●こんにちは、まこちょです。
前置詞のofは「~の」という訳出だけではなく、じつはさまざまな「格」に訳すことができます。
「主格(~が)」「目的格(~を・に)」「所有格(~の)」などがそうですね。
ところがこの万能選手ofなのですが、万能すぎるゆえに、受験生も「このofはどうやって訳すんですか?」と悩んでしまう箇所であるようです。
そこで今回は英文解釈を通じてこのofをスタイリッシュに訳し上げる技をご紹介。ぜひマスターしていただければ幸いです!
その他の箇所としてthat節の処理など、非常に重要な解釈ポイントを含んでいます。ぜひ全文チャレンジしてみてくださいね!
本日のお題
【問】
① There are a lot of people today who demand that men of science should devote themselves to the pursuit of discoveries that can immediately be turned to account. ② To my mind, however, there could be no surer way of rendering the future completely barren since nearly all great technological advances depend upon discoveries so unexpected as to be unplanned.
【解説】
[①の文]
There are a lot of people today who demand that men of science should devote themselves to the pursuit of discoveries that can immediately be turned to account.
V+that…のthatは「接続詞」
● There are a lot of people today who demand… ⇒ 出だしは問題ないかと。There V+Sの文に関係代名詞のwhoがかかっているね。
訳「今日、…を要求する人が多い」
そして、動詞demandの後ろにthat。構えは出来ていますか?「動詞の後ろのthatは接続詞のthatを疑え!」です。
…who demand that men of science should devote themselves to the pursuit of discoveries…
thatの後ろがmen(S)とshould devote(V)でthatが接続詞であることの予測がバッチリ!「ほっと」しましょう。
接続詞の基礎は万全?こんな記事はいかがでしょうか
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ofは「格」を持つ前置詞
● devote A to Bは「AをBにささげる」toが不定詞のtoではなく「前置詞」であるというのはよく文法問題何かでも狙われるポイントですね。「科学者は何をささげるべき」なんでしょーか。続いて
…the pursuit of discoveries…
「発見の追求」でもいいんですけどね。和訳無しの「読み」だけなら。
ただこだわり派(?)の解釈マスターの我々はこのofもきれいに訳してみましょう。今回のポイントでもありますね。
A of Bの形はAとBのうち「動詞化」できる方を探しましょう。
今回はpursuitが「追求⇒追い求める」と動詞化できますね。すると「何を追い求める」のかと疑問がわくはずです。
ここでは「発見を」追い求めるのです。このofは「目的格」のof。
訳「今日、科学者は…の発見を追い求めることに専心すべきだと要求する人が多い」
ofの処理が今一つ!っと思った方はこちらの記事にどうぞ
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そしてdiscoveriesにまたthat節が。canの主語がないので「関係代名詞」節。
… the pursuit of discoveries ⇐that can immediately be turned to account.
turn ~ to account「~を利用する」
訳「すぐに利用できる発見」
①の文訳「今日、科学者はすぐに利用できる発見を追及することに専心すべきだと要求する人が多い」
接続詞のthatと関係代名詞のthatの見分け方は完璧か?次の記事でチャックしよう
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[②の文]
To my mind, however, there could be no surer way of rendering the future completely barren since nearly all great technological advances depend upon discoveries so unexpected as to be unplanned.
接続副詞のhowever
● To my mind, however, there could be no surer way… ⇒ however,は「論理接続の副詞」といって、文中のどこにあっても文頭に出して訳します。したがって、「しかし」からこの文はスタート。
to one’s mind で「~の意見では」
訳「しかしながら、私に言わせれば、…確実な方法はないだろう」
接続詞と接続副詞の違いとは?この記事がくわしいです
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surerと「比較級」が使われているのでthanがあるはずなのにないですよね。比較級のthanが省略されるのはthan以下の対象が明確な場合。
ここでは前の文の内容を受けているのだ。したがってthan thisを補うと分かりやすいですね。
訳「しかしながら、私に言わせれば、これほど確実な方法はないだろう」
比較についてもっと知りたい人はこちらの記事がおススメ!
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比較級のthan以下が省略される理由とは?
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続いて
… no surer way of rendering the future completely barren…
of+~ingは「同格」表現。「~をするという」。
renderはrenderO+Cで「OをCにする」。SVOC文型を取ります。
訳「しかしながら、私に言わせれば、これほど未来を不毛にする確実な方法はないだろう」
このsinceの種類は?
..since nearly all great technological advances depend upon discoveries…
接続詞のsinceは訳し方が2種類あるから注意しましょう。
[接続詞のsince]
① since +過去形 ⇒ 「~以来」。主節は現在完了形になる
② since +その他の文 ⇒ 「~だから」=because(理由)
ここは「理由」の意味で使っている。
訳「なぜなら、ほとんどすべての大きな科学技術の進歩は…発見に支えられているからである」
続いて
… discoveries so unexpected as to be unplanned.
since S+VともうすでにS+Vが出てますので、このunexpectedは動詞ではありません。「過去分詞」でdiscoveriesにかかっていますね。
so ~ as to Vは「Vほど(十分)~だ」の構文です。ちなみにtoVはVの部分が「受動態」の形のときは「可能(できる)」のニュアンスがつよくなるのは覚えておくと良いでしょう。
訳「(あらかじめ)計画を立てることができないほど予測不能な発見」
②の文訳「しかしながら、私に言わせれば、これほど未来を不毛にする確実な方法はないだろう。なぜなら、ほとんどすべての大きな科学技術の進歩は(あらかじめ)計画を立てることができないほど予測不能な発見に支えられているからである」
ようし決まった!今回の解釈はこれです。
全体訳「今日、科学者はすぐに利用できる発見を追い求めることに専心すべきだと要求する人が多い。しかしながら、私に言わせれば、これほど未来を不毛にする確実な方法はないだろう。なぜなら、ほとんどすべての大きな科学技術の進歩は(あらかじめ)計画を立てることができないほど予測不能な発見に支えられているからである」
私たちの今日の生活もいわば「偶然の産物」なのかもしれませんね~。
まとめ
さて今回はいかがだったでしょうか。今回のポイントは、
① ofの処理
② 比較級のthanの省略
③ sinceの対処法
でした!
ではまた
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