●ハロー、まこちょです。
みなさんは「冠詞」のtheって嫌いですよね?分かります、私もそれほど好きじゃないですから。
日本人は基本的に冠詞のa、theが苦手なんです。
でもね、仕方ないと思う。だってこの概念、日本語にはないものね。でとりあえず学校の授業とかで、こんな風に教わっていると思うんですよね。
【冠詞の基本ルール】
① 「a(an)」⇒ 不定冠詞。 最初に出てきた名詞につく
② 「the」⇒ 定冠詞。 2回目以降の名詞につく
つまり冠詞は a → the に流れるのが基本
で、こんなふーな例文が紹介されたりするんです。
例 I have a bird. The bird has blue eyes.
訳「私は鳥を一羽飼っている。その鳥は青い目をしている」
まぁ、いろいろ例外的な事項はありますけど、おおむねこういった感じで紹介されていますよね。
ところが!みなさんはこの冠詞に衝撃な「夢のウェポン」が装着されていることをご存知でしょうか?
しかもこの「ウェポン」、解釈上、ものすご~い武器になってくれるかと思えば、とてつもな~く減点対象にもなったりする「諸刃の剣」。
だから、この「ウェポン」は知らないと非常にまずいんです。あらゆる意味で。
みなさんはtheを見たら「その」、thoseを見たら「それら」なんてそっこーで訳を入れてません?
正直ヤバいっす!早急な改善が必要です。今回の話はこの辺についてつらつら書きたいと思います。
もうこれでtheを見たらおいそれと「それ」の訳語に飛びつくことはなくなるはず!ぜひモノにしていただき、周りから「一目」置かれる冠詞マスター?になってくださいね!
theっていつでも「その」かぁ?
ーtheを見たら「その」と訳せー
この発想が全てだと思うんですよ。
たしかにほとんどはこの発想でokなんです。でも世の中にはtheを「その」訳さないパターンも多くみられるのも事実。例えばコレ。
例 The man standing over there is John.
「向こうで立っている男はジョンです」
これってどこにも「その男」なんて訳ないんですけど…まぁ、当然だね。だってこのtheは「その」と訳すいわゆる「代名詞」のtheではないからだ。
そもそもこの文のmanは「初めて」出てきた名詞。そんな名詞にtheなんてつくはずがないのだ。そう、このようなtheを通称「予告のthe」または「呼び込みのthe」と呼ぶ。
英語は左から右に、つまり「→」の方向に読むよね。
つまりこの文はこういう風に文がスタートしていく。
The man….
もちろんネイティブは初めて出てきた名詞にtheなんてつくわけないのを「知って」いるから、この時点で「異常」を感じている。
そして気づくのだ。このmanについて、後ろから「説明」が入る!とね。
The man ⇐【説明】…
つまりこのtheは後ろから名詞についての「説明」が入りますよと「予告」してくれているのだ!
なんて便利なアイテムなのだろーか。
The man ⇐[standing over there] is John.
そしてこの「予告」のウェポン、実はtheだけじゃないのだ。さぁここから先は、実際に練習問題で経験してもらいましょう!
本日の問題
[問題] 各文を和訳しなさい。
(1) The time will come when all the people will live peacefully.
(2) The growth of population which began at the beginning of this century is now a serious problem.
(3) Those who are sitting by the tree are my brothers.
(4) We will try to solve those problems of our educational system which have arisen in this twenty years.
[解説]
(1) The time will come when all the people will live peacefully.
いきなり初めて出てきた単語timeにtheがついている。もちろん「予告」のthe。後ろからtimeの説明が入るのがわかる。
The time will come [when all the people will live peacefully] .
この文章は先行詞と関係詞が離れているパターンで「関係代名詞・関係副詞」の単元で学習するが、そもそもなぜ「先行詞」と関係詞が離れているのに、timeの説明が後ろからかかることが「分かるのか」に注目してほしい。
もちろんtheの存在が効いているのだ。
訳「すべての人々が平和に暮らす時がくるだろう」
(2) The growth of population which began at the beginning of thiscentury is now a serious problem.
The growth のtheが「予告」。後ろから説明が入る。of populationをgrowthに掛ければいいし、その後ろのwhich節もgrowthを説明している。
The growth [of population] [which began at the beginning of this century] is now a serious problem.
ちなみに些細だが、the beginningのtheだってもちろん「予告」。of this centuryがbeginningを説明しているよ。
訳「今世紀の初めに始まった人口増加は現在、深刻な問題である」
この訳のどこに「その」なんて言葉があるだろうか。
(3) Those who are sitting by the tree are my brothers.
those whoを「人々」と覚えている人は多かろう。だがこのthoseが元々は「予告」のthoseであることを知っているだろうか。
those whoの元々の形は those people who。このwhoは関係詞のwhoだ。peopleの前についているthoseが「予告」のthose。つまりwho節がpeopleにかかるのだ。
Those ( people ) [who are sitting by the tree] are my brothers.
訳「その木の傍に座っている人たちは私の兄弟である。」
those who がなぜ毎回後ろから修飾語句がかかるのかわかっただろうか。
(4) We will try to solve those problems of our educational system which have arisen in this twenty years.
初めての単語、problemsの前にthoseがついている。「予告」のthose。of our ~system とwhich 節が後ろからかかるのがわかる。
We will try to solve those problems [of our educational system] [which have arisen in this twenty years].
訳「我々はここ20年に起こった我が国の教育機関に関する問題を解決するつもりである」
一見良い部分しか見えないが…?
この解説を通して読んでくれれば「なんだよまこちょ、これ良いところしかねーじゃねーか!」って思った方もいるかもしれませんね。
ところがこの予告の「the/that/those」ですが、非常に困った側面があるのだ。
予告のthat/those/theは「予告」するのが仕事だから特に「訳す」必要がない。
だから「その」だの「それら」だの、「あれ」なんて訳しちゃうと減点、もしくは「×」なのだった!
ね? 知らないとやばいでしょ?
まとめ
さて今回はいかがでしたでしょうか。この予告のtheは味方につけるとそれはもう解釈能力が格段に上がるくらい強力な武器になりますが、その副作用的なものも「相当」であると理解していてほしいなと思いますね!
ではまた。
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