないが、もしあるとすれば】の意)の要素と併用することは論理的に矛盾しているので、時・条件節ではwillを用いない」であるとか、
「主節の内容が未来を表しているから、誤解のない限り副詞節まで未来を表す will を使う必要はない」や、
「ifやwhenと言った時点でそれが未来の事柄であることは明白なので、言語の経済性の原理から見て冗長なwillは用いない」などといった説明が主になります。
ちょっといまひとつ腑に落ちませんよね。
じつはこの時・条件の副詞節ですが、私はこういう風に理解しています。ちょっと難しいかもしれませんがまぁネタとして押さえておいてください。
じつは英語はその昔、「不確定」なことに対しては「動詞の原形」が使われていた。
動詞の原形=不確定なこと
よくよく考えてみれば命令文や助動詞の後ろ、そして不定詞も動詞の原形が使われていますよね。
You must study English.
Use this pen.
I want to play tennis.
この3つをよく見てみると、すべて「これから行うこと」、すなわち「未来の不確定なこと」であることが分かります。
そう実は昔、時・条件の副詞節を表現するときも「動詞の原形」が使われていた。つまり
例 If it rain tomorrow…
と表現していたのです。
ifの文もwhenの文もこれからすることを述べるわけですから「不確定」なことなのは明白です。
したがって元は
If it rain tomorrow,..
と表現していたものがいつしか
If it rains tomorrow,..
となったものであると考えることができます。つまり偶然の産物だということ。
英語には未来表現がありません。willは現在形(「意思」を表す助動詞)なのです。「未来」ということは「事柄が確定していない」ということですから、それらはすべて「動詞の原形」が使われていた。それがいつしか現在形にとってかわったのだ。
これがおそらく真相かと。非常に難しいお話でしたね!
まとめ
さて今回はいかがだったでしょうか。この時と条件の副詞節、なぜ未来形が使えないのかは諸説あります。ぜひ学習にお役立てください。
ではまた。
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