● こんにちは、まこちょです。
みなさん、「感情動詞」って知ってますか?
例えば「驚く」「喜ぶ」「悲しむ」など、要するに「気持ち」を表現する動詞ですね。主にsurprise、excite、pleaseなどが代表的です。
この「感情動詞」と呼ばれる動詞、実はよく質問に上がります。質問の内容を集約すると
「感情動詞はなぜ受動態(受け身)で使うのですか?」
というものです。
例えば「彼は驚いた」をちょっと英作文してみてください。「感情動詞」の予備知識が全くなかったらおそらくこうやってしまうんじゃないでしょうか。
He surprised.
ところがこれ、間違っているんです。正しくはこう。
He was surprised.
なぜ?なぜ??なぜなのよ???
なぜ「受け身」なんでしょうか?だって「~られる・される」ってどこにも書いて無いじゃないですか!とよく質問されるんです。
いや日本語訳がもともと「驚かす」だからさ、受け身で表現したら「驚かされる → 驚く」なんですよ!っていうのは簡単なんですけどね。
な~んか今一つ腑に落ちないんですよね。
というわけで今回はこの「感情動詞」について考えてみようと思います。
実はこの感情動詞、なぜ「受け身」で表現するのか意外な理由があった!つまり、しっかりと理詰めでこの「感情動詞」の使い方を理解することができるんです。もうこれでこの動詞の処理に悩まされることもなくなるはず!
ぜひ明日からの英語学習に役立てていただければと思います。
感情(気持ち)についての考え方の違い
私たち日本人は、「気持ち」って【自分の体から湧き上がってくるもの】って考えるじゃないですか。例えばイメージはこう
【日本人】→【感情】
当たり前じゃんか!って思うでしょ?
ところが実はこう考えるのってけっこうレアらしく、欧米人たちはどうやらそう考えないらしい。こう考えるのだ。
【欧米人】←【感情】
図にするとこんなイメージです。(※若干絵に難点があることはご理解ください)
私は最初にこのことを知ったときはビックリしました。なんと欧米の方は、「感情」は自分の体の中から沸き立つものではなく、【外】から受け取るもの、というニュアンスを持っているんです。
【驚く】→ 【驚き】を受け取ると考える。
だから先ほどの「彼は驚いた」ですが、欧米の方は「彼は【驚き】を受け取った」と考えるのだ。
「驚きを受け取る」ので、主語はいつも「受け手」になるわけだね。
つまり「受け身(受動態)」で表現するのは当然と言えるわけ。
例えば次の問題はどうでしょう。
例 「彼女はその知らせに喜んだ」
① She
② The news
それぞれを主語にして英作文を作ってみよう。
①はSheが主語だから、「喜び」を受け取ったほうだ。したがってpleaseを「受動態」で表現することになる。
① She was pleased with the news.
②のThe newsは「喜び」を受け取るほうではない。「喜び」を与える(出す)ほうだ。
したがって「受動態」ではなく「能動態」で表現するんです。
② The news pleased her.
本日の練習問題
[練習問題] 次の( )の中から適切な表現を選びなさい
(1) 「驚く女性達」⇒ (surprised / surprising)women
(2) 「がっかりする話」⇒ a (disappointing / disappointed) story
(3) The news made us (exciting / excited).
(4) (Satisfying / Satisfied )with the movie, we enjoyed ourselves.
[解説]
分詞はかかる名詞が意味上の主語
(1) 「驚く女性たち」⇒ (surprised / surprising)women
surprised / surprisingがそれぞれwomenにかかっている。
分詞が名詞を修飾するとき、その修飾している名詞が分詞の「主語」だ。これ重要!
分詞の主語って何?ってちょっと思ってしまった人、こちらの記事をどうぞ
www.makocho0828.net
このときbe動詞を補って考えてみると分かりやすいです。
women are (surprising / surprised)
女性たちは「驚き」を受け取ったと考えよう。つまり「受動態」の形がいいとわかるのだ。答えはsurprisedが正解。
(2) 「がっかりする話」⇒ a (disappointing / disappointed) story
やり方は(1)と同じ。
a story is (disappointing / disappointed)
storyは「がっかり」を受け取る方じゃない、与えるほうだと考えられるかが重要です。したがって「能動態」がいいよね。
答えはdisappointingが正解。
SVOCのOとCは主語と述語の関係
(3) The news made us (exciting / excited).
makeがSVOC文型を作っています。SVOCはOとCの間に「主語→述語」の関係がありますよ。
The news(S) made(V) us(O) (exciting / excited)(C).
つまり、
we are (exciting / excited)
の関係だね。私たちは「興奮」を受け取ったのだ。したがってexcitedが正解。
訳「我々はその知らせに興奮した」
SVOC文型のさばき方が今一つなんだよなぁ~と思った方、こちらの記事はいかがでしょうか。
www.makocho0828.net
www.makocho0828.net
分詞構文の主語がないときは主節の主語と同じ
(4) (Satisfying / Satisfied )with the movie, we enjoyed ourselves.
分詞構文の文です。Satisfying / Satisfied の前に主語がないのは主節の主語と同じだからですよね。つまりここの主語はweということになります。 つまり
we are (satisfying / satisfied )with the movie
と考えるとよいかと。私たちは「満足」を受け取ったんです。したがってsatisfiedが正解。正確に書くとBeing satisfiedだが、Beingで始まる分詞構文はbeingを省略できるのだ。
訳「その映画に満足したので、我々は楽しんだ」
分詞構文って何?と思ったひと、こちらの記事をどうぞ
www.makocho0828.net
※ 2017年 9/27追記
この「感情動詞」ですが例外が存在します。つまり感情を持つものが主語でも「受動態」表現にならない感情動詞があるのです。紛らわしいのでここでご紹介いたしますね。
自動詞:rejoice「喜ぶ」、marvel「驚く」、repent「後悔する」
例
She rejoiced at the good news.
「彼女はその良い知らせを聞いて喜んだ」
fear「~を恐れる」、dread「~を恐れる」、resent「~に腹を立てる」、regret「~を後悔する」
例
I don’t resent you.
「私はあなたを恨みません」
※【追記終了】
まとめ
さて、今回はいかがだったでしょうか。「感情」は受け取るものとはね~!たしかにこの感覚は我々日本人にはない感覚だね、だからこの点はよく間違えてしまうのも納得です。ぜひこの感覚を身につけてくださいね!
ではまた
受動態の効果的な学習方法について知りたい方は以下の記事を確認してみてください。
コメント