● いつも見ていただいてありがとうございます。まこちょです。
今回の唸る英文をセレクトしましたよ!ぜひ力試しに読んで見てください。
では本日もLet’s 「直読直解」!
本日のお題
【問題25】
I have always maintained that by a strenuous effort mankind might defeat the impartial destructiveness of nature, but I have always insisted that only by incessant hard thinking and a better coordination of man’s powers of self-sacrifice and heroism is such a victory possible.
● strenuous:形「激しい・活発な」 ● defeat:他「克服する」 ● incessant:形「絶え間ない」 ● self-sacrifice:名「自己犠牲」 ● coordination: 名「調整」
[解説]
今回はたった1文ですが、非常に長い英文です。
maintainの意味が分からなくても…?
● I have always maintained that…⇒ have maintainedは動詞。この箇所に限っては文構造は大したことはないですね。問題はmaintainの意味?分からない人もいるのではないかな?
ただこの動詞、ある程度「意味」が特定できる。後ろにthatがあることが大きなポイントだ。
V + that~の形はまず「接続詞」のthatを疑うべし!そして接続詞のthatだとしたらmaintainの意味は「言う・思う・示す」のどれかになり、例え動詞の意味を知らなくてもある程度は「予測する」ことができるのだ!
したがってここは、訳「私はいつも…と思っている」ととりあえず逃げておこうぜ。そして「何を思っているの?」とぶつけるつもりで次を読んでいく。
実はこのやり方は以前もご紹介済み!良かったらこちらも参考にしてね!
www.makocho0828.net
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続いて、
… that by a strenuous effort mankind might defeat…
thatは接続詞と「予測」して文を読んでいるので、that S+Vと「文」が続いているだろうと読み進めているのが正しい構え。と思ったらbyで肩透かしを食った格好になる。by + 名詞を< >でくくり、
… that <by ~ effort> mankind(S) might defeat(V)…
とS+Vが出てきて「予測」が当たりほっとする。この「ほっとする」という感覚は英文解釈の上達には「必要不可欠」な要素だからしっかり噛みしめようぜ!
訳:「営々と努力することによって、人類は…を克服できる(ということ)」
名詞 of 名詞の表現を「日本語」風にしてみよう
… the impartial destructiveness of nature
名詞 of 名詞の形になってるね。ここの直訳は「自然の無差別な破壊」だけど非常に「日本語」っぽくない。英語を英語のまま読むのなら「日本語」が介在しなくていいのでこのままでもいいかもですが、日本語訳にはもう一工夫。
「名詞 of 名詞」の形は2つの名詞のうち「動詞化」できる方を探そう。
natureは「自然」だから動詞にはできそうもないけど、destructiveness「破壊」は「壊す」と「動詞化」できるね。したがって
壊す of nature
となる。こう置くと「【何を】破壊するの?」となるじゃない?そう、of nature =【自然を】破壊するのだ。
of は「~の」だけじゃなく「~が・~を」というふうにいろいろな訳し方ができる。
これがofは別名「【格】を形成する前置詞」と言われる所以なのだ。
「自然の無差別な破壊」→「自然を無差別に壊すこと」とすると、見よ!この日本語の自然さを。いいでしょ?ここまでで、
訳:「営々と努力することによって、人類はを自然を無差別に壊すことを克服できる→ 壊さなくなる(ということ)」
butは伊達に使われていないぜ!
● but I have always insisted that…⇒ butがつないでいるものは楽勝。なんせ形が全く同じ「現在完了形」を使っているからね。
I have always maintained that… , but I have always insisted that…
ところでこの2つの文の箇所は意味が「まったく同じ」なのですが、そうするとこのbutは何の「逆接」なのでしょう?と思った人はするどい。
そう、この2つの文はthat以下の内容が「逆接」の内容になるのがこの時点でもう見えるのだ。that以下を読もう。
that以下の文型は?
… that only by incessant hard thinking and a better coordination of man’s powers of self-sacrifice and heroism is such a victory possible.
さあこれだ。文型が取れるかな?
that S+Vの頭になっているのは先ほどと一緒。と思ったら(only) byと前置詞が出てくるところまで同じだ。違うのはby以下の名詞が長いんだよね。
… that <only by incessant hard thinking and a better coordination of man’s powers of self-sacrifice and heroism> is such a victory possible.
なんとby + 名詞の箇所がこんなにあるのだった。最初のandがthinkingとcoordination、後半のandはself-sacrificeとheroismをそれぞれつないでいる。
by~の箇所の訳は「絶えず真剣にものを考えることと、人間が持つ自己犠牲と英雄的行動の力を上手く調節すること(によって)」
等位接続詞のさばき方をもう一度学習したい!という人はこちらの記事がおススメです!
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onlyがこの文章に与える影響とは?
… that only <by ~ > is such a victory possible
思い出した。我々はthat以下のS+Vを探しているのだった。is以下が文になりそうですが、この文、
… that … is (V) such a victory(S) possible (C)
とV+S+Cと「倒置」していて分かりづらくなっている。なぜ倒置してるんだ?
倒置の基本的な考え方はこちらへGO!
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それがonlyのせいなのだ。英語は「否定の副詞」が文頭に来ると後ろの文が「倒置」する。
例 Never have I heard such nonsense.
→ I have never heard such nonsense.
「そんなたわごとは聞いたことがない」
今回はonlyが「否定の副詞」に当たるというわけ。
え?なぜ?onlyって「否定」じゃないじゃん?って思った方へ。例えば次の文を見てみよう。
例 I only study English.
この文の訳は「私は英語【だけ・のみ】勉強する」だがこの文は裏を返せば「私は英語【しか】勉強【しない】」と同じ意味だ。
そう、onlyは「否定」に訳せるのだ。
さて、出そろった!完全訳は以下の通り。
完全訳:「営々と努力することによって、人間は自然を無差別に壊さなくなると私はいつも主張してきた。しかし私はまた、このような勝利は、絶えず真剣にものを考えることと、人間がもつ自己犠牲と英雄的行動の力を上手く調整することによってのみ初めて可能であるとも主張してきたのである。
まとめ
さて、今回はいかがだったでしょうか?かなり難解でしたが丁寧に読みほどくと英文が見えてくることが分かるかと。
今回のポイントは① V + that~の形、② 名詞 of 名詞の処理、そして③ 倒置です。ぜひ今後の学習に役立ってくれればと思っています。
ではまた!
意味をつなげるだけじゃ英語は読めない。解決法はこちら
第26回英文解釈はこちらになります
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コメント
いつも大変勉強になる記事をありがとうございます。
この英文のbutにどうしても納得がいかず、調べてみたところ、元ネタはH. G. WellsのThe Common Sense of War and Peaceのようです。しかし原文におそらく恣意的な改変が加えられていて、butの意味が浮いたものになっていると思われます。
おそらくこちらの英文は何か問題集からの引用だと思われますが、その引用元も明記していただくと助かります。お手数ですが、よろしくお願いいたします。